『まんがホーム』2024年9月号、昨日の続きです。
『スナックあけみでしかられて』
今回は駄菓子の話題です。大人、大盛り上がり! 取り残された感ある乃里ちゃんはちょっとご機嫌ななめになって、そんな乃里ちゃんをおもんぱかってか、あけみさんが駄菓子の買い出しに誘ってくれました。
私はリアル駄菓子屋に触れることのできた最後くらいの世代だと思うんですよ。実際、店のたたずまいとか品揃えの雰囲気とかよく覚えているんですが、自分はあまりお菓子は買ってなくって、ほぼガチャガチャ、今の何百円とかするやつじゃなく、20円でできるやつが記憶に残っています。だから紐のついた飴っていうのは覚えになくて、でもの黒い猫のガムとか丸ふたつの絵のガムとかは覚えています。
そうした懐かしさ感じさせてくれるところ、ついつい思い出にふけってしまうところなど、なるほど大人が夢中になるわけだ! ええ、乃里ちゃんよりもずっと大人がエキサイトした今回。ちょっと甘ずっぱい乃里ちゃんの気持ちなんかも実によかったんですが、騒ぐ大人を見やる乃里ちゃん、この感覚がとてもよかったと思います。ええ、乃里ちゃんや、子供時分を遠くに見るほどに、こうして子供の気持ちにふけるものなんだと思うんですよ。
『へなちょこお嬢さん世話焼きオネェさん』
あかん、やっぱりへなちょこうずちゃんが好きすぎる。今回は初っ端からゴミ拾いしつつゴミ撒きしちゃったうずちゃん。いいことしてる、意気揚々とスミレさんに自分の成果を見せつける。でもゴミ袋の底に穴が開いてて、そっからゴミがボロボロと……。
これ、ゴミ袋をひきずっちゃったのかな? って思ったんですよ。でも違ったんですね。野良猫にバリっとひっかかれたのが原因か。新たなゴミ袋をさずけたスミレですが、放置しておけばまた猫にやられそう。見るに見かねて、うずちゃんのこと手伝ってしまうというんですね。
前回ラストでスミレという名で角田を呼んだうず。今回からはそれで定着するのかと思ったら、相変わらず次々違う名で呼んでいて、この子は洞察力が足りてるどうこうではなく、物事に注意を向ける意識がないんじゃないかって。普通、名前を覚えなかったりしたら人は不機嫌になるんですよ。けれどスミレはむしろそれが心地よいといってくれて、というのはかつて自分に向けられた好奇の目、本当の自分をではなく属性でもって評価する決め付けからうずが解き放ってくれるから。
そうした自由さを得て気持ちを軽くするスミレがまた素敵と思える漫画なのですね。
そしてうずに「スミレ」と呼んでほしいといったスミレ。アンタがつけてくれた名前よ。その言葉に感じるスミレの気持ち。それが沁みたのですね。
『はなまるゲーセン飯!!』
高梨紗季子、大活躍! お祭り屋台のお好み焼き。そのお品書きを書くのですが、字がきれい! 何度も賞もらってるし! って、いかん、これは好きになっちゃうパターンだ! いやね、字がうまい人にはやっぱりあこがれるものですよ。
お祭りが近づくにつれて、盛り上がる気持ち。準備も余念がなく、と思っていたら園香、風邪をひいてしまいました。それを知った紗季子が、園香のためにクレーンゲームに挑戦する。狙うは園香も好きなキャラクター、ペンタゴンなのですが、なかなかうまくとれなくて、そこに樺恋のアドバイスもあって、ついに獲得! ああ、これでふたりでお見舞いに向かえます。
そう思ったら田貫とパ宮もペンタゴン持ってお見舞いに向かっていて、この4人合流しての園香への呼び掛け。いい友達だなって。ええ、この友達という関係が鍵になっていた今回のエピソード。ええ、やっぱりあがいんは紗季子にとってのオアシス、仲間、友達とともにあれる憩いの場になっていくのですね。
- 『まんがホーム』第38巻第9号(2024年9月号)
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