『まんがタイムオリジナル』2020年6月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。お茶ですね。茶摘み娘の格好をした山下さん、お茶の新芽の香りにうっとりしているその表情が素敵です。『らいか・デイズ』らいかは、本領発揮? 座布団にちょこんと座って熱いお茶を飲んでるところ。このお婆ちゃんっぽさ、さすがですよ。『小森さんは断れない!』しゅりは、着物着まして抹茶をたてて、このいつにない艶やかな様子。すっかり大人の雰囲気です。『わさんぼん』草太はまんじゅうくわえながらお茶の用意。息抜きタイムですね。
『おしかけツインテール』
俊郎さん、マジか。デジタルデトックス、続けてたんだ。てっきり旅行中だけのことだと思ってたんですよ。それがまさかの継続。スマートフォンを木箱に封印してまで、さらには花梨にお仕置き棒を託してまで。むむむ、本気だ。と思いきや、やっぱりちょっと揺らぐところはあるんですね。
この俊郎のデトックスで、いろいろ気づかされる周囲が面白いですよね。花梨もわりとスマホに依存? 馴染んでしまっていたり、そして花梨の母はまるでスマホに頓着していなかったり、性格出てて面白いわー。そして花梨からのアドバイスがいかします。まさかの母を見本に諭すというの。ショック受けてる母がなんかいいですよ。
今回のエピソード、思ったよりも根深い俊郎の悩みにドキリとさせられたり、けれど花梨がいうように、俊郎もちゃんと変わってきているんだってのがなんか嬉しく思われて、ええ、いい話だったと思うのですよ。悩みを抱える俊郎と、そんな彼を優しく見守ってくれている花梨と、そのふたりの支えあい。時に俊郎が大人として花梨を支えることもあるじゃないですか。今回は、その役割、花梨が支える側を担っていたわけですね。
この子と出会えたこと、一緒に暮らせたこと、それは俊郎にとってかけがえのないことであったんだな、そう思える回でもありました。最後はちょっと残念な落ちだったかも知れないけど、いや、違うな、せっかく用意したお仕置き棒、ちゃんと活用してもらえてよかったですね、俊郎さん!
『となりのフィギュア原型師』
めちゃくちゃ面白い……。いつになく落ち着いた工房の面々。なるほど、原型を納品した、仕事が一段落ついたんですね。
せっちゃんのいうように、確かに半藤の雰囲気違う! なんかゆったりしてる。普段との落差、半藤の仕事ふりかえりに強烈に現れて、フィギュアについて語る時の鬼気迫る様子。おおう、まるで別人だ。というか、ヤベえ。君、入れ込むのはいいが、なにか大切なもの捨ててるぞ。
フィギュア制作の第一歩、資料収集の加減もまたすごい。もっと掘らないと! って、そこまでやるのかーっ! でもこの気持ち、ちょっとわかる気がします。気がすまないんですよね。不安な気持ちもよくわかる。でも、最終的にその不安を乗り越えて完成まで持っていけるんだから、半藤はすごいよね。自分はなかなかその不安に打ち勝てない。やっぱりモノづくりできる人は、それだけですごいよな。フィギュアに限りませんよ。ほんと、そう思います。
ポーズを参考にするくだりとかもおかしさ満載なんですけど、代表のいう原型師の腕の見せ所。これ。技巧、技術、工夫だけでなく、割り切りなんかも含まれるのかな。ごまかすとかとはちょっと違う。完全に再現できなくとも、イラストと立体という異なる表現手法で折り合えるポイントを探るという、そんな感じなのかな。こういうせめぎあいこそが作るということなのかも知れませんね。
半藤たちは地味な作業の連続とかいっていましたけれど、そこにこそそのせめぎあいがあるのだと思う。せっちゃんがいう、卑下する必要なんてないって言葉、そのとおりだわーって思ったのでした。
『ネコがOLに見えて困ります』
このところ見かけないギャルネコ。どうしてるのかと思ったら、ご近所のお婆さん家のお世話になってたんですね。まだ半野良って感じではあるけど、捕まえられて、シャンプーされて、魂抜けたみたいになってからのご飯。名前は大福なんだ。ギャルの見た目からはなんで大福なのかわからないけど、なんかそれっぽい特徴あるのかな?
食べて遊んで、その様子はしあわせそう。この子、身を落ち着けられる場所ができてよかったですね。お婆さんにお尻のあたり叩いてもらって気持ちよさそうなのもね悪くなくって、で、これOLさんにもできるかな? なんて思ってたミコトだけど、そうかあ、やっぱりできなかったか! だよねえ。
今回ラストのOLさんの匂いつけ。この行動、あの表情、すごくよかったです。OLさん、ミコトのこと好きなんですね。いいですね。
『コスプレ地味子とカメコ課長』
ついに紫ノ井ちゃん、コスプレ趣味のことカムアウトしましたね。泉谷にうちあけようとするものの、なかなか踏み切れないでいろいろ不自然になってしまってる! そんな紫ノ井のこと、課長がサポートしてくれたり、そして喜藤も策めぐらせてくれたりと、周囲の助けあって、見事うちあけられたんですね。
しかし、その様子面白かった。ものかげに隠れての告白。コスプレしてるといったら、おお、布屋での遭遇やらいろいろで、そうだろうなって察していたのか。でも、まさかの憧れの人だとまでは思ってなかったか! 昨日の写真見せられて、腰抜かす泉谷。ここでの鮮やかな転換、最高に面白かったですよ。
喜藤にも告白。写真見せたらえらいこと驚かれるのもまたいいですよね。で、課長のことも明かして、ええ、これまでふたりだけの秘密だったことが、こうして4人に広がって、それでまた活動も変わっていきそうな予感ですね。やたらやる気の喜藤がこわい。君、コスプレじゃなくて、紫ノ井、課長の関係にノリノリだね? ともあれ、この後、作戦会議とかいってますけど、なんとなく喜藤の思ったとおりにことは運ばない気がします。ええ、なんか思いもよらぬことあるんじゃないかって、そっちの期待がふくらむんですね。
- 『まんがタイムオリジナル』第39巻第6号(2020年6月号)
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