『まんがホーム』2020年7月号、発売されました。表紙は『らいか『デイス』、らいかがお家でストレッチ? なにかに挑戦っていうのが表紙のテーマみたいですね。落ち着いた色調、髪をタオルでまとめてストレッチするらいかが、いつになく大人びて見えて、ええ、この子もいつの間にかすっかりお姉さんになったってわけですよ。他に、工作にいそしむ『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻があって、花輪? リース? づくりに苦戦している『恋はリベンジのあとで』泉、そしてボンちゃんと一緒にキャットフードカタログを見る『キャバ嬢とヒモ猫』詩織のカットがございます。
今月は新規ゲストが2本です。
『ラブアマ』
恋愛アマチュア、それでラブアマだそうです。小さな会社で働く柴田夏帆。仕事にやり甲斐なし? 私生活にも潤いなし? それでたまたま届いた恋愛講座の案内に興味を示したというのですね。
講座に参加してみれば、そこにはなんと社長もいて、若い社長。実家に帰るたびに結婚のプレッシャーに襲われる。その重圧から逃れるべく恋愛講座に参加してみたというのです。
この社長、どこか感情に乏しく感じられるところがあって、あと、普通そのあたりは口にしない方が? みたいなこともぽんぽんしゃべっちゃう。よくいえば裏表がない? 下心もなんかなさそう? そんな社長と一緒に恋愛講座を、しかも受講料をケチって、社長と夏帆とペアになって、講座半分ずつ受けよう。そんなことになったというのですね。
講座で学び、さらに男女ペア、実地で学ぶこともあるだろう。しかし社長は夏帆にはまるで恋愛的なもの感じないらしく。これ、好都合? ともあれ、なんかデコボコな恋愛初心者ペアでの恋愛レッスン。はたしてこれうまくいくのか。不安心配の方が先にたつ、そんなはじまりでありますね。
『天下分け目の小早川くん』
お、歴史ものかな? と思ったら、あれ? 歴史をベースに小学校でのパワーバランスものをやるのですか。主人公、小早川ひであき、6歳が入学した小学校は、保育園派閥にもとづく2勢力が拮抗する油断ならない場。東山保育園組トップは徳川いえやすくん。西の森保育園組トップは石田みつなりくん。うーん、これ、東山閥が優勢じゃない? というのは歴史の東軍西軍の行方を知るからこその反応ですけれど、これ、子供たちの性格もろもろに武将のそれを反映してるだけで、歴史のまま石田みつなりが敗北すると決まっちゃあいないもんな。どうなるかは、まだわからんわからん。
東山と西の森、それぞれの勢力を伸ばすべく、どちらにも属さない小早川の争奪がはじまる? 最初は、とりあえずの頭数で引き入れようくらいの感じだったのが、クラス委員を決めていったその先、最後の最後、クラス代表、学級長の投票で拮抗。勝敗のゆくえは小早川ひであきの投票に委ねられて……。
ほんと、これ、小早川くん、気の毒ですよ。どちらについても角が立つ。ああ、これが派閥というものか。しかし小早川争奪。どんな争いになるというんでしょう。ここはあまり小早川くんがふりまわされない方向で……、と思うけど、まあそれは無理な相談ですよね。
『孔明のヨメ。』
劉備と曹仁の激突! と思いきや、直接的な戦闘はほぼ起きず、劉備陣営の損耗はほぼ皆無。搦め手にやられた曹仁の軍は火攻めにあったり水攻め受けたりで大変なことに。この戦いの過程に実感持てずにいる張飛と関羽の戸惑いと、あれよあれよと孔明の策が当たっていったことに驚きを隠せずにいる趙雲。この戦いで、これまで経験のしたことのない勝ち方。戦略で勝つということを強く意識することになるっていうのですね。
その時々の会戦も、ただその戦だけの勝ち負けにとらわれるのではなく、続く戦、先の展望にまで意識をめぐらせていく。そうした長期的に物事を考えていくということ、それに劉備も感心し、さらにはこれまで欲して得られなかったものをついに手にした、そんな気持ちになっているとさえいうのですね。
そんな劉備の気配りも光った今回。敵方に犠牲を出したことを苦に病む孔明に、それは主君の役目だ、孔明のせいじゃない、そういってくれる劉備もあらば、ともにつらいことを背負おうといってくれる妻、月英。こうした人の情のあたたかみ。戦のなんのとつらいこと、悲しいことの多い時代に、そうした人のつながり、一緒に荷を負うてくれる人の存在が孔明を支えてくれるのだとしたら、これはひとつのしあわせの情景であるなと、そんなこと思わせてくれるエピソードでありました。
『天国のススメ!』
太一が見つけた目玉のついてる四ツ葉。ヤバいもの見つけたと思いながらも触れてしまった太一が、心の奥底覗かれてさっそくヒミツを暴かれてしまうという、とんでもないスタートですよ。ほんと、これ、なんなんだ。こんなの、そこらへんにゴロゴロしとるとか、危なっかしくてしゃあないぞ。
この、人の心を読む怪奇植物。普通の感性だと怖い、ヤバいとなるはずが、草間に十子ときたら、えらいこと喜んでしまってる! しかも躊躇なく触れてしまって、ああ、やべえ、心を読まれてしまったぞ! ヒミツを楯にいろいろいうこと聞かされてしまうぞ! と思ったら、草間も十子もヒミツなんてまるでなく、むしろ自分からどんどんバラしていくってんだからたまらない。というか、これ、以前からオープンだったよね。ほんと、四ツ葉の妖怪が気の毒になるレベルでした。
罰を受けて四ツ葉にされてしまったというこの妖怪。でも、太一の言い聞かせる言葉に触れて、そして自分の置かれた境涯を振り返って、そしてついには許されてという、そのラストにはほっとさせられました。というか、風の精霊だったんですね。精霊かどうかはわからんけど。ともあれこうして許されて、その気持ちも新たに素直に真っ直ぐとして、その変化、その変わりようは伸び伸びと気持ちよさ感じさせてくれるものでした。
- 『まんがホーム』第34巻第7号(2020年7月号)
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