『まんがタイムきららキャラット』2025年5月号、発売されました。表紙は『mono』。もうすぐはじまるTVアニメ。その放送開始を告知する文言をともに登場するのは、全天周カメラをこちらに向ける天宮さつきです。これと興味を持ったら、まっすぐに見つめる。そんなこの子の好奇心が静かに溢れる姿が素敵なイラストです。またアンに桜子がマスコットとなってあっちにこっちにいるのが愛らしい。実にチャーミングな表紙になっているのですね。
今月は新規ゲストが3本です。
『宇宙ネコ』
ゴミ捨て場にて雨に打たれる子猫を拾った美学生。そんな余裕はないと素通りするつもりが、その愛らしさに打たれてついつい助けてしまった。けれどそいつの実態は、猫ならぬ侵略的宇宙人。ここを拠点とし、いずれは地球を我がものに。
と思うのだけれど、猫の姿の不自由さ。また猫と人との暮らしの差。食べ物から娯楽から、人のほうがずっとよさそう。そう思ったら、猫から人の姿に変化してしまった!
バレた! 猫でないことを知られてしまった! 焦りつつ、自分は妖精とごまかしたらそれが通ってしまった。さらには、すっかりふたり打ち解けてしまって、いつの間にか地球侵略の使命も忘れてしまって、かくしてすべては平穏、しあわせのもとに暮れていくのでした。
『ワンシーンモデル』
青春のやりなおし。思い残しを今ここで取り戻そうとする新任教師、桜庭恵。フラストレーションが溜まったときは、制服を着て学内を散策する。勉強ばかりだった学生時代を送った恵は、生徒を見るほどにあのころにできなかったことを羨ましく思う。その挙句に、生徒になりきるようになってしまったというのですね。
これを名づけて「青春リバウンド」。
放課後の校内を見てまわり、けれど見ているだけではすまなくなった? 自分のクラスの生徒にカメラを向けられ、一枚写真を撮られてしまった。バレたかと思ったらさにあらず、彼女が部長を務めるモデル部への参加を求められたのですね。
強く請われて見学することになった恵。そこで出会う他の部員。そしてモデル部がまだ正式な部でないという事実を知らされる。その活動に興味を持ちつつも、生徒でない自分には入部は無理。けれど部長は新任教師の自分を顧問にしようとしている!
仕事に追われ忙しいのに顧問なんてできるのか。さらには顧問をしつつ、こっそり部員を演じられるのか。夢の部活動の魅力を前に逡巡する恵ですよ。はたして彼女の決断やいかに。この無謀な活動に身を投じるのでしょうか!? いや、きっとするのでしょうね!
『はじめましての愛の挨拶』
音楽室でヴァイオリンを弾いていたら、突然愛の告白を受けてしまった! なんと合奏してください、あなたの演奏が好きなんです! って、ややこしいな!
いいよと応えて、待ちあわせるは次の日曜日。約束の場所で彼女を待てば、どこからか聞こえるピアノの音。誘われるままにいってみたら、そこにいたのは愛の告白の彼女だったというのですね。
ストリートピアノで練習してるというんです。そんな彼女と一緒に、ストリートで演奏することになった。その曲がエルガーの『愛のあいさつ』。はじめての合奏は、いきなりの合わせだというのによくマッチして、響きあう音と音。そこには気持ちと気持ちのふれあいなどもあるのでしょうね。
今回は唐突な出会い。けれど今度は練習してから合わせよう。こうしてふたり、パートナーとなっていく? 音楽だけでなく、人と人との出会い、交流の描かれる小品でした。
- 『まんがタイムきららキャラット』第21巻第5号(2025年5月号)
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