『まんがタイムきららフォワード』2018年6月号、昨日の続きです。
『夢喰いメリー』。学校、大パニックですよ。白儀が引き入れた銘無しに、次々食われていく生徒たち。かつて夢魔に関わりを持たなかったものには干渉できない、そう思っていたのに、無差別に人を襲うようになって、はたしてなぜなのか。メリーがいうんですね。幻界が現界を食べ始めたからだって。銘無しに食われた人間がどうなるか、それはメリーも知らない。もう圧倒的に不利、後手に回ってしまった状況で、なんとか被害を最小限に止めようと奮闘する夢路サイドの夢魔関係者たち。アルビレオ、本当に死んだりしたら嫌だよ? そしてこの幻界と現界が混ざった場所においては、器なしに夢魔たちは実体化できるというのですね。ええ、エンギが、ジョンがその姿を現して、これはなかなかに期待できそうなシチュエーション! そう思ったらですよ、ヤエの暗闘、すさまじい。この人、いったい何人いるのか。白儀の側にあったかと思えば、制服ヤエはガスを散布するし、そして昇降口にて待ち構える凛々しいヤエ。現時点では、ヤエが完全に場を支配していること、これでもかと見せつけて、いやもう憎いですね、これ!
『江波くんは生きるのがつらい』。江波くん、生きるのがつらいっていってますけど、結構マシな学生生活だったりするんじゃないの!? なんて思ったりした今回。いやね、小説書こうとしてなかなか前に進めない江波。今回の彼の課題は女性の描写。どのように表したらよいのか、それがわからず、困ってしまって、取材をしようとするのはいいけれど、なんだこの誤解の連続! でも、今回はあんまり江波は悪くないよね。むしろ宇家、この人が早合点。意を決し取材を敢行しようとする江波のただならぬ様子に、これは告白だ、告白されるんだ! と思い込んで、そこからの会話がもうあかん。それほど思わせぶりでもないよね、江波の話。でもどんどん恋愛の、いや違うな、性的な方面に勘違いしていく宇家がおかしくて、いや、ほんとにおかしいよ? この漫画、おかしいのは江波だけじゃなかったんだ! 新たな発見だったと思います。しかし、宇家、この人、なんだかんだで真面目ですよね。もし宇家の誤解してるとおりのこと江波が聞いてきてるんだとしたら、とんだセクハラ野郎じゃないですか! でも宇家は、戸惑いながら、赤面しながら、なんとか答えようとしてくれて、誤解したままに、なんだかいいアドバイスもしちゃったりして、ええ、宇家、この人も不器用で空回りしながらも一生懸命なタイプなんだなあ。しかし最後の最後、これ、誤解とけたと思っていいんですかね? というか、宇家、見事な置いてけぼり。ほんと、無駄にカロリー消費しちゃいましたね。
『まんが家cherry!』、最終回でした。そうか、終わってしまったのかあ。桜井春香の漫画への取り組み。なりたい自分にどうやってなるか、それを漫画に落とし込むことで、ひとつの物語を作り出していこうという流れ、実によかったと思います。パティシエ志望のヒロインは、春香自身の反映ですね。そして春香をとりまくいろいろなこと、場所、そして人を漫画のエッセンスとして活かしていく。こうやって自分の経験したことを、自分の漫画、物語として編んでいくことを、春香が感謝の気持ちだと、これまでいろいろ教えてくれた皆への感謝の気持ちだと言葉にしたあの場面、本当にいいシーンでありました。石刈場との打ち合わせの様子も、面白いと好評を得ながらも、さらによいものにしようとディスカッションしていく。そして結果が出た時のスタジオの様子。皆が、漫画を軸にして、春香とともにいてくれたんだ。春香と一緒に頑張ってくれる人があれば、よい結果の出たことを自分のことのように喜んでくれる人があって、ええ、こうした人のつながり、関係をこそ描いてきた漫画だったんだなって、改めて思わされたのでした。そして最後に、漫画家志望の女の子を迎える春香ですよ。独り立ちした春香の姿、実によく、割烹着、今も着てるんですね。スタジオはむサンドで得た多くのものが、今もちゃんと受け継がれているんだよって、なんだかそんな風に思わされたラストシーンでありましたよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第12巻第6号(2018年6月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿