2018年6月5日火曜日

『まんがタウン』2018年7月号

 『まんがタウン』2018年7月号、発売されました。表紙は『うちの大家族』、洗濯物を取り込んでいる藍子ですね。ああ、ついに最終回。16年の連載が終わるというのですね。しかし16年となると、本当に長い。それだけの間続けられるエネルギー、また広く支持されてきたことがうかがえる長さでありますね。

『新婚のいろはさん』。今回は二本立て。一本目は始たちの隣人、早倉哲子の話からはじまって、水泳部の彼女、このところ調子がいいみたい。それで他の部員からもてはやされて、そして一緒になにか食べにいきましょう。そうか、いつもはつきあいわるいんだな、この子。けれど今日は一緒にいくと返事して、その変化に皆がなおわきたつというんですね。彼氏でもできたか、みたいな話なんですが、早倉に影響与えてるのは始なわけで、始といろはの様子を見ていろいろ考えるようになったという、その思いをしみじみと語るところなど、とてもよかったです。

思えばこの漫画、気持ちを、思いを語る、そこによさがあると思わされて、例えば今日の二本目も、南国ごっこ(?)をするいろはと始の対話。自分たちの住む街について知ってること、知らなかったこと、そして変化していっていること、そうした気づいたことを話してるだけだっていうのに、なんてこう感情に触れてくるのだろう。なにかノスタルジックに似たものがある。そしてふたりの近さ、その関係し思いが伝わったり伝わらなかったりするのも面白くって、ほんと、この漫画、大変に豊かだ、そう思わされるばかりなのです。

『ようこそ!スマイリーバーガーへ』。いい話じゃありませんか。今回のテーマは女の戦いなのでしょうか。その戦いというの、それこそひとりひとり違うものなのだろうなあ、と思わせる今回のエピソード。梅ちゃんは、自分の名前のコンプレックス、それが敵なのかも。けれどこうした話、さっぱりわからないといった感じのたまこにすず、ふたりの様子も面白く、そしてその対応の違いもおかしい。すず、この人は本当に真面目で、誤魔化したりせず、それでもってどっかちょっとずれてるんだなあ。さて、店長のシェイクにかける情熱。新作デザートを試作して常連たちに感想聞くというの。これ、一旦テーマから離れたと思わせて、また後で戻ってくる。津田さんの、シェイクを買っての帰り道、お店のお客さん、泣いているところに遭遇しちゃったんだ。具体的になにがあったのか、そういったことは語られず、けれど津田さんのあの行動。そしてお客さんに興味ないからって、冷たいように見せてね、そうじゃないところもあるってね、でも決してウェットにはならない、そんな彼女のあり方。実に魅力的で、ええ、戦ってる女だからこそ、また違う戦いに打ち拉がれる人を放っておけなかったのかも知れませんね。最後のたまこのおばあちゃんの思い出話、これも面白かったですよ。まるでテーマ外のエピソードに見せて、いや、やっぱりテーマからはずれていない、かな? この、そうと思える、思いすぎかも? みたいなゆるやかなつながり? 自然な自由さ? これもまたいいんですね。

『あいたま』。今回、ものすごい。なんと、あいが弱ってる。原因は猫。裏庭にいたという黒いチビすけをひよこが確保してきて、そしたらこの猫があいに見事になついちゃった。って、いいことじゃん? そう思いたいところだけど、そんなにもあいったら猫が苦手ときたか。すごい顔。すごい消耗。白くなったり血涙流したり、これ、このまま猫と触れ合っていたら、いずれ消耗しきって死んじゃうんじゃないか? ってな具合に弱るんですね。なのに、樹里が猫の行く末を思って涙を浮かべたら、私が飼うからと安請け合い。死ぬ、ほんと死んでしまう。というか、猫がいる家になんて帰れないぞ私…!! って、わかってるんだったら、最初からそんな無茶な約束しなけりゃいいのに! 今回、あいが、猫のお腹のあたたかさを嫌がったり、またゴロゴロが嫌音とかいってますけど、これ、きっと作者の思ってること、その逆を書いてるんだろうなあって思ったらおかしかったです。猫については、飼い主というか、動物トレーナーやってるアイドルにちゃんと引き渡せてめでたしめでたしだったわけですが、それで別れてちょっと寂しそうにするあいの様子、これがなんだかよかったです。

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