2025年3月24日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2025年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2025年5月号、発売されました。表紙は『6億年の博物旅』。イノチとアカリが恐竜時代でジャンプ。後ろにいるのはディプロドクス? シダ植物の茂る原野。空には翼竜の姿も見える、まさに時代を超える長大な旅の物語を感じさせる表紙であるのですね。肩を組むようにして寄り添うふたりは、ぱっと明るく笑うアカリと、落ち着いて静かに微笑むようなイノチ、対照的ながらも親しさ感じさせるのですね。全体にマットな色調も落ち着き感じさせて素敵です。

今月は新規ゲストが1本です。

『プロジェクトビッグラブ』

レンタルビデオ店でバイトをする主人公。その仕事ぶりはぞんざいでどこか上の空。集中に欠けているものだからバイトリーダー直々に注意を受けてしまうのですね。ところが、この口やかましいバイトリーダー。どこか様子がおかしくて、妙な距離感の近さもさることながら、拳銃を取り出して死んでもらいますときた。もしやバイトに入る前、スマートフォンを取り上げたのは、助けを呼ばせないため? しかし、特になにか特別な背景があるわけでもない私が、なにゆえ殺されなければならないのか?

混乱しながらも、話してみればわかってくれた? 殺すというのも誤解がもととわかって安心と思いきや、正体を知られたからには生かしておけない。ピンチであることには変わらないのですね。

そんな主人公が、今度は私を殺してくださいといいだした。いったいなにがあったのか。

冒頭から差し挟まれていた学校の情景。孤立を感じさせるその様子が関係してくるのか。この謎めいたふたりの関係、後編になにが明かされるのか気にさせるのです。

『球詠』

順当に勝ち進んでいく新越谷。本来なら5回コールドも狙えた相手に意外や苦戦して、危なげないとはいえど9回までかけてしまった。決着まで長びくということはヨミを消耗させてしまうということ。夏の大会の長丁場を思うと、ここでヨミを疲れさせたくないというのは本音なのでしょうね。

打線が微妙というこの時期。当たる相手が格下だったのは運がよかったといえる。けれどそろそろそうした幸運は打ち止めして、次の相手は姫宮高校。16強常連の武蔵南を降し、打倒新越谷に燃える姫宮を相手に、今度も新越谷は勝ちを得ることができるのか。

ここで負けるわけにはいかない。意気や揚々の新越谷ですが、キャプテン岡田のちょっと弱気な内心や、あのヨミも覚える緊張などなど。なかなかに今度の夏は気持ちの上でもすんなりとはいかないようで、なんだか心配させられるのですよ。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

ガチ頼みの姿勢に入った月渚であります。ときこに相談したら、一生懸命お願いするときは土下座だといわれた。まさかこんなことになるとは思ってなかったときこがえらいこと答えちゃったものだから、まさかの異常事態になっているというのですね。

これ、動画でバズらせたいっていうんです。以前、ロゼの投稿がバズったことがあった。ロゼを出すとバズる。そう考えた末のお願いなのですが、土下座のなんのと穏やかでない情景だけれど、こうした楽しいお話なら悪くないですよね。

で、なにをやるかというと、木剣を使った剣術披露。なんと、月渚は剣術の心得があるのですか。貴族の嗜み。ロゼに作ってもらった木剣を使って、軽くスイカを両断ですよ! すごいな月渚さん、かっこいい! さらにここからロゼとの決闘いやさ模擬戦することとなって、ああ、ロゼは王族、当然剣術だって学んでる。ふたり、剣術にて優劣を競おうということになったのですね。

月渚の踏み込みですよ。一気に相手のふところに入り込むその打ち込みや鋭く、そして続く攻防の激しさ。ロゼも決して負けてない。でも月渚には負けられない理由がある。魔法の才に恵まれなかった自分は、剣では誰にも負けられない。その気迫は本物で、積み上げられた鍛錬も相俟って、ついにはロゼを圧倒。降参させるにいたったのでした。

いつもはクールな月渚の、決して譲れない思いが見えた今回でした。剣にバズりと、振れ幅が大きくて笑ってしまいそうになりますが、どちらにも月渚は本気。この本気が光っていた。ええ、月渚をもっと好きになる、そんなエピソードでありました。

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