『まんがタイム』2024年9月号、発売されました。表紙は『大家さんは思春期!』。水鉄砲を手にしたチエちゃん、水に濡れていつになくアクティブ、やんちゃな感じが新鮮です。新鮮といえば、髪をうしろにひとつにまとめたポニーテール。これが不思議とこの子を大人びて感じさえて、なるほど元気で素敵な表紙であります。他には『ニセアイホンアイ』、『転生アイドルはご主人様にゴロゴロ鳴きたい』のカットもございます。
『ローカル女子の遠吠え』
りん子初の富士山チャレンジ。それがもう大変なことになっていて、遠くから見れば笠雲、けれど現場にいればものすごい悪天候。御来光を目指そうにも、目の前5mの視界確保もままならないときました。
八合目まできたんですけどね、水馬がSNSの富士山情報調べてくれまして、そしたら見通しよろしくなさそう。ここから先は寒い、暴風、悪くすれば遭難という悪状況が予想され、さあどうしようかというときに、りん子のいった下山という言葉。その決意、さすがと胸に響くものありました。
しかし撤退もまた地獄のようじゃないですか。ものすごい雨。ものすごい風。けれど以前地元に帰るか悩んだときのようなつらさがない。その、なぜ、にりん子が出した答、それが本当によくて、ああずっとここまでじっくり下地の作りあげられてきた富士登山。その時間にふさわしい決着、納得感あるエピソードでありました。
『スーパー恋愛タイム~現場でドSな彼女は自宅でデレる~』
ついにベルク登場回が放送。SNSのトレンドになるも、まだキャラの名前が浸透するにはいたらず、より一層の盛り上げを期待したいプロデューサーであります。マナにその悩みをうち明け、なにかアイデアをといったことで、マナの役者としてのスイッチが入ってしまうのですが、ひとり台本に向かい、そして皆との交流を避けるかのような行動をとってしまうマナです。ただ集中しようとしているだけかも知れないけれど、そこにずっとベルクであろうとしているという気持ちを読み取ったアツシが、マナを、マナとしてではなくベルクと呼ぶのですね。
それが突破口となり、マナの悩みも解消。演技もよりよいものとなり、プロデューサーの望みも果たされた!
ああ、こうして皆でチームとなって作りあげていくドラマ。その過程、その描写がまたドラマチックであるというの、とてもよかったです。
そして物語は次の展開へ。リナと変装したアツシに出会ったお隣さん。熱い気持ちを込めた、二人とも頑張ってください! との挨拶ですよ。ふたりとも!? ということは、リナとアツシの関係がバレてるーっ!?
いや、でもこのお隣さんなら撮影の、番組の妨げになるような行動はしないだろう。という安心感はあるものの、なにかしらの動揺はありそう!? ええ、やはり目が離せないのです。
『跳べないウサギと神の島』
大奥様、織子を仰々しく迎えての天啓祭決起集会。この祭に巫女と島の秘密があるに違いないと、ひとりシリアスな表情を見せるレオだけれど、他の大人たちはというとどこか気が緩んでいるというか、だってビンゴ大好きなおじさんとか、織子にしても競馬に夢中。リンコとツムギの母は、トゲトゲしく嫌味の応酬をしているときた。ほんと、ここの大人たちは大丈夫なんでしょうか。
けれど、やはりなにか鍵となるようなことは提示されるのですね。首藤家から連続で不跳兎神を出すわけにはいかない。そこで織子が出した名、理沙子とはいったい何者なのか。そして自由に飛びまわるリンコが向きあう大樹。多くの祠をしたがえたその木に、祠に、理沙子お姉ちゃんと呼んだ、その意味とやいかに!?
実姉? あるいは親戚のお姉さん? 今はわからぬ、わからぬながらも、この島の、この島の巫女の秘密におおいに関わる名前、人物であろうこと匂わせて、さあ理沙子のなしたこととはいったい。そしてリンコとの関係は!? そこにリンコのしあわせになれる道があればと思うのだけど、その道は織子たちの求めるものとは対向する、険しいものとなりそうな予感がします。
- 『まんがタイム』第44巻第9号(2024年9月号)
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