2024年7月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2024年9月号

 『まんがタイムきららMAX』2024年9月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。虹夏と喜多ちゃん、ふたりでナイトプール。さすがにこの場に後藤ひとりは参加できなかったのか……。きらびやかな光の中、虹夏と喜多ちゃんの笑顔がまぶしい。はねる水、魅せるべく飾られた装い、プールを、そしてその雰囲気を楽しんでいるふたりが、これでもかとかわいい表紙です。

今月は新規ゲストが3本です。

『セーラー服と関西弁』

河内長野とか、そのへんはよう知らんのです。なんせ河内と聞いて思い出すのが、一番に『河内のオッサンの唄』。オー良う来たのワレの歌い出しで有名な名曲ですが、次に出てくるのが河内音頭のえんやこらせーどっこいせー。これくらいで、もう後はなにも出てこない。遠いもんな。箕面もそれなりに遠いけど、乗り換え2回の阪急のみでいける場所。対して河内はいきかたがそもそもわからない。

そんないまだ知らぬ地である河内長野から一時間半かけて箕面の高校に通うことになった女子ふたりのお話。中学時代は不良に揉まれてきた彼女らの、箕面の学舎にて味わうカルチャーギャップ。ふたりの柄が悪いのか、あるいは箕面がおとなしすぎるだけなのか。一口に大阪といっても、地域地域でまるで違ってくるカルチャー。そいつを描いてくれようとする漫画のようですよ。

でも実際、河内のふたりは今後箕面に馴染んで、落ち着いた風になっていくのか、あるいはなかなか地元の個性は抜けきらんのか。なんだか後者じゃないかなと思われる初回。

ところでふたりは通学に1時間半かけてるの? それはきついよ。ほんと、大変だと思います。

『もぱがうらっ!』

当たり前みたいに魔法を使いまくっている先輩。この子がメインで話がまわっていくのかと思ったら、魔法は単なるフリだったんだ。いうならばコントの舞台を用意するための装置でしかなかった! メインはあくまでも後輩の女の子。妙なテンションで角やら尻尾やら生やしてもらったり、そして魔法で出したコンビニで体験バイトさせてもらったりと。いや、ほんと、これ体験でよかったね。これ、実店舗でやってたら、店にも客にも迷惑かかってたやつだ。

ほんと、それくらい無茶なことしでかすんですね。

基本的にはコントのノリ、勢いですよね。次から次にボケでもって畳み掛けていく、そんな感覚は、息つく暇なく次へ次へと進行する前向きのエネルギーに満ちていて、この流れに逆らわず一緒になって転がっていく、その疾走感が面白いと思える漫画でした。

でも、体験用コンビニに客としておとずれた後輩。いつもこんな風に生活してるの? 魔法で便利に暮らす先輩も特異と思いましたが、後輩のほうがもっと変。日々の暮らし、ちょっと心配になるほどでした。いや、普通の店だと普通にやってるのかな?

『まめこ★COMIC!』

よくいえば中二病ということでいいのかな? 漫画家をめざしているまめこが、あっちでこっちでしくじる話でありますよ。

持ち込みにいけば誌風と違うといわれるまめこ。絵の専門学校に通うも真面目にやってるというより、好き勝手にやりたいことだけやってる感じ。この自分が見えてない感にイタさとつらみを感じるのが正しい読み方なのかな? いやね、誰しも若いころっていうのは自分を客観視できていないところがあって、そうした記憶がうずうずと目を覚ましそうになる描写が続く。ああ、これは人によっては共感性羞恥ってのを発動させてしまうかもしれない。

そんな危険な匂いのする漫画なのであります。

まめこの好き勝手が個人の範疇でおさまればまあ無害だけど、いろいろ騒がしくて周囲の生徒に迷惑かけたらそりゃあいけません。まめこの隣に座ってた子とのちょっとしたやりとりで、うずくはまめこの嫉妬心? あるいは敵愾心なのかもしれないけれど、いくつも先にいっているその子に対し、いろいろ思うところはあれど、また手厳しくも的確な批評に対して感じるところはあれど、それでも自分の気持ちは曲げない。いや、曲げたほうがいいと思うんだけどな……、はいいとして、そんなまめこの今後はどうなる。

いやあ、少なくとも授業の課題はちゃんといわれたとおりにやるのがいいと思うよ、といいながらも、どこか胸に昔のイタミを覚えてしまうのであります。

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