『まんがホーム』2024年9月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。ついにこの日がきてしまったというべきでしょうか。最終回! 21年間ありがとうございました!! の文字が踊るこの表紙。らいかと竹田は卒業式の正装で、卒業証書の筒を手にしてすまし顔。彼らはこれから遠く離れての生活となるわけですが、その日々を超えた先にどのような未来を描くのか。そうしたこと感じさせてくれる表紙、そして最終回でした。
『らいか・デイズ』
『らいか・デイズ』の衝撃は今もなお覚えています。こんなにうまい漫画を描く人がいるのか! シンプルで、けれどその内実は際立って充実して、まさしく巧手。キャラクターそれぞれが担う役割を充分に演じて、きびきびと無駄なく、シャープにエッジの立った四コマの連続に、それはそれは舌を巻いたものでした。
当初は漫画を駆動すべく役割に徹していたキャラクターたちも、次第にそれぞれの個性を色濃くまとうようになって、顕著なのはやはりらいかと竹田でしょうかね。大人顔負けの天才児と一歩及ばない負けず嫌いの秀才だったふたりは、そうした個性を内包しつつ、より人間らしい幅を持つにいたって、いつか恋仲に。そしてこの度迎えた最終回においては、未来を思いつつ別れをしのぶ、そんなふたりにまでなったのですね。
この変化。変化なのか成長なのか、それはわからないけれど、四コマ漫画がキャラクターによるドラマを求められるなかで対応し、そしてらいかたちはその傾向をまさしく牽引する一群をなしていた。やっぱりトップランナーだったなあって振り返ってなお思わされる子たちでした。加えていえば、最終回と聞いたときの、え!? 終わるの!? なんで!? という驚き。だって、いまだなんら衰えることなく先頭に居続けていると思っていたんですから。だからこそ、有終というべきラストになったのだと思います。
しかし『らいか・デイズ』が終わるとは。四コマ漫画の景色がまた変わります。
『孔明のヨメ。』
長沙に向かう関羽。その胸中にはいかな思いがあるのか。劉備にはひっかかるところがあって、その心配から孔明をともないこっそり関羽に同行。そして関羽はというと、甘夫人の病状を危惧し、劉備を奥方のもとにはやく帰らせるべく、急ぐ気持ちが収まらない。
ええ、この焦りをこそ劉備は気にしたというのですね。
さて、長沙にて関羽を迎え撃つのは黄忠です。47歳関羽を小童呼ばわりする老将ながら、その腕前は健在。関羽を前に一歩も引かず、むしろ一合一合打ちあうほどに互いに相手を讃える気持ちを深めていく。さあ、この戦いの行方やいかに。今後のためにも黄忠を生かしたいと思う関羽と、主君の命により得意の弓をもって関羽を討つのか黄忠。
戦いは次号。はたしていかなる結末を迎えるのか、こうご期待です。
『ガチ恋カウント2.9』
リコ、やりました。根性、あるいは恋情でもって食らいついた練習生試験。ついに合格となって、ああ人生の転機ですよ。評価されたのは、短期間での成長もさりながら、メイデンや琥珀に与えた影響。総合的にリコという人間が評価されての合格だったのですね。
さて、これからが大変です。仕事を辞めねばなりません。ああ、あの上司さん、もう出てこないのかな……。はいいとして、梓、ひなせ同様に寮に入ることになりました。そこで密かに葛藤していたメイデン芽生子の内心とか、地味に面白くって、ほんとこの人、リングを降りたらかわいい人です。
メイデンとの祝勝会で、不安を感じていたリコがメイデンの言葉に腹くくるとかね、こうしたやりとりやっぱりよくて、と思ったら、オタク仲間の山田さんからのメッセージ見て、リコに男性の影!? 慌てる芽生子。このギャップよ! ほんと、芽生子はかわいい人です。
さあ、これからリコの練習生生活がはじまりますよ。同期の梓、ひなせとの仲も深まろうという予感が嬉しい。でも、プロテストは来月。ってこたあ、さすがにこれには挑戦しないだろう! とは思うんですが、どうでしょう。なんせリコに関しましては、なんら予測も予感もはたらきません。むしろ無謀にも突き進んでほしくさえあります。
- 『まんがホーム』第38巻第9号(2024年9月号)
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