『まんがタイムきららキャラット』2024年6月号、発売されました。表紙は『はらぺこ少女と探偵と』。律歌と音都が元気に登場。さあ次の目標にといわんばかりに指差す律歌は、こちらに向けてきらきらした目を投げ掛けて、そして音都はというと、手に肉まん、そして律歌の指差す方向に視線を向けている。それぞれ違ったことに興味を持ちながらも、同じ方向を見ようとするような寄り添い感もある、独特な関係思わせるイラストになっておりますよ。背景のセピアに彩られた色調の落ち着きもまたいい感じ。全体に穏やかで、それでいて溌剌とした気持ちの躍動も感じさせる表紙です。
今月は新規ゲストが2本です。
『ものづくり部』
手芸が好きな姫坂ユリ。高校に入学したら手芸部にと思うも、どうもこの学校には手芸部はないみたい。かわりにといっていいのか、ユリが見つけたのが物づくり部。ここなら手芸もいけるかも。そう思って勧誘ポスター見ていたら、ポスターの文字配置のおかげで、物部ななさんも興味持ってた。かくしてふたりで向かう物づくり部。たどりついてみれば、廃部の危機に直面し、余裕を失った部長が出迎える、ちょっとデンジャラスな部だったのでした。
なにがデンジャラスって、部長はまあいいんですよ。感情過多でいきなり涙のお出迎え。でもちょっとついていきにくい程度の人です。問題は2年生。ちょっと人見知りを自称する幽霊部員? カエデがヤバい。幽霊部員といわれるのが気に食わないのか、いきなりのガラスビンフルスイングで部長を殴打する!
ヤバい。あまりのヤバさにユリもななも入部をやめるとこだった。うん、やめたほうがいいんじゃないか!? でも部長の真摯なまなざし、勇気を与えてくれる力強い言葉にやめることをやめた? 制服のほつれを補修するユリを楽しそうに眺める部長。ここは自分でつくるだけでなく、つくる人を眺める、応援する楽しさもある部、であるようなのですね。
『A×Zスタイル』
友達のいない少年、Z君のもとにやってきたのは、未来からきたネコみみ美少女アンドロイドN・K、にゃーこ。天才でありながらも友達のいないZ君に友達の大切さを説きにきた。けれど突然の登場に、むしろ通報を考えるZ君。うん、Z君の対応は妥当だと思う。
このN・KがZ君をかまいにきた理由、なんなのだろう。Z君に友達がいなかったことが、未来になにか影響を及ぼすの? あるいは、最初に考えたのは、友達のいなかった子供時代を悔いて、N・Kを作った未来のZ君が送り込んできたのでは? と思ったのだけど、そのどちらでもなかったみたい。
しかし、この漫画がまさかラストに15年の月日の跳躍を見せるとは思わなかった。大人になり、起業をしたZ君のもとに現れたのはZ君に役立てる自分になるべく努力し、自らも起業したN・K。かくしてふたりは対等なつきあいをはじめるにいたり……、といいたいのだけど、これって普通に取引先なのでは? ともあれ、N・Kがしあわせというのだったらこれでよかったのかも知れません。
- 『まんがタイムきららキャラット』第20巻第6号(2024年6月号)
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