『まんがタイムきらら』2021年10月号、先日の続きです。
『むすんで、つないで。』
大変だ、つなぐ。学校では目立たず大人しく、ただただ普通に見えるよう振る舞ってきたつもりだったのに、なぜか皆から憧れられるようになっていた。そのことを七色から知らされても、どうにも信じられない。確かに遠巻きにしてこそこそ話す子たちがいるけど、ぱっと見るとさっと目をそらされる。それ、憧れられてる? むしろ嫌われてるのでは?
一瞬そした思いがよぎるも、すぐさま前向きに捉えなおそうとするの、つなぐの美点だと思う。そうした性質がなんだかんだで人から好意的な評価をされる結果に繋がってたりするんじゃないかなあ。ともあれ、知らずに普通にやってきた昔のつなぐとはもう違ってしまいました。今のつなぐは、自分が学校内で憧れを集める、そんな特別な生徒であると知っている。
じゃあ、ここでつなぐ、その憧れの君を演じることになるの!? あかん、無理しちゃいかんよ、つなぐさん。ほんと、皆のイメージなんて気にせずに、あなたはあなたのまま、あなたらしくいればいいのよ。でも、そうしたアドバイスくれる人はここにはいない!
ほんと、どうするんだろう、つなぐ。なんか大きな失敗しそうでハラハラですよ。
『えるくえすと!』
えるたち、せっかく服を買ったのに、普段はフル装備で生活してるんですね。
さて今回はそんなえるたち異世界組が雑誌を買いに書店にいきます。店までの地図と雑誌の特徴をまとめてもらって、いざおつかいに出かけるのですが、あっちでこっちで誘惑! 書店についても誘惑! 興味があっちへこっちへと向かうのが面白かった。それぞれに興味あるものが違うのがね、この子たちがなにを好きなのか、どういう子なのかというのをよく知らせてくれました。
ちゃんと文字が読めるようになってるの便利ですよね。セリは料理本に、ルチアは少女漫画に興味を持って、そしてエルはというと恐竜の図鑑! そうか、ドラゴンと思ったか。ほんとそれぞれの興味、個性が面白い。というか、ルチアたくさん買ったなあ! あの試し読み小冊子でがっつり興味を持っていかれてるの、わかるわ! ほんとみんな書店でいい出会いに恵まれたようですね。
この子たちのおつかいクエスト、見事に達成、はいいんだけど思いっきり寄り道しちゃうところ。これ、JRPGっぽいよなあって思う。発生したおつかいクエスト、達成を引き伸ばしてあちらこちらに寄り道しがちじゃないですか。そんなあるある感もともなって、なんだか共感してしまう。そんな気持ちの近しさもよかったですよ。
『ほぐして癒衣さん。』
癒衣さんと夏鈴が密着してるところを目撃した富美子。ふたりを誘って居酒屋にいくんですけど、癒衣さん、妙に富美子に対して距離あるの、これこの人の自然体って考えていいのかな!?
ともあれ、癒衣の富美子への当たりの強さ? これ同期ゆえの、なじみがあるゆえの遠慮のなさなのか、それともやっぱり富美子が距離置かれてるだけなのか。制作サイドと営業サイドの距離感の話出てましたけど、基本的なスタンスがまったく違うんだね。営業の人たちの、ええとなんと表現したらいいのだろう、悪い表現しか出てこないな、ええと、ええと、そうそう社交性に溢れた感じと、そういうのがとにかく好きじゃない制作サイド。うん、自分も制作サイドのスタンスだ。
富美子から語られる癒衣の人となり。でもそれは夏鈴の知る癒衣とは違っているというの、これは夏鈴が癒衣にとっての特別だからなんだろうか。人によって態度変えるとかは普通よ、夏鈴さん。でもそれがなぜ夏鈴なのだろう。実際、ここで人によって態度を違える癒衣の実例が提示されるの面白くて、富美子に対してと夏鈴とでは表情から違うやないですか! ほんと、これ、富美子がちょっとこじれるのもわかる気がする。でも、好意を素直に表現できない、気持ちを妙にトゲトゲした態度で覆い隠してしまう、そんな富美子も悪いんじゃないかなあ。あなた、苦手にされてるのよ。
でも、夏鈴の助け船もあって、富美子、癒衣とハグをする機会を得るんですよ。よかったね、そう思うも、しあわせいっぱいの富美子と、あまりお気に召さなかった癒衣とのギャップ、申し訳ないけど面白かった。
で、こうした酔っ払いの奇行にも慣れてる店員さん! ほんと、酔っ払い、大変よね。でも、酔ったからこそ素直になれることもある。富美子には酔い程度ではまだまだ崩せぬ理性の壁があるっぽいですけど、夏鈴とふたりきりになった癒衣はずいぶんと和らかく、自分の希望、気持ちもあらわにしてね、ええ、こうしたところ、富美子の良サポートだったのでは!? なんて思わされて、ほんと富美子よ、不憫なお嬢さんです。
- 『まんがタイムきらら』第19巻第10号(2021年10月号)
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