『まんがタイムきらら』2020年7月号、昨日の続きです。
『海色マーチ』
久高島に到着した4人。自転車を借りて、目的地、かつて珊瑚が流木を拾ったビーチへと向かうんですが、その途中に交わされる会話がおかしくて、ほんと、あまねは素直さが足りないな! あと考えも足りない。かまってほしくてしかたないんだよなあ、この子。でも、そのかまってのサインが憎まれ口だったりするから、珊瑚からちょっとうとまれたりなんかして、でも珊瑚もそのへんうまくあしらってくれるようになって、ええ、ふたりいい関係を築けてきてるよなあって思えるんですよね。
しかし今回、沖縄の強烈さを思い知らされましたよ。オオジョロウグモ! うわあ、なにそのサイズ! 鳥まで捕食!? あまりのヤバさに姫が絶句。おおう、これは絶対画像検索しないぞ。珊瑚に全力でハタかれたあまねが当惑してたら、本作の良心、姫にナイスだなんていわれて、さらに困惑。面白かったなあ。
珊瑚の、流木とのお別れ。帰りの船でね、ありがとうっていわれて嬉しそうなあまね。ほらほら甘えちゃってるよ。かまってもらえて嬉しいんだねー! ほんと、この関係、チャーミングだと思うんですよ。
そして最後に、やっぱり一緒にシュノーケリングしている珊瑚とあまねが描かれて、うん、こうやってなんだかんだずっと一緒にいたりするのかな。それが嬉しい。その関係がいとおしい。ええ、ふたりはいい仲間だって思うんですね。
『さかさまロリポップ』
黙って詩月と会ってることが姉、柚希にバレた! その時、柚希が見せた一瞬の間に気を悪くさせたんじゃないか、心配になる芽依ですよ。柚希を怒らせちゃったらどうしよう、仲違いしたらどうしよう。不安がさらに不安を煽る、みたいになってますけど、詩月は気楽なもんですよ!
詩月の取り合いかな?
でも、これ、柚希のこと、詩月はよくわかってたってことですよね。お姉ちゃんはなにも考えてないと思う。気にしてないよって。実際そのとおりだったわけだけど、柚希の本心を知るまで、ずっと不安だった芽依の心情、その描かれ方。もう、ほんと、勇気を振り絞るみたいにして柚希の制服の背を掴んで引き止めてっていう、そのくだりは見事にこの子の内心の動揺描いて見せてくれて、ああ、絶品でしたね。大ゴマの強さ。芽依の思い切り、一瞬張り詰めるシリアス、それがぴしっと画面に満ちて、それだけに、緊張が緩んだ時の安心感。柚希の安心させてくれる笑顔もまた効果的で、抜群だったと思うのでした。
しかし、柚希。この子にとって詩月とは、この世にあまねく共有されるべき価値であるというのか。一種、姉バカなのでしょうけど、この揺らぎなさ。これが姉力なのでしょうなあ!
『下を向いて歩こう』
ビーチコーミングには夢がある! 宝石、鉱石、化石、なんでも興味があるというさざれだけど、いうにことかいて胆石までも!? と思ったら、しょーこもすさみんも胆石に興味あり! なにごと!?
そうでした。クジラの胆石が香料になるんでした。竜涎香。でも、こんなもん、そうそう拾えるものじゃないよね!? と思ったら、劇中でも同じこといってて、それがもう面白い。すさみんのバカなの? 三体。だって1グラム2千円。そんな激レアもの、そうそう拾えるもんじゃない。お金が目的でのビーチコーミングをおすすめしない、そういうしょーこがあげた理由がリアリストそのもので、これもまたしびれました。効率が悪い! バイトの方が確実っていうの。だよなあ、そりゃあそうだよなあ!
今回、導入で話されていた梅干し石。さざれがいつか採取したいといってたそれを、ラストで当たり前みたいにシエルが拾ってる!? と思ったんだけど、これ、もしかして普通の梅干しの種? うん、梅干し石、ウニの化石だってそうそうは落ちてなさそうですよね。でもこのシエルならもしや!? と一瞬でも思わせるミラクルですよ。ええ、シエルならいつかミラクルきめてくれそうです。たとえ竜涎香だって!
My Private D☆V
『ななどなどなど』の宇崎うそです。
「女の手首に性的興奮をおぼえます。」、ってなんじゃそりゃー! イラストの女の子も「ナンジャソリャーッ」って思ってるのがおかしくて、いや、しかし、わきじゃあないんですか!? わきの出てない服を着ると袖をむしっちゃうとか、そういう女の子が好きなんじゃあないんですか! まさかの手首。思いもしない部位の登場に一瞬どういうことなのかと当惑しちゃいましたよ。
でも、イラストの女の子が可愛くて、ちょっと赤面しながら右の手首を差し出してくれている。なるほど、手首というの、内側なんですね。走行する血管が透けて見えたり、そっと皮膚を持ち上げる腱や軽く盛り上がる筋肉など、そこに魅力を感じたりするのでしょうか。わからないんだけど! でも、こういうぶっとんでるくらいが面白かったりしますよね。へー、手首なのかあ! イラストも、わかりやすい萌えや色気はないけれど、すごくチャーミングで、なるほどこれが絵に感情がのるということなのですかい!? いい誌面であったと思います。
しかし、この子、重ね重ねいいますが可愛らしい。髪をいじる手。眼鏡の向こうで逸らした視線。そうした細部にうかがえるこの子の人となりや感情。ぐっと引きつける、そんな引力のあるイラストでありますよ。
- 『まんがタイムきらら』第18巻第7号(2020年7月号)
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