『まんがタイムきらら』2018年7月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』、花名と栄依子ふたりが抱いてる皆をかたどった人形! と思ったら、これ、人形じゃないな。花名の手元から元気に飛び出すチビたまて。花名の足元で周囲をうかがうチビ万年さん。といった具合に、皆その個性、ちっちゃい姿で万全に発揮しているのがいいですよ。栄依子はチビ冠を抱いて、というか、冠、サイズこそ小さいけど雰囲気はいつもとそんなに変わらないな……。そして膝には先生がいて、あの上目で見てる感じ、なんか栄依子のこと気にしてるみたいで面白いですね。
『がんくつ荘の不夜城さん』。ついに巌窟王の登場ですね。給湯器が壊れて風呂に入れないというあかり。不夜城さんに相談したら、大家にあいにいくしかないとの結論。それはいいんだけど、この建物、下はこんなことになっとるんだ。というか、床下経由でしかいけないの? 草生い茂る未踏の地、といった感じの秘境具合ですが、湿気すごそう、虫とか出そう、というか、この建物、基礎とか大丈夫? それで王様との対面なんですが、大家さん、王様と呼ばれてるから男なのかと思ったら、ああ、さすがですよね、女性でしたよ、というか見た目少女で、あかり曰くまた合法ロリ。重度のひきこもり。光が苦手、って深海魚みたいだ。この人、どうやって生活してるんだろう……。今回、王様の登場で、あかりより押しの強いキャラクター登場とか、あかり、不夜城さんに対し独占欲をあらわにとか、そういう方面が描かれるのかと思ったら、むしろ漫画家としての不夜城さんにフォーカス当てられた、そこに意外な重みがあったように思います。
『うらら迷路帖』。一番占不在の事実を告げられた千夜たち。より詳しい話を聞きにいったその先が巽屋時江、紺の母だったというのですね。上位のうららしか知らない秘密。秘匿するにいたるまでには様々な思惑があったようなのだけど、しかしここで事実として語られていること、その不在は本当に真実なのであろうかという疑義が出るの、しかもその疑義を唱えるのが臣であるということ、いやあ、俄然面白くなってきましたね。二番占時江であっても視ることのかなわないもの。ただ視ることができないどころか、なにかに阻まれているというその実感。なにか危険な予感を感じながらも、千夜の母、一番占の秘密、そこに至ろうという道筋が見えて、小さな火花が勢いよく飛んで発火した、そんな思いがしましたよ。ただ一番占を目指し努力、精進する女の子たちを描くばかりかと思いきや、ここでまったく違う要素を盛り込み、展開の幅、広げてきましたね。
『城下町のダンデライオン』。いよいよ創立祭初日。しかしなにか波乱の起きそうな予感、と思ったら、想像以上だ。アンジェの兄が来訪。そこに加えて遥が発熱。大変だ、劇の主役はどうなるの!? アンジェの兄、アルヴィンから茜様に話があるというのですね。アンジェの能力、あらゆるモノを自身の記憶する状態に復元できる、について語られたのだけれど、その代償、思い出を失うということの重み。幼いころにアンジェが、なにか大きなものを復元したことで家族のことさえも忘れてしまったということが語られたのですね。ここでこの話が出たの、今後の展開に関わるってことですよね。そしてアンジェに兄から告げられた重大なこと。父が倒れた……。アンジェが今日の創立祭の舞台のためにどれほど頑張ってきたことか。その成功のため、自身の記憶を削ってまで働いて、そして今日の舞台の成功。憧れの茜との夢のような舞台を踏んで、そしてこれから彼女は選択を強いられることになるというのでしょうか。茜との思い出を父との天秤にかけようというのでしょうか。つらい、そう思うよりない展開が待ってそうですね。
『海色マーチ』、ゲストです。沖縄のとある島、宇御島にやってきた女の子、小波周が、海で出会った比屋定珊瑚と一緒に海を知っていくことになるというストーリー。しかし、眼前に広がる海を前にして、なんか臭いぞ。うん、海って臭いよね。腐敗臭? っていってますけど、あれ、そうなのか、プランクトンの死骸が匂ってるんだ。てっきり打ち上げられる魚など海の生き物の匂いなのだと思っていました。しかし、このあまねって子、いろいろやばいな。海岸で、大の字になって寝てる人見つけて、口にヒトデをつっこむ。いや、ほんと、これ、口につっこんだモノ次第では死にかねないよ!? 平手打ちで許してもらえてよかったね! あまねの初めての海が、ここ沖縄は宇御島の海だったというのですが、海をなめると死にかねないよ、さんごにそういって泳ぐのとめられて、また海には有毒生物がいるっていって脅されて、いや、脅しじゃなくて注意事項なのかな? ナマコを踏んで転んだり、溺れて気が遠くなったと思ったら口にヒトデをいれられてたりと、あまねにとってなかなかに苦い、いや、しょっぱい? 海デビューになりましたね。
- 『まんがタイムきらら』第16巻第7号(2018年7月号)
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