こないだ見たんです、『超高速!参勤交代』。せっかくNetflixと契約してるんだから、なにかしら見ないとね、そう思っていたところ、たまたま見たいテレビもないからと、前々から目をつけていたこの映画を流してみたら、これがまあ面白い。ノリがいい、テンポがいい、笑える、楽しい、いい映画。もう娯楽に全振りですよね。いかにもなわかりやすい悪役作りまして、ふっかけられた無理難題を知恵と工夫と根性で乗り越える、そんな感じの時代劇であるのですが、なにこれパロディ満載じゃん。ベタな展開だってどんとこいですよ。ほんと、映画ってのはこれくらい気楽に見られて面白おかしいわかりやすいでいいんじゃないかって思わされました。
タイトルが奮っていますよね。お前の藩の報告に疑義があるゆえ、早急に江戸へ参勤せよ。5日以内! って、そんな無理やで。という、その無理をなんとかかんとかして乗り越えようという話。ゆえに『超高速! 参勤交代』。基本、この説明で物語のほぼ全部をカバーしてるくらいにシンプルな話なんですが、シンプルであるがゆえにわかりやすく、途中途中のエピソードもぽんぽんと小気味よく展開して、飽きさせず、最後まで楽しませてくれるって感じの映画だったんですね。
最初、これは史実がベースなのかな? とか思ったんですが、そういうわけではないみたいですね。原作は小説? 原作もかなり面白いみたいなんですが、映画にあったパロディみたいなのとかあるのかな?
映画にはニンジャが出てくるんですが、これがまあベタな忍者で、江戸へと急ぐ一行を妨害してくるその時々に、死して屍拾う者なし、死して屍拾う者なし、って、これ『大江戸捜査網』か! とまあ、こんな具合にパロディ要素があったりして、きっと気づいてない小ネタの類、いっぱいあるんだろうなあ。映画とかドラマとかね、好きでいろいろ知ってる人ならもっと楽しめるのかも、なんて思うところたくさんありました。
でも、こうしたパロディ要素を知らなくても充分に面白くておかしいのが大変よかったです。参勤交代を大幅にはしょりながらも、それらしく装う工夫がもうコミカルで笑わされたりね、きっとこうするんだぜ、って思ったのがそのまんま絵になって見せられたら、やっぱりね、笑っちゃうんですよ。きっとこうなる、そう思ったのをどんと受け止めて、ほら見たいもの見せてやるよ! ってな具合に見せてくれる面白さがあった。演出とか演技も効いてるんでしょうなあ。ちょっと無茶めの展開も悪くない。悪ノリといってもいいのかも知れない、そんな大仰さ、やりすぎ感もありながら、変に感動させようとしたり深刻ぶったりすることがないから、ノセられるままに最後まで一緒に駆け抜けることができた。そんな感触が悪くない映画でしたよ。
- 土橋章宏『超高速!参勤交代』(講談社文庫) 講談社,2015年。
- 土橋章宏『超高速!参勤交代 リターンズ』(講談社文庫) 講談社,2016年。
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