『まんがタイムオリジナル』2018年6月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。これは探検ですか!? サファリスタイルの山下ナース、いやあ、めちゃくちゃ似合ってますよね。ぐいっと段差乗り越えてきましたよってな雰囲気、こちらにその前向きの気持ちがぐいっと乗り出してくるかのようで、いい表紙でありますなあ。『らいか・デイズ』らいかもですよ。双眼鏡手にして、遠くを指差し叫んでいる。なにか見つけたのかも知れないですね。ええ、この見つける、発見がテーマなのでありますね。『妹のオシゴトは時給2000円』、『おしかけツインテール』、移籍連載スタートの告知カットもございます。
『ラディカル・ホスピタル』。なんか今回、いつもとはちょっと違う雰囲気、女医さんたちを押し出して、そのやりとり面白く見せてくれました。医療雑誌の取材がきましたよ。それで写真を撮るっていうんですが、形成外科の村越先生が嫌がっちゃって、かといって赤坂先生がノリノリってわけでもない? そのやりとり、上迫先生やヨネ先生も加わってわいわいやるんですが、みんなちょっと普段は見せないような様子、表情見せてくれて、なんだか妙に愛らしい、面白い、魅力的でした。そうした楽しいやりとりの中に、形成外科の専門領域とか、乳がん治療のトレンドの変化とか、医療の話も盛り込んで、この幅広い面白さ。さすがの一言でありましたよ。
『予行恋習カノジョ』。はすみんと恋香。ふたりの和解でありましたね。自分のことを避けているはすみんに恋香が問い詰めたわけですが、それではすみん泣いちゃって、自分の好きな人が恋香のことを好きだって気づいてしまった。だから恋香のこと邪魔に思っちゃってっていうんですが、はすみん、なんか思いつめるタイプ? 恋香いわく火サス思考だそうですが、習志野さんさえいなくなれば……。危ない! 危ないよ! 漫画のジャンルが変わっちゃう! 自分の考えの危険さ、人の心の危うさ、それを知って、自分自身に幻滅、葛藤しちゃってたんですね。でもこうして話して、ええ、ここからのやりとり、よいじゃないですか。恋香、ほんとにいい子だなって、そう思えるいい話でした。雨降って地固まるではないですが、これでふたり、より一層に仲を深めた感がありますね。ええ、それでいいのだと思います。晃二にはせいぜい嫉妬させておきましょう。
『少女Switch』。アプリで中身が入れ替わり。仕組やらなんやらは謎のままではありますが、その入れ替わりで生じること、面白かったです。うっかり再び入れ替わってしまったふたり。翌日まで戻りません、というので、それぞれの家に帰るのですが、慣れない人の家、知らない家族との暮らしに、憧れたり、やたら盛り上がったり、けどそれぞれの家が抱える事情、それにも触れてしまって、ええ、うららと父の関係知って、マコ、黙ってられなかったんだなあ。マコの直情。時に軽率であやうい子だけど、こういう時には頼もしいですよね。うららと父の関係、ちょっと改善なのではないですか? というか、マコの威圧感、すごいのか。そしてうららはうららで、マコの家族のために料理作ったりしててね、ええ、それぞれが足りないものをもって補って、めでたしめでたし? というか、ちょっとマコがずるいこと考えてるっぽいの、ええ、マコの直情ですよ。この子、実にいいと思います。
『北斎のむすめ。』、最終回です。画業に打ち込む栄ですよ。でも、辰やら絵師仲間やら、さらには親父まで、次々話しかけてきて、邪魔すんなあって、この空気を読まない感。いやあ、近くにいたらさぞ鬱陶しいでしょうけど、見ているぶんには面白くってグッドでありますよ。先の大火を受けて、人の儚さに思いをいたした吉之助。後悔はしたくないと、画業一本でいこうと思ったのか。栄は栄で、自分の無力さを思った。あの火事で知った遊女たちのいろいろ。それを絵にこめて表現しようと、ひたすら打ち込む。ええ、皆があの出来事に、自分のうちにあるなにかを開花させたのだなあ。高尾は身請けを断ったんだ! しかも方言隠さなくなって、ミステリアスだった高尾とはまた違った魅力見せつけてくれますね。ところどころにおかしみ盛り込みながら、皆が自分の思いを持って、自分の人生を生きようとする、そうした姿描いた最終回。力量たっぷり、余韻も嫋嫋。しっとりと読み手の心のうちに跡を残して、さらりと気持ちのよい。そんなよい終わり方に、いやあ、いいもの見せていただいた。晴れやかさ感じつつ読み終えることできました。
- 『まんがタイムオリジナル』第37巻第6号(2018年6月号)
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