『まんがタイム』2020年5月号、昨日の続きです。
『ご主人様!確保します♡』
新たな登場人物、ヒメ。クール? かっこいい系のお嬢さん? かと思ったら、またなにか独特ですね。元キャバ嬢というのですが、あのコール、あれ、キャバクラの文化なんでしょうか。
このヒメ含め、接客の中で皆の強み? 個性を見せていくところ、面白かったですよ。コトコの人気を支えている気配り、人懐こさ。お客からだけでなく同僚のメイドたちからも可愛がられている心子。心子の愛される所以みたいなのもしっかり描かれてましたよね。こういう面白さのベースになるキャラクターの掘り下げがされてるの、この積み重ねが強みになってきてますよね。回を重ねるほどに面白くなってると感じる理由がこれだと思うのです。
そして今回、ヒメの遭遇したトラブル。酔ったお客に絡まれて、あわや暴力沙汰!? になりそうなところに、元警官のマミが割って入って、ばっちり確保! ヒメからも尊敬の眼差しうけましてね、この一連の展開、シンプルなんですけど、気持ちよさありました。キャラクターそれぞれが持つ、愛される理由、慕われる理由。マミにとっては包容力であったり、いざという時の頼もしさだったりするんだなあ。ええ、そうしたことがよくよくわかる活躍が、マミをいっそう魅力的にしてくれますね。
『六畳一間の憑き物石』
瞬のこと意識しまくってるこいしと、なんらそういう意識もなさそうな瞬。この対比、見事ですよね。体に触れられない、突き抜けるからといって、躊躇せず胸元貫通させていく瞬に、恥ずかしがるこいし。もうまったく気持ちを察することのない瞬、この人がいろいろ心配でありますよ。
その後の相合傘も。本当、意識しまくっているこいしが可愛くて、でもってこうしたくだりがあったからこそ、手が触れあったあの瞬間の驚き、それが際立ったと思うんですね。
雨の日はこいしに触れることができる。新事実の発覚と、このことにこいしが照れるのは予想どおりとしても、瞬もまた若干の動揺を見せるのですね。ああ、これまでリアルに感じることのできなかったこいしの存在感。柔らかな手、自分の手に収まる小ささ。あの手を握った瞬間、瞬に一気に押し寄せたこいしという存在の確かさ。その意識の転換。これはちょっとした事件で、そして進展でありましたね。こいしの恋心? それが叶うかもしれない、そんな可能性感じさせる一大事でした。
『午前0時のおねだりごはん』
牛喰を怒らせてしまったこと気にしている米沢です。なぜだったのだろう、いろいろ考えめぐらせてみたり、そして許してはもらえた、和解こそはしたけれど、謝りたいと思ってみたり。なかなか思うようにことは運ばないんですけどね、牛喰に謝るタイミングなかなか作れないんですね。それで結局、おねだりの日にまで持ち越しちゃったりしてね、でもこうやって自分のことずっと考えてくれてたこと、牛喰が知ったらさぞや喜ぶことだろうなあ。
おねだりの夜も、なんとか謝りたい。でもって牛喰のわがままもきいてあげたい、いろいろ心配りしようとしてる米沢なんですけど、ペコペコお腹が場の雰囲気緩めちゃってね、この素直さ? おいしさを前にしての米沢の本音の隠せなさがこの人の魅力というか、可愛げを際立たせていました。でもって牛喰には、これが嬉しいんだと思うんですよね。牛喰についても、米沢からわがまま聞かせて、甘えてみせてっていわれただけで満足しちゃいそうな欲のなさ描かれて、これが牛喰の素朴な魅力をよく表現していたと思います。
とはいうけど、牛喰さんはもうちょっと甘えたり無理いったりしてもいいと思うんだ。それはそれで可愛いんじゃないかって思うんですよ。
『お天気おねえさんの晴れ舞台』
琴音の頑張り。それが知らないうちに認められていたという話。
憧れの気象予報士さんの講演会に参加するのに、おめかしして、気合いいれて、会場でも多くを学ぼうとメモとりながら、けどしっかりと楽しんでいるのがわかるその表情。その前向きさ、それが本当に気持ちいいと感じられる。ええ、琴音のよさはこうしたポジティブさ、明るさにあるのだなあ。この子を応援してる人たちは、きっと琴音のこうしたところから元気をもらっているのでしょうね。
そして憧れの気象予報士、沖友昭人。この人が天気予報で見たというかぶりものしていた女性、その人に感化されて雲のかぶりもの作ったりしちゃったっていうの、それ聞いてさぞや琴音は喜んだ? と思ったら、自分のことだと思っていない! 牧からそうと指摘されて赤面、一気にやる気ゲージをあげていくくだり、これが面白かったです。琴音の鈍感というか自分のこと二の次みたいなところがいいし、そしてなによりこの子の元気さですよ。実に魅力的でした。
『テレパス皆葉と読めない彼女』
ひんぱんに遅刻してくる皆葉をしかる先生。キツくいいたいわけじゃない、生徒のこと心配してのことだっていうんだけど、どうしても怖がられてしまうって悩んでる先生がちょっと可愛かったです。でもって、皆葉、心が読めるから、先生の生徒思いなところ、全部ちゃんとわかってるっていうんですね。皆葉の能力、このために遅刻しちゃってるわけだけど、このおかげで先生のこともよくわかる。ほんと、一長一短。いや、ばっちり人助けしちゃってるわけだから、彼の場合は長所も長所だよなあ。
遅刻の理由が超能力がらみというので、先生にいえないのが皆葉の悩み? かと思ったら、もうそのあたりのことはすっぱり割り切ってるんですね。自分のことは澄花が知っていてくれている。それだけでもう満足なんだっていう皆葉がね、なんか大人だよなあって。そしてそんな皆葉に澄花のいったこと、自分のことも大事にしてほしい、心配してるのは先生だけじゃないっていうの、ああ、自分も心配してるんだよって皆葉に念押しするところとか、ものすごく魅力的でしあ。この子、ちょっと押しの強いところあって、そういうところいいんですよね。
そして先生ですよ。生徒から嫌われてると思ってたけどそうじゃなかったって知るのね。ああ、頑張ってる人が報われる、誰かのために行動できる人が、ちゃんとそのこと知ってもらえて、誤解もとけてっていうことのありがたみ、それ、本当に感動的。ええ、先生の目に浮かんだ涙。さらには澄花も手伝っての感謝大ラッシュ! ほんと、先生、よかった。ええ、やっぱり澄花、このやる時にはやるっていうところ、とてもいいんですよね。
- 『まんがタイム』第40巻第5号(2020年5月号)
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