『まんがタイムきららフォワード』2024年6月号、発売されました。表紙は『スローループ』。春らしく苺柄のワンピースが愛らしい小春とひより。服地の色が白とグレー、対照的なのも印象的。ぱっと明るい小春に、シックに落ち着くひより。それぞれの性格なんかもうかがわせるコーディネートであります。舞台はふたりでピクニック? シートを敷いて、座るふたりは苺を愛でているのでしょうか。周囲に描かれた苺の実と花が大きいために、まるでおとぎ話の妖精のような愛らしさですよ。
今月は新規ゲストが1本です。
『幼なじみはフラグを折りたい』
ふたりは諦めるべき、いやもっと素直になるべきなんじゃないでしょうか。生まれたときの病院から、ずっと一緒の幼なじみ。太郎と華子は高校からは違う進路をと思って、それぞれ違った学校を第一志望としたものの、ふたりして受験に失敗。ともに第二志望に進学したらば同じ学校。しかも同じクラスになるというのが、ふたりのフラグ力であるというのです。
なにをせずとも、カップルを成立させようとするかのようなフラグが立つ。他の道、他の相手を模索するも、なんやかやで疎遠になり、残るは太郎と華子の近しい関係。けれどふたりは仲が悪いわけではなく、むしろ仲がいいといえる。互いに相手のよいところを理解していて、だものだからもっとよい恋をしてほしい。相手を思いやったりするほどだというのですね。
でも、太郎が他の誰かと恋に落ちたら、胸が痛むのもまた華子なのです。知らず、思わず、太郎のことが好きになってる、それはもう後戻りできない道なのでは? むしろ今こうして意識していることを自覚したとなれば、もう後は秒読み? ええ、もっと素直になるべきだと思うのですよ。
『ウクレア!』
今回の曲は『イ・アリイ・ノ・オエ』。ああ、駄目だ、もう追いつかない。って、なにをいってるのかといいますと、ちゃんと練習してるのです。とりあえずは『ヘネヘネ・コウ・アカ』。無印良品BGMのハワイアンにこの曲が収録されていて、ああ知ってる曲だったのかと、ちょっとずつ弾いて歌っているのですが、続けての『アイナハウ』、そして今回の『イ・アリイ・ノ・オエ』と、もう追いつかない……。ええ、私は空子よりも覚えが悪いのですよ。
さて今回は、部員が増えるエピソードです。教室で黙々とウクレレの練習をしている空子。その様子を見ていた学級委員長、星宮灯火がうっかり、いやさ偶然通りがかったウクレレ部新部室前で捕獲されました。
空子の様子が気になるの? あるいはウクレレに興味が? 海カフェにもいましたよね。空子に指摘されてたじたじの灯火。まずは試しに弾いてみないかと舞帆に楽器を渡されたらば、空子の練習を見ていて覚えた、さっと弾き出す優秀さ! 経験者なのかなと思ったら、本当の初心者なのか。けれど楽しくはなかったからと、入部を断わり帰ってしまうんですね。
今回はそんな灯火の心をほぐすといったお話でした。押し掛け気味についていって、話してついにわかりあう。そこで空子の率直な性格が役にたって、楽しいことがあると毎日がキラキラする、その言葉からはじまる一連の真摯な語りかけに、灯火ならずとも引き込まれるものがあったのでした。
『スローループ』
お父さんの家出、まさか続くとは思ってなかった! 実家に帰ったお父さんを連れ戻しに、実家に乗り込む小春たち。そこで重要なのは、お腹を空かせておくこと? なんでかと思ったら、実家の父母、すなわち小春の、すなわちひよりの祖父母による歓待攻勢が待っているからなんだ!
懐の深いおじいちゃんにおばあちゃん。孫たちがきたことに喜んで、そしてたくさんのおもてなし。父はというと叔父と一緒に飲んで泣いてと大変な様子なのですが、その心は娘ふたりとの別れを予感するものだったのですか!? 気がはやいよ、お父さん! といいたいけれど、月日はあっという間に過ぎ去るからなあ。お父さんの気持ちもわかります。
今回は小春の悪影響を受けるひよりに、そしてお母さん、ひなたのヤマメ調理があっての和解がクライマックス。こうして縁のあった人たちがむすびついて、深まっていく気持ちと気持ち。そのあたたかみが心地よいエピソードだったのですよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第18巻第6号(2024年6月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿