『まんがタイムきららMAX』2025年6月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。かつてここまで後藤ひとりが美少女感押し出してきたことがあったでしょうか!? 喜多ちゃんプロデュース。服をかわいくして、髪もかわいくして、爪なんて塗っちゃって、これがひとりの自意識になにか働きかけるのか、変化をもたらすのかはわからないけれど、ああ、後藤はもっと自信を持つといいと思うのですよ。楽しそうにしている喜多ちゃんもいい感じ。ぱっと見、内気でおとなしい子を綺麗にしてくれている、そんな友情感じさせるイラストでした。
『アイドルビーバック!』
ライブの準備は進みます。カラオケ店に繰り出して、セットリストをどうするか打ちあわせするのですね。
アンコール入れて14曲。現在持ち曲は4曲だけ。あと10曲どうしよう、というのですが、さすがに椿を酷使するわけにはいきません。なのでカバーでしのぎます。好きな曲なら歌う方も準備がスムーズ。知ってる曲ならお客さんも楽しいと、双方にとってメリットありというのです。
3人で歌う曲を決めていくのですが、ここで椿がかつてないほど強い主張をするんですよ! そ、そんなにブラックカメリアPを押し出されるの嫌ですか!? あの鬼気迫る表情! すごく、すごくよかったですよ。凛々し厳しかわいいです。
さて、ソロカバーを決めていく、そこでそれぞれの持ち味が見えるのおもしろかった。あんじゅの選ぶ歌はアニソン、ゲーム系がたくさんで、ああ、知ってる曲あるよ! と思ったら続くトモコ様で全滅! で、じうじうはどうかと思ったら、わかるぞ、私にも歌がわかる! 昭和の名曲がずらりと並んで、えらく意外でけれど納得のチョイスだと思ったら、ああ、ファンのタコ村さんが歌ってほしいとリクエストしてくれていた曲なのですか。
これ、実際じうじうが歌ってくれるとなればタコ村さんの情緒振り切れるかもしれませんよ!
『神絵師のおしごと』
神社にやってきたさョちゃん。さっと姿をくらませたのですが、偵察? あるいはカチコミ? と思いきや、お詫びにやってきたの!? 話が通じないほど自己評価が低いぞさョちゃん。そんなさョちゃん、本物なのかといぶかしがるシロに、腿のほくろがその証拠! で、顔がへっこむほど殴られてしまうもみじ。君は昭和のギャグ漫画キャラなのですか!
さョちゃん、ここにきたの、もみじの本を見て、思い出すことがあったからだったのですね。この神社に覚えがある。で、やってきたら本の作者だけでなく神やら神使やらに出食わしてしまったというんです。でもこの邂逅が、さョちゃんに自分とこの神社との関係。祖父のこと、そして父侘助のことを知らせることになって、これはもはや縁なのでは!? ここから、より深いつきあいが始まるってことじゃないんですか!?
と結論を急いでもしかたないんですが、帰ろうとするさョちゃんにツバキ様がおっしゃるのです。以前ここで誰かと出会ったことはないか。その言葉の意味するところ。それはツバキ様とさョちゃんがかつて出会っていたということ!? わからない。今はまだなにもわからない。しかしこれは、縁といっていいのでは!? ということは、これからより深いつきあいが始まるってことじゃないんですか!?
『わたしにプールは狭すぎた!』
将来を嘱望された水泳選手でありながら、頭をぶつけて溺れて以来、水が怖くて泳げなくなってしまった。冗談みたいな、出落ちみたいな話かと思ったら、ぜんぜんそんな軽い話じゃなかった。泳ぐことを忘れてなんていないのに、思うように体が動かせない。顔を水につけることもできない。水着で登校してくる天野しずくにいら立ちを覚えたのも、泳ぎたくとも泳げない、そうした気持ちがゆえだったのでしょう。
そんな小波にしずくがいうのです。じゃあ泳ごっか。楽天的なしずくに誘われ、水にはいってみようか迷った小波。けれど気持ちはそれと決まらず、逃げ出してしまった。
小波を追うしずく。追いつかれて驚いて、海に落ちてしまった小波をしずくが優しく抱きしめる。大丈夫、大丈夫と包みこんでくれる抱擁に、小波、水への恐怖がなくなっている自分に気がついて、ああ、こうして小波はふたたび泳ぐことができるようになったのですね!
と思ったら、しずくの近くにいないとダメなのか! 離れると怖い。泣きそうになるほど怖い。けれどしずくに近づくと大丈夫。そしてふたり手を繋いでのスイミング。ああ、このずっと取り戻したかった感覚にふたたび触れられた小波の喜び。その気持ちの満たされてゆく様。感動的でありましたよ。
これからの小波の活躍。しずくの近くにいないと駄目という問題はあるけれど、ここからどうやって過去の感覚を取り戻していくのか。恐怖から解放され自由になっていくまでの物語。まさしく期待ってやつであります。
- 『まんがタイムきららMAX』第22巻第6号(2025年6月号)
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