『まんがホーム』2024年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。パンがテーマの表紙であります。メインのらいかはパン屋のお姉さん、両手のトレイにいろんなパンを乗せて登場です。『ごちそうさまは二丁目で』は店長とみのりがハンバーガーを、『天国のススメ!』は太一と麦がメロンパンを、というかこれメロンパン着ぐるみだ! そして『孔明のヨメ。』は各種サンドイッチを取り揃えて、なにかピクニック感ある表紙になっておりますよ。
今月は新規ゲストが1本です。
『俺、姉になる。』
なにごとかと思ったら、姉に恋していた幼なじみのお隣さんになかば無理強いされて、姉のかわりとして女装させられるというんです。直接姉にアタックできない理由でもあるのかな、と思ったら、なるほど姉は先日結婚して家を出ていった。かくして姉ロスとなってしまった幼なじみは、弟に目をつけて強制的に女装、やっぱり姉弟だけあってよく似てるわ! 大変お喜びなのですが、弟はそれでいいのか? と思ったら、やっぱりあんまりよくないっぽいですよ。
しかしそれでも、気のある女子からの願いです。幼なじみの暗い顔は見たくないと女装を受け入れたら、やたら厳しい監修がはいるというんですね。ええ、弟くん、身も心も姉になりきらねばならなくなったようですよ。
『孔明のヨメ。』
赤壁の戦いを終えて後、周瑜たちを迎えて戦後交渉をおこないます。普通はこんなに急ではないっぽいんですが、どうやら向こうには急ぐ理由があるのだろう。そうしたちょっとしたことからも多くの情報を読みとって、自軍に有利となるよう交渉を進めていく孔明の手腕の冴が見どころとなるエピソード。派手さはないけれど、地味にすごみのある回だったと思います。
劉備の側は拠点となる土地が欲しい。それで相手に江陵をとらせる代わりに、その南方湖南四郡を領地としたい。ただなんの策もなくこの件を切り出したら、周瑜の怒りを招きかねない。なので、相手にまず江陵攻略の意思を表明させ、それを受けてこの地を押さえたい、それは周瑜にとっても都合がいいはずと、希望を切り出す順序を工夫するだけで、こんなにもすんなりことが運ぶという話でした。
しかしこのやりとり、周瑜にとって孔明という男を知る決定的なものとなったようですね。これが周瑜にして孔明を警戒させることとなるか、あるいは周瑜がより大きくなるきっかけとなるのか。今後の描かれ方もまた楽しみです。
『こんなにカワイイ音瀬くんが女の子のはずがない』
音瀬の盗撮写真がネットに公開されてしまった問題。とりあえずは好評だからと放っておいたのが結果的に失策となってしまいました。
最初は本当によかったんですよ。カワイイって、元がいいって。それで音瀬も気をよくしちゃって、実害がないと警察も動かないというから、とりあえずは様子見でいきましょう。からの、橘による音瀬の写真撮影会に展開していくその流れは面白くて、というか音瀬がチョロい! 10倍カワイイといわれて、ぞくぞく。音瀬の全部は俺だけが知っていたいといわれて、キュン。いやほんとチョロかった。むしろこれがきっかけでカップル誕生してしまうんじゃないかと期待してしまうところでした。
さて、それで最初に触れていたことです。時間がたつと好評だったネットの反応もだんだん違ってきてしまい、キモいのなんのと批判的なコメントが増えてしまって、それが音瀬を傷つけてしまったんですね。遅まきながら動く橘たち。はたしてこの一連のできごとは、どういう顛末となるのでしょう。
最低でも、音瀬がむくわれる、そんな決着をしてほしいものです。
『はなまるゲーセン飯!!』
園香と樺恋のむかしの話。子供時分には引っ込み思案だった樺恋が、園香と一緒にいることでずいぶん救われて、変わっていくことができた。そんなエピソードが描かれて、小さい声でしか話せなくても、園香がちゃんと伝えてくれる。自分のことを物知り博士と褒めてくれる。そうした全部が嬉しくて、自分を支えてくれていた。
この気持ちが、感謝があったから、いつか園香の力になりたいと思ってきた。そんな樺恋の思いの成就するときがきたというのです。大名行列祭りでお姫様役を任された園香。しかし自信がなくて、思い悩んでしまって、とそんな園香のことを自信持てと、大丈夫だと、支える立場にまわったのが樺恋なのですね。ふたりのこの関係。かつての思いがぐるりとめぐって、互いが互いを支えることのできる友達になっている。そうした様子がほのぼのと、そしてしみじみとしたよさ感じさせてくれたのです。
- 『まんがホーム』第38巻第5号(2024年5月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿