2020年6月26日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年8月号、昨日の続きです。

夢喰いメリー

いよいよ最終決戦の火蓋が開いた、そう思っていいんですよね? 幻界の「本能」が到来する前に、夢路を鍛え、「本能」に対抗できるだけの強さを身につけさせようとしてきた白儀。逆らうことのできない「本能」に抗うための手段が、自身を偽ること。「本能」の目的を果たすように見せながら、実は「本能」を倒すための牙を研いでいた。それが判明しても、なお夢路との和解は果たせない? これまで白儀がしてきたこと、その結果生じた被害。それは帳消しにできるのか。

白儀を許せないといった夢路だけれど、そこであえてその気持ちを「本能」にぶつけてやる、そういう夢路はほんといつも真っ直ぐだ。そしてここであえて白儀にその本心からの言葉を語らせようとする。ああ、夢路のこうしたところ。これまでずっと見てきたものであり、だからこそ信じられるところだと思う。いよいよはじまる「幻界」の本能との決戦。なおも夢路を圧倒し続ける「幻界」ではあるけれど、ここに白儀の仕組んだ策が効いてくる。

白儀が喰ったメリー。これが「幻界」攻略の鍵となる。差し向けられた刺客。現界とは違う舞台ではじまるメリーの戦い。これが夢路のそれと呼応しようというところ。ほんと、これ、集大成だと思います。

『ねことちよ』

潮干狩りにきたねことちよ。ねこにとってははじめての海なんですね。ここでねこの着せ替えですよ。可愛い格好っていわれて期待してるねこがまた可愛らしいですよね。そして麦わら帽子、首にタオル。長靴装備の潮干狩り仕様ねこが完成して、いや、これ、可愛いですね。めちゃくちゃ写真撮りまくってるちよがまたおかしくてナイスでした。

砂を熊手ならぬ猫手で掘ってアサリをとっていくねこ。アサリの観察もしたりしてね、こうした様子はほのぼので、この子の興味がうかがえるようで、ただただ静かに淡々と描かれてるだけなのにね、魅力的と感じるのですね。

そしてバケツいっぱいのアサリ。これね、もしかしたらねこが、かわいそうだっていって食べられなかったりする!? と思ったら、普通に食べちゃうよ! しかもおいしいのか! こういうところ、実にねこらしいと思いました。昔の自分だったらどうだったかなあ。貝なら気にせず食べちゃったかなあ。

そして続いて掌編がひとつ。ねこの髪。かわいいっていわれて、それでちよの髪もきれいだっていう、そのちょっとしたやりとりが愛らしい。なんでしょうね、不思議な魅力ありますよね。

『桃ノ木家の四姉妹』

本屋の姉さん、さっそくきちゃってるんですね! しかも、人の家なのに自分の家みたくくつろいでるし! ちょっと警戒してるミツがいいですよね。そして帰ってきたニノと友達の紗月。皆で絵の勝負することになるんですけど、ニノが論外! そして紗月の絵! 劇画タッチとかいわれてますけど、苦み走った渋い猫ができあがって、いいよ、これとてもいいよ。可愛いだけじゃない、そんな猫の魅力がしっかり出てる。と思ったらミツの絵がシンプル、素朴で、けど可愛さのポイントばっちり抑えて、これまたいい絵だな。

本屋の姉さん、留美の描いた猫、これがまたうまい見せ方ですよ。俯瞰視点、構図の見せ方の工夫あり、そして背景、レンガで舗装された道でしょうか、これだけで一気に世界が広がるんだ! 絵の見せ方のうまさもそうですけど、これで留美という人の能力もばっちり知らしめる。ええ、見せ方のうまさだと思います。

最初、留美本人が漫画家だと思ってたんですね。皆を連れていった自室兼作業場。プロの現場! と思ったら、なるほど同人作家なんですね。同人誌即売会用に漫画を描くんだけど手が足りないからとミツに紗月を戦力として招き入れるんですね。

作業中のミツの様子がよかったんですよ。一心に作業に没頭して、その集中力たるや! ああこの子にとっての新しい扉が開いた感がありますね。ミツにとっての打ち込めるものが見つかった。そんな今回のエピソード。留美からのお礼に感じいるものあったようで、そしてついにはイベントデビュー? とんとん拍子でミツの可能性が動いていきますね。

『あいらいく俳句』

めちゃくちゃ面白いんだけど、ほんと一癖も二癖もあるこの漫画。いったいなにを見せられてるの!? そんな描写の連続に、だんだん感覚がおかしくなってくる? おかしくてたまらなくなるんですよね。

今回は凛花の父登場ですよ。仕事の打ち合わせ中っていうんですが、娘にいきなりコノヤロー。さらに見た目がやたらいかつくて、殺し屋!? なんて物騒なこと思われてるんだけど、実はファンシー系のキャラクターをデザインしてるっていうんだからギャップ萌えにもほどがある。さらに打ち合わせの相手が、クソが口癖の九曽先生。あいかわらずクソだクソだと口が悪いんだけど、凛花のアイデアをクソ呼ばわりしたら凛花パパからビンタを食らうんだ!

このものすごい絵面。強烈でした。このビンタのせいで、凛花にだけは気を使うようになるっていうのもおかしくて、しかしいったいなにを見せられてるというのか。でもこのインパクト。この発想のぶっとびようがおかしくて、一種狂気を感じさせるほどでした。

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