『まんがタイムきららMAX』2018年8月号、昨日の続きです。
『ももいろジャンキー』。ほんと、絵のインパクトでもって笑わせてくれますよ。美耶の公園デビュー。新しいお友達を作ろうっていうんですが、うってつけの小さくて可愛い一人でいる声かけやすそうな女の子……。本人たちもいってますけど、ほんと外聞悪い表現ですね……。ともあれ、もものアドバイス受けてスキップで接近していく美耶がすごい。まるで駄目駄目、変質者どころかホラーとかそっち系に見えるレベルよ? ほんと、よくブザー鳴らされなかったもんだと思う。あの、ガチ恐怖の様子、強烈なインパクトでした。今回知り合ったのは鵠沼公ちゃん。美耶のこと、ちょっと警戒? いや、ちょっとどころじゃないな。すごく距離置いた話し方して、見るからに心を開いてないんですね。でもこの子、逆上がりできないこと気にしてて、そのことバカにする男子のこと、美耶がおいはらってくれたもんだから、すっかり美耶にまいっちゃうの。その転換が素晴しかった。きみちゃん、いやさ、ハムちゃんと呼び名も決まって、そして憧れの美耶のように不良になりたいって! いや、美耶ちゃん、不良じゃないから! ぐいぐい押してくるハムちゃんに、ええっ、いやダメだよ! 狼狽ぎみの美耶もまた面白かったです。
『どうして私が美術科に!?』。紫苑、えらい顔になってる。でも、なんか可愛いな。民芸品みたい。憧れの画家が蒼の母と知って、ちょっとショック。なんではやく教えなかったのかっていう理由もふるってて、あんまりに興奮する紫苑の様子に気後れしちゃったか、蒼さん。そんな紫苑さん、蒼の母と対話する機会を持って、それでわかるいろいろ。ほんと、この漫画、鬱屈した気持ちをきれいごとで誤魔化さないんだ。蒼の母から、紫苑には紫苑にしか作れないものがある、そういわれて、すぐには納得しない。マジか!? だからなんやっていうんですか
続く言葉にころっと納得する紫苑ですけど、この前段にはっきり描かれた鬱屈する気持ち、紫苑の本性がままあらわれている、そう思われて、ぞくっとしましたね。そして語られる蒼の真実。ああー、この子のこと、紫苑は天才だって思ってたけど、そうじゃないんだって、紫苑に知られないところで努力に努力を重ねてたって。紫苑の目を、母じゃなくて自分に向かせたい、その一心だったんだ。本当、今回、ものすごくよかったです。紫苑の鬱屈。蒼の紫苑を思う気持ち。そして最後のあの対話。すごいね。その時々の多彩な表情に見える感情の起伏もまた素晴しかったです。
『From Gehenna』。面白いですよ。登校途中で出会った天使の女の子、ララ・ラスムッセンが転校してきました。ララ、この直情的な娘。思ったことは口にせずにはおられない? 朝の吸血鬼、ドルエを指差して、主人公席に座ってる! 噛み癖のあるルーガ、飛び級なんだ! 実は頭いいんだ! 意外性、見せてくれますね。突然の堕天使に興味津々、からんできたフリス・カーロフ。この子も面白かったです。フランケンシュタインの怪物。種族名フランケンシュタインじゃ正解にしてくれない! でも、確かにこの場合、フリスの言い分が正しいんですよね。フリスの手が握手でとれるの、えらいこと悪趣味だけど、基本的なボケですませていいんだ! でもってドルエが縫ってなおしてくれる。そこからの会話が『ブラックジャック』パロディになってるの、いい感じですよね。このフリス、頭のボルトさわると感電するとか、それで髪がボワボワになったララ、ラファエロの天使の真似してみせるとかね、なんでもない一発ネタなんだけど、ノリがいいからだろうなあ、ものすごく面白い。テンポがいいところがいい。ノリのよさもいい。けどノリのよさだけで押し切るんじゃなくて、放電しきって死んじゃったフリスの目覚めた時のあのスローな感じ。これがまたよかった。緩急ですね。わいわいとにぎやか。のびのび動くキャラクター。そこにあの心配するララのスローテンポが効いていました。他愛もないことばかり。でもそうしたところに気持ちの動きが感じられる。実にいいですよ。
『はんどすたんど!』。今回はゆかの出番ですよ。緊張に弱いこの子、本番をどう乗り切るか。心配してたら、あやが皆の注目集めている、すなわち自分は誰からも注目されていない、すごい理屈でポジティブいっぱいなりました。ゆかの演技に、声をかけようとしてやめた観客席の皆。それがナイス判断だっていうのおかしかったのだけど、見どころはゆかの演技ですよね。のびのびとして、すごく魅力的じゃないですか。あやもいってたように、ゆか、成長いちじるしいですよ。いっぱい練習して自信がついたんじゃないかって、それいわれて、思うところあったみたい。それでラストの平均台も、もう最初の床の時とは違いますよね。皆が見てることはわかってる。そして、なんとしても成功させたい技にも挑戦して、ああ、がんばった! その成功から、皆の歓声、ばんざい、そしてあやたち仲間とのタッチですよ。結果こそはあやが根こそぎって感じにもっていっちゃうんですけど、個人個人がそれぞれ定めた目標ですよ、今回は皆納得いく結果を出せたんじゃないでしょうか。誰かと競うでなく自分自身の成長を実感する皆の姿がいい。そして上級者の演技に憧れとやる気をおこさせる様、本当に瑞々しく、あざやかです。毎回恒例の写真撮影もね、今回はプロが撮ってくれるよ! ああ、これがポスターになるのね! いちご満面の笑み。ほんと、ななみもやる気みたいですけど、どんなのできあがってくるか楽しみですよ。
でも、次回、最終回! マジかーっ!
- 『まんがタイムきららMAX』第15巻第8号(2018年8月号)
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