『まんがタイム』2018年7月号、昨日の続きです。
『見上げればいつも妹が。』。遥の留守に寿司の出前を頼むんだ、兄ツブテ! しかしワサビ抜きじゃないと駄目だって、ほんと、この兄さん、弱点多いなあ。そんなところにやってきたリズベット。ツブテが、よりによって涙目で遥はもういないなんていうから、ちょっとややこしいことに。兄のこと、男性と意識して固くなるリズが可愛かったですね。でもって、遥の話となれば、緊張なんてどこにいったのか、もう兄とガミガミ言い合うレベルになるってんですね。遥を思い、うっとりと語りだすリズ。記憶の中の遥はキラキラと輝くようで、ああ心細い時に助けてくれた遥はこの子にとって、本当に心強い、頼りになる人だったんだなってよくわかる。ツブテにとっての遥の存在と、リズベットにとっての遥。ちょっとずつ違ってはいるけど、同じく大切に思っている、そうしたところのよくわかるエピソード。いい話じゃあないですか。
『ウレ漫とガケ漫』。資料用に自分の写真を撮って欲しい。茜から依頼された白井の動揺、狼狽がすさまじい。制服の短いスカートで座り込んだところをローアングルでっていう、その際どさ。犯罪なのではないか。茜に迫られて腹をくくるも全力で顔をそむけてしまう。ほんと、白井氏、いい人だなあ。女子高生職場に単身送り込まれた理由もわかろうものがありますね。その後も、白井、いわゆる壁ドンやってみてくれっていわれてみたり、それで担当編集者瀬戸に誤解されて、あわや蹴飛ばされそうになってみたりと、いやはや大ピンチでした。今回、茜の漫画がアニメ化するという報がもたらされたかと思えば、白井、読み切り枠を獲得したりね、立場、状況違えながら、同じく漫画に取り組んでる同志、その仲間にしてライバルといった感じが実に清々しかったです。
『モンスターだってうまい飯がたべたい!』。気の弱そうな優等生、犬神一君。なんと、この子、狼男なんですね。今回、それがバレてしまう。体調不良に藍の接近が重なって、っていうんだけど、よく君、今日の今日までよく正体バレずにきたな! ともあれ、藍、正体バレてしまった犬神のこと、バイト先に連れてって、介抱してくれたっていうんですね。犬神、バレた相手が藍でよかったなあ。一般的な狼男のイメージと気弱な自分とのギャップ、これが犬神のコンプレックスになってたんですね。けど、藍がちゃんと犬神が自分を助けてくれたこと覚えてたり、でもって弱気な人の姿の犬神のよさも評価してくれたりで、お、いいじゃん、これで犬神もコンプレックスを脱するのかな? って思ったら、いやもう、繊細な人だよ! でも犬神に関しては、こういう性格、美点に感じますよね。
『天子様が来る!』。次回、最終回! マジかーっ! しかし、面白さ、まったく変わりなく、なんで終わっちゃうの!? ってうろたえるレベルです。のっけから、ノリノリのおばーちゃん、すごいインパクト。めっちゃいい笑顔ですやん! 今回も面白さ、これでもかこれでもかと押し寄せてくるわけですが、「中空」の彼女、散らかった部屋の足の踏み場の作り方もおかしいんだけど、フワフワ浮いてるもろもろ気にいっちゃうとかね、しかも次の「そこまでです」でも継続してるとかね、ほんと、おかしい。ペットの預け先がものすごい「周遊」、これもよかった。思いもしない秘密に気づかされる「かくし味」も、ほんと、あの絵面、すごいよ、しみじみ笑いが込み上げてとめどない。これまで何度もいってきたことでありますが、安堂友子の天才を感じます。ただ発想がいいだけでなく、それを練りあげる力の確かさもまた見事なんですね。
- 『まんがタイム』第38巻第7号(2018年7月号)
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