一昨日の続きです。
『まんがタイムオリジナル』2025年6月号、『かつては最強無敵の勇者様~姫には内緒のレベルダウン生活~』
前回、ステラの父と会談したジュローですが、今回は母と会うことになりまして、そのお母様、なんとジュローと同じく異世界人? と思ったら、なんか意外な感じだなあ。耳がとがってるんだけど、同じ世界人でいいのかな? 身の丈は2メートルを超える長身で、体格もがっちり。女王の文字のTシャツ? にジーンズなのかな、ラフな格好でおでましです。
その女王、気にしているのは愛娘ステラのこと。ステラがコンプレックスに思っている癖毛の原因が自分からの遺伝である、その負い目がために娘との距離が開いてしまっていた。だからジュローとの暮らしのなかで、自分たち家族のことなどなにか話してはいないだろうか。いろいろ思いが交錯しているというのですね。
そうしたらジュローが、それと意識していたわけでもないのに、抜群の最適解を叩き出していたんじゃありませんか! ステラ様にっこり! 母もおおいに安心。こうしてただ強いだけの勇者ではない、ひとりの人としての信頼を勝ち得ていくのだなあジュロー殿は! なんとも安心させられるエピソードでした。
しかし、このジュロー殿、いったい王妃からなにを頼まれるというのでしょうね。きっとなにかおもしろそうなやつだ。そんな予感がします。少なくともジュローにとって悪い話ではないのではないか。そんな予感がするのです。
『うちこもり妻はコスプレ配信者』
仕事としてコスプレをすることになったいぶき。しかし人づきあいが苦手なこの人。いろいろ困惑したり緊張したりともう大変。そうかあ、企業案件ともなると、こんな風に会議があって、いろいろ演技指導やトレーニングもあったりするものなのですね。
私の遊んでいるゲームでも、周年イベントなんかではコスプレイヤーが登場したりして、質の高いコスプレを披露してくださるのですが、なるほどあのステージの裏にはこうした積み重ねがあるというわけですね。ちょっとした社会見学的なノリで読むことのできた今回。たいへんおもしろかったです。
さて、緊張に潰されそうになっていたいぶき。他のキャストとのコミュニケーションもうまくいっていなくて、10歳も下のレイヤーさんに心配、アドバイスされる始末。でもいったんステージにあがってしまえば見違えるような演技をしてみせて、ああ、こういうところはさすがでありますね。
しかしこの仕事、いぶきにとっては反省点たくさんでありました。これまでみんなに甘えていた。その自覚が自分に試練を与えるべく行動をうながした!? かくしてバイトをやってみようといういぶきです。はてさてどんなバイトをするのか。コンセプトカフェのキャストとか!? いやもう、ちょっとしたサプライズの期待される、そんな展開が待っていそうな気がします。
『どうにも不器用な夫婦でして。』
妻のマコトがちょっとした失敗をしでかしましてね、ヨシアキが塩コーヒーを飲んでしまったというのです。でもヨシアキ、こんなことじゃあ怒りません。まあ、失敗なんて誰にでもありますもんね。でもそれがマコトには不満で、というのも気安さがない。気をつかわれている? 距離がある? いずれにしても、もっとこうガツンときてほしいというのです。
それもこれもケンカするほど仲がいい。仲良し夫婦の秘訣として、時には夫婦ゲンカなんかもして互いの理解を深めよう、なんて記事を読んだからっていうんですね。
それでケンカしようと思ったのだそうで、でも無理してやるもんじゃないよなあ。互いに抱えてる不満や伝わらない思いなどが鬱屈する前に吐き出して、擦りあわせましょうって話なんだと思うんですけど、特にいまはふたりとも不満を抱えたりとかはないわけでしょう? 思っていることだって、今回のマコトみたく素直にヨシアキに伝えられている。だから無理してケンカなんてする必要もなさそうなのだけれど、とりあえずいっちょケンカしとくかあ! みたいになっているのがマコトさん。
なんというか、素直で真っ直ぐな人なんだなあっていうのがわかる話でした。
結局、ケンカするにはいたらず、むしろヨシアキにたしなめられることになるのですが、そこで見えるマコトの手段と目的が入れ替わっちゃうところ。熱中するとまわりが見えなくなる性格というのにスポットライトが当たっていく。ヨシアキは見合いの日にすでに気づいていたというのですけど、その日にいったいなにがあったのか。それが語られるのは次回です。
ぜったいなんかおもしろいことやってるんですね、マコトさん。
で、きっとそれがヨシアキにしてマコトを気にいるきっかけになったりしたのかも、ですね。
- 『まんがタイムオリジナル』第44巻第6号(2025年6月号)