『まんがタウン』2021年10月号、一昨日の続きです。
『食欲しか勝たん!』
連載に昇格しましたね。3人組アイドルの赤色担当相守こころは、ふとなにかが気になると、その瞬間食べ物を連想、そっちばかりに意識が向いちゃうタイプの食欲系女子。でも皆には内緒、メンバーにも内緒。とにかく隠し通しているんだけど、それが意図せず内気で守りたい系アイドル、こころんのバリューを高めちゃうってのが面白いんですね。
さて今回の食べ物はというと、チャイナ要素取り入れた新衣装、パフスリーブの膨らみにスカートのプリーツがこころの意識に餃子を呼び起こした! そこから餃子に意識を支配されたこころん、なんとかステージは成功させたものの、歌ってる間、頭の中はずっと餃子! 餃子!
かくしてライブを終えたら、ひとり餃子パーティーに突入。いやもうね、これ、こころんの基本みたいになってますけど、今回はただ食べるだけで終わらなかったのがおかしくて、翌日は仕事がない、そう思ってたらまったくの勘違い。ラジオの仕事があったと気づいた時の、瞬間頭が真っ白になってるような描写、これが面白くって、ああ、こころん失敗したーっ!
大きな声でしゃべったらニンニクの臭いがただよっちゃう! というので口元に手をやって、小さな声でしゃべるんだけど、これ、緊張してるって思われて、またもバリューがあがるのね。ファンの守りたいゲージだな、そいつがグングンあがってるってのが目に見えるようで、これはファンの贔屓目なのか勘違いなのか、けれどこういう守りたいと思わせるのもこの子の特性で強みなんでしょうね。
『君と銀木犀に』
文化祭の劇、脚本を書いている葉介。その感想を求めるも、まるで頼りにならない愛子が面白い。だよなあ、わかんないよね? 戯曲とかもそうだけど、あれ、台本形式の物語を読んで評価するって、相当慣れてないと難しいですよ。いつもクールな愛子がですよ、えらいこと追い込まれてる風なのが面白くて、面白いとはいってくれるけどうめきながらってのが本当におかしい。でもこうして感想くれるの、ちゃんと読んでくれてるってことだよね? いい子ですよ。友達甲斐のある子ですよ。
さて葉介は泉を文化祭に誘いたい。でも泉は元気がなくて、一緒に映画をビデオで見た週末、泉が心の奥底をのぞかせてくれるんですね。父が再婚するという。それで元気がない。父と母の関係はなんだったのか。そんなふたりから生まれた自分はなんなのか。すごく落ち込んで、自分の価値にも、世界の確かさにも疑念が生じている、そんなくらいに気落ちしている。
そんな泉を見てなにか心に動くものあったみたいですね、葉介。その気持ちを台本にぶつけているのですが、それがどうした結果を生むのか。もしこの物語に込めた思いが泉に届いたら、それが泉を元気づけ、勇気づけるものとなったら。そんなことを思ってやみません。
- 『まんがタウン』第22巻第10号(2021年10月号)
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