2019年10月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2019年12月号

 『まんがタイムオリジナル』2019年12月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下さんをメインにハロウィンの仮装ですよ。ああ、山下さん、黒猫の格好? ボトムスはカボチャになってて、ちょっとシックなトップスとのギャップが可愛い。ええ、いい衣装だと思います。『小森さんは断れない!』からはしゅりとまさ子が登場。ふたり、悪魔なのかな? しかししゅり、すごい格好だな。ダイナマイトすぎる。そして『おしかけツインテール』は、フランケンシュタインの怪物やってる俊郎と花梨ですよ。花梨、白衣着て白髭つけて、なんか楽しそう。いいペアですよね。

『おしかけツインテール』。花梨の進路相談。ほんと、この流れ最高だったと思う。進路をどうするか、目的もなしに進学するのもどうだろう。悩みに悩んでる花梨に俊郎が助け船を出す、その的確さ。なんかね、いつも駄目人間みたいにいわれがちな俊郎だけど、ちゃんとした大人なんだって、花梨のことちゃんと見守っている保護者なんだって、心底思わされて、そのサポートするところなど感動的でさえありましたよ。いや、マジで。花梨の適性を見て、どうした職種が向いてるか、性格なんかも考慮してアドバイスする。ほんと、頼りになる大人だよ。けど頼りになる人ばかりだと面白みに欠けるからか、花梨母がえらいことしわよせ受けちゃってる感が! いや、いつものことか! これでこそ花梨母だよな! そして今回のラストですよ。俊郎の夢はどうなのか。花梨が気にしてたのですが、ああ、俊郎、ゲーム会社の夢、諦めてない。そのこと知らされた花梨の嬉しそうな様、これがね、この流れもね完璧で、素晴しかったわ。ほんと、この漫画、最高だと思う。

『ネコがOLに見えて困ります』。動物が人に見えるミコト。そうか、まるっきり人と同じになっちゃってるから、尻尾とかわからない。もちろん自分が飼ってる猫、OLさんの尻尾もわからない。学校の友達、ユラ、三島と尻尾の話題になって、ミコトの家に皆でいくんだけど、ユラの前でいいかっこしたがる三島がね、ほんと微笑ましくっていいじゃないかって思って、いやいや必死だよ、三島くん。そしてOLさんの尻尾。そうか、まん丸か! 読者もOLさんの猫姿、あんまり知らんからなあ。こうやって猫としての、というか本来の姿意識させられると、ミコトの困惑? みたいなの共有できて面白い。そういう意味では、今回読者はミコト側ですよね。そしてミコト、OLさんのこと、尻尾はまったくわからないんだけど、その表情やらなんやらで気持ちがわかる。それがさ、皆に共感されるの、うちの子限定の超能力だってね、これがまたよかった。雰囲気がよかった、楽しそうにしてるところもよかった。そして、OLさんの尻尾が見えないこと、残念に思ってるミコト。これがね、すごくよかった。ええ、微笑ましさに溢れてました。

カントリー少女は都会をめざす!?』。のっけから面白いなあ。もうすぐ十五夜ってテレビで団子が特集されてるの見てる八重だけど、そうか、この番組自体が2ヶ月遅れなのか。そうか、これが田舎あるあるなのか。とか思ってたら、本編途中で、日曜朝の番組が関西全体で遅れたり云々って、うわー、自分、当事者だったじゃーん! 笑った。面白かった。この子らのこと、もっと近しく、なんだかリアルに感じられた。素晴しかったですよ。さて、買った団子を振り回しちゃって、芋畑におっことしちゃって、そこからのもろもろ。これシンプルにおかしくって、ピヨピヨ八重とか、よじ上り八重とか、なんかレアじゃん。すごくいい。と、この団子がですよ、まさか最後の最後まで貫くテーマだったとか思わないじゃん。大河さんのお友達なんだからってみなからいわれて、お供達と捉える八重。ああー、桃太郎の! で、そこからのバリエーションがまた面白い。桃園の誓いまでいきついちゃいますか! この話題の幅。しかも八重、ばっちり反応できるのな。でもって、八重、すごくいい笑顔! この笑顔あってのあの落ち、あの表情の落差が生きる。ほんと、この子たち元気で楽しい。すごくいい。ほんと大好きです。

『スズちゃんでしょ!』。最終回でした。なにかものすごい展開、決着、なんてのがあるのかと思いきや、まあそんな風にはならない。うん、すごくこの作者らしいと思う。頼まれていた着物、一気にしあげて、その勢いのままお店に届けにいったけど、まさかの臨時休業。ええ、これですよ。着物の出来を見て、女将さんが、さすがねとか、見直したとか、そういう達成感みたいなのを見事にはずしてくるんですよ。じゃあ、若旦那とのあれこれ、それをぐいっと進展させるのかと思ったら、梨乃ちゃんと約束があるからって、ええ、こちらもすれ違い。なかなかね、スムーズに運ばない。でも、スズちゃん、若旦那のために夕食のおかず作って届けようとか思ったりね、で、それ渡して受け取ってのくだり、なんだか盛り上がらないなあみたいにこれまでずっと煮えきらない展開続けてきた甲斐があるってやつかい!? ああー、スズちゃん真っ赤ですか! え? 空が? ともあれ、このスズちゃん結構頑張って、赤面してること自覚なんてしちゃってっていう機微。この機微。ああ、これです、これですよ。最後にしっかり持ってきましたね。大きなことじゃない。ささやかではあるんだけど、そのささやかさに人の気持ちの浮き沈み、揺れて動いて、溢れるものあるっていうのがね、ああうまいなって。ええ、そんなよさある最終回でしたよ。

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