『まんがタイムきらら』2024年11月号、発売されました。表紙は『好都合セミフレンド』。すうなとルカが、黒基調の衣装で登場。けれどお揃いではなく、すうなは貞淑さ感じさせるシスターの格好。対しルカはチャラいイメージのパンツスーツ。頭には、なんと角をつけていますよ。このまったく逆のイメージのスタイルが、しかし不思議とマッチしている。ルカにいいようにされそうなすうな、けれど本当にその見た目どおりなのかはわからない。そんなこと思ってしまうのは、やっぱり本編を知っているからなのでしょうか。初見の人にうかがいたいところです。
今月は新規ゲストが3本です。
『海のみちるごはん』
仕事に向かうはずが電車で寝過ごし、予期せず逗子海岸まできてしまった新人営業職の佐藤みちる。やるべき仕事はすませたので、仮病でもって今日をやりすごそうというのですが、そんな彼女が立ち寄った海の家でのできごと。
料理の腕がからきしで、気持ちはあっても出来がいまいちな料理を出してしまう汐崎こずえとの出会いが、どうやらみちるの人生を変えていきそうな気配です。味は残念、けれど食べる人のことは考えられている、その心意気をくんだ上でのみちるのアレンジ。衝撃的だった料理が、試食したこずえ自身を感動させるおいしさに仕上がるのですね。
これまで、食品開発の現場に立ちたかったみちるが、こうして調理してみて得た実感。その確かな手応えはみちるをして、海の家に転職させることとなるのでしょうか!? いやほんと、これ、みちるにとっての分岐点ですよね。
『ふたへん!!〜双子漫画家とひよっこ編集〜』
新人の編集者、猫手川かりん。ついに担当作家につくとこになったというのですが、その相手が一癖二癖あるタイプ。双子姉妹の漫画家で、原作を担当する二ツ星きらに、作画担当の二ツ星ゆら。個性は違うが、自分の考えは曲げようとしない。似てないようで似ているふたりの間を取り持ちつつ、漫画をよりよいものにしようと奮闘する。そんな漫画なのですね。
しかし、かりん、わりと作家に丸投げだ! 打ち合わせの場で新しいアイデアを出しあおうというときも、自分の意見はまるで出せずにいて、作家ふたりから見放されそうになるところを、ふと思いついたことを独り言した、それが作家にアイデアをもたらすのですね。
それからも、ゆらに膝枕を提供したり、またきらのこといいこいいこして手懐けたりと、最初は心配された関係も、もうすっかり大丈夫そう。この3人での三人四脚的試行錯誤がこれからいろんな名場面を生み出しそうですね。
『東京なでしこラプソディ』
日本舞踊の家元の家に生まれた久世佳華。ゆくゆくは舞台に立つことを夢見るこの子が、家元に命じられ京都の実家を離れて東京の学校に通うことに。ん? なんかおかしいぞ? この時点でそうした感情が頭をよぎったのですが、まあまあ先を読み進めましょう。東京に馴染もうとせず、遠く京都に未練を残す佳華の身辺。その波瀾万丈が描かれようとしています。
というのも、そもそもおかしいぞって思ったポイントですよ。京都に家がある、すなわちそこが一番修行に向いてる地だというのに、なぜ修行名目で東京でひとり暮らしさせられてるの? 疑問に思っていたのですが、その答が今回すぐに明かされる。実家に帰ろうとした佳華に、母からいいわたされる破門の一語。卒業までの面倒は見るが、食費、小遣いは自分でなんとかしなさいと、それはもう見事に突き放されて、あれまあ佳華よ、いったいなぜにそこまで母の不興を買ったというのでしょうか。
そんな佳華のとる道はクラスメイトの神田晶、彼女の誘うバンド活動!? 母を見返す、家を見返す、それが佳華の生きる道? ともあれ他にやれることはなし。晶の誘いに乗るしかないというのでしょうか。
- 『まんがタイムきらら』第22巻第11号(2024年11月号)
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