『まんがタイムきらら』2020年5月号、昨日の続きです。
『推しごとびより』
アイドルユニットとしてのデビューを目指してオーディションを受けようと頑張ってる様子。それぞれの強み、ダンスがうまいとか、嗜好、志向ともにアイドルに向いてそうとか描かれていく中、ひとりアイドル向けの能力、資質が見えてこない柚葉が泣けますね。これ、オーディション直前とか、あるいはオーディションの最中とか、とにかくどこかで柚葉の強みがどーんと生きてきて! みたいな展開がくるのかな? って思わされるじゃないですか。なのにその肝心のオーディションがあんなことに! ほんと、この意外性。まさかの展開。驚かされたというか、あまりの肩すかしに逆に面白くなってきました。
告知忘れでオーディション参加者が心町、空、柚葉の3人だけだったっていうんですね。でも、3人なりに頑張ってきたこと、それが評価されたのだと信じたい。と、まずはオーディション合格。となると次はデビュー? 初ステージ? そこでこそ語られる、汗と涙の熱い物語があるものだと期待して、8月号を待ちたいと思います。で、またものすごい肩すかしとかきても、それはそれで面白いな。
『そらコミュニケーション』
たびたび語られたせんりのおばあちゃん要素。ポイントカードに大幅値引き? スーパー大好きせんりのその様子をさして、いわくおばあちゃん。でもそんなにいうほどなのかな? スーパーでは、奔放なソラを押し止める圧を発してみたり、いつになくてきぱきキビキビ動いてみたりと、あんまりおばあちゃんって感じしないよね? とか思ってたら、本番はこれからか! スマートフォンならぬフィーチャーフォンを愛用するせんりの見せた機械系苦手っぷり。流行りにうとい、年寄りみたい。それであだ名がおばあちゃん。ここに加えて方向オンチ要素まで! いや、てっきり神社に寄りたかったのかと思ったじゃないですか、ねえ。この真実を黙して語ろうとしないせんりの様子、表情が実によかったです。
今回、ソラのいたいけさ、スーパーの売り場で甘えて見せたり、神社でもアニメやおもちゃ大好きなお願いしてたりね、そういうのもチャーミングでよかったです。そして、こういうのほほんとした愛らしさ、やわらかさに、父、母の無事を願うせんりがね、ちょっと一味添えてこの漫画の多面的な魅力を彩る。それがまたよいのだと思います。
『トールさんの通り道』
ケイトの部屋でメイドをやっているトール。ねぼすけふたりを鏡の反射でおこそうとする時のしれっとした表情、あれいいですね!
異世界日本から流れついたリセのこと。いろいろ確認していこうというくだり。いろいろ資料を調べても、ニホンなんて国の情報は出てこない。世界地図を借りてきても、そこに広がる世界はリセにとってはゲームの地図としか見えなくて、ここに日本が!? と思えばミルクの染みって! このがっかり感。というか、地図は、借り物は大切に扱おう!
自分の服に高値がついたと知って一気に人間不信に陥るところも面白い。と、ここまではむしろ異邦人編の導入って感じですよね。核心はこれから、リセをこの世界につれてきた魔方陣の解析。頼りになるのは魔術使い。まずはアーティ。そしてもうひとりの心当たり。それは誰か? 勇者の仲間の魔法使いサラなのか、あるいはライム? なんか後者の予感。だとしたら一波乱あったりしそうですね。
『ゆえに、アイドル革命!』
夜の屋敷に現れた怪異。廊下に鳴り響く不穏な鳴動。幽霊なのか? なんせこの異世界、幽霊だって当たり前にいそう。というかいるらしい。その幽霊の謎をユメが探ります。このユメという人、いい感じにフットワーク軽くていいですね。見た目美少女、中身は男。そのチグハグさあれど、なんか中身男っていうの、あんまり感じなくなってきて、いい感じにサバけた女の子みたいな付き合いやすさが魅力になってきてますよ。
そんなユメの遭遇した人物。背に羽を背負った妙齢の美女。誰かと思えば、これがリリノアなのか。ユメがいい感じの質問投げてくれましたね。そうか、普段の姿が本物で、こちらは魔力の放出が必要になった時に現れる別人格なのか。ということは、リリノアが大人になったら消えちゃうの? それはそれでなんか寂しいなあ。
この別人格リリノアがユメに語ったこと。リリノアにとってのユメがどういう存在であるか、それがユメにとってもなにか救いのようではないかって思わされて、異世界日本から移動してきたチューインガムの面々と違い、ひとり転生しているユメにとっては、もうここが自分の唯一の世界。そこで友人を得たというのは大きな意味があると思うのですね。またリリノアにとっても、こうして近しくあれる、しかも結構気安く話せる相手がいるというの、嬉しいことなのだろうなあ。
今回はユメの魅力がいや増す、そんな回でありましたね。それだけに最後のあの台無しな落ち! いやあ、なかなかに簡単にユメのバリュー、上がりはしないのだなあ。頑張れユメ! 未来はまだまだこれからやぞ。
- 『まんがタイムきらら』第18巻第5号(2020年5月号)
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