2020年6月27日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年8月号

 『まんがタイムオリジナル』2020年8月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。夏の定番メニュー? 暑さを乗り切るにはウナギでスタミナだ! といいたいけれど、むしろヌルヌルすべるウナギに翻弄されてる山下ナース。こういう漫画的表現、ずっと長く親しんでいられればいいなあって思いましたよ。そして『小森さんは断れない!』しゅりは激辛カレーに挑戦中。『わさんぼん』の牡丹は夏らしく宇治金時。浴衣も涼しげです。

『おしかけツインテール』

町なかでふと匂った花の香に、思い出す昔のこと。ちょっと詩的な導入にいつもと違った雰囲気感じて、切なくも懐かしい郷愁に似た思い。花梨にとっては、母とともにあった日々の情景がそれなんですね。

その母はいまやすっかりがっかり母さんになってしまってて、鉢植え枯らしたり、娘と俊郎がふたり盛り上がってたら寂しく疎外感覚えたり、さらにはどてらで究極のぐーたら生物になってみたりと散々で、けれどこういう今があるからこそ、昔の思い出はまぶしいのかも知れない。ああ、公園のひだまりで眠る花梨が夢に見たかつての暮らし。夜なべする母のかたわらに咲いた沈丁花の花。母の好きだというその花を探して、町の中探してまわった幼い花梨。その気持ちこそは母に向けた愛そのものであるのだろうなあ。なんだか胸の中、ほっと暖かさ感じて鼻の奥がつんとする、そんな感情に、ええ、こういう話もたまにはいいものですね。なんて思ったりしたのでした。

したのでした。

油断しましたよね。最後に追加で思い出した花梨ですよ。ああー、やっぱり残念ママさんなのかい!? いえね、ママさん、俊郎と一緒に暮らすことになって、生活の余裕ができて、それで安心して気を抜けるようになったのかな。みたいなこと思って、だとしたらこの残念さってママさんの俊郎に向けた気安さ、安心のあらわれってことじゃないですか! とかいってまとめるつもりだったんだ! だったんですよ。

いやもう、ほんと、しっかり落ちをつけてくれました。ほんとみごとにしてやられましたよね。

『ネコがOLに見えて困ります』

動物が人間に見えてしまうミコト。これってもしかしたらお爺ちゃんからの隔世遺伝!? 母方の祖父の家にいったミコトたち。一緒に連れていったネコのOLさん。久しぶりにあった父、母ともに普通のネコに見えている。なのにじいちゃんだけは会社員みたいな格好とかね、気になるこというんですよ。

その真実やいかに! 気にしながらも聞くに聞けないミコトの気恥ずかしさ。ちょこちょこじいちゃんに鎌をかけてみたりして、そうしたらまたよけいにわからなくなってというこのやり取りの絶妙さ加減! いや、じいちゃんは動物が人に見える人なんだと思うんだよ! というのは私の予想なんですが、実際それがどうなのかはわからずじまい。あの気になってしかたないミコトのもどかしさ。これがなんだか可愛く感じられてよかったです。

『僕は女心なんて知りたくない』

独身女性限定で心の声が聞こえてしまう春喜。今回はバイト先の喫茶店での七夕イベントが描かれて、笹に願い事を書いた短冊を飾るんですけどね、夢もなにもあったもんじゃないっていうんですよ。常連さんたちの発想がこれっていうの、さらには同居してる望美たちに書いてもらってもやっぱり夢も希望もないっていうの。望美なのに希望がないとはこれいかに!? これ、この店の客層というか、店主の個性反映させて似たもの同士が集まってるんですよ、きっと。

春喜の学校の友達を呼ぼうってことになって、ここでの攻防がまた! 世界平和を願うその真意。世界って君の世界か! 自身の平穏を願うばかりに恋敵を追い落とそうと必死さ見せる女子ふたり。いやはや剣呑であります。

しかし今回、望美がね奈加ちゃんと春喜の関係を疑ったりしてね、いや、あなた、春喜×佐藤やないんですか! いやもう柔軟な嗜好ですね。と、それはいいんですが、まさか望美、春喜の秘密に気づきましたか? もし踏み込んできたりしたらそれはそれで面白くなりそうですね。

『となりのフィギュア原型師』

季節は夏、ということで怪談話をやってるんですが、レジンA液にA液を混ぜてしまう話とか、それがどれくらい怖いことなのかピンとこない私はせっちゃん同様一般人なのでしょう。しかし怪談といっておきながら霊とかそっち側には向かわない話。がっかり怖い話なのかな? いや、全般にそんな感じではあったんですけど、むしろそれでもちゃんと怖がってくれる代表、その可愛さが際だった、そんなエピソードでした。

羽喰の霊感とやらがうさんくさくて最高でしたよ。最近の霊はアクションフィギュアに憑くとか。強そうなのが人気とか、そのくだり、つっこみが気持ちよさ感じさせるテンポ感あって実によかったです。

しかし代表の発想ですよ。怖いの紛らわしたい一心で、すべてのことを忍者のしわざにする。いや、それはそれで怖いっていわれてますけど、室内に忍者がこっそり潜んで人形動かしてたり風呂場覗いてたりって、それはそれで割と最悪じゃないですか!

でもって最後、ひとり工房に残った代表を思いやる半藤とせっちゃんですよ。せっちゃんともなってるの、これも代表への気づかいですよね。ええ、代表愛されてますね。

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