『まんがタウン』2020年7月号、発売されました。表紙は『部長と2LDK』。部長と菜々と、ふたり一緒に買い物帰りにアイスを食べてるその様子がね、いやもう可愛くって素晴しいってんですよ。ちょっと子供っぽい菜々の笑顔。なんかね、ツンとすましてる部長、ふたりともにいい表情してて、菜々がね部長のこと見てるでしょう? なんかな、その視線の向かい方もなんか気持ちをくすぐってくれるんですよ。スペシャルゲスト『勇者様!?こ…これってそういう意味ですか?!♥』、新連載の『SUPER SHIRO』の告知カットもございます。
今月は新連載が1本、新規ゲストが1本です。
『勇者様!?こ…これってそういう意味ですか?!♥』
ドラクエタイプのRPG世界での恋愛もの? RPGでよくあるシチュエーションでも、それを恋愛がらみで捉えるとこんなにも意味深に!? みたいな漫画です。
主人公は女僧侶。恋愛ものの漫画が好きで、修道院を出、冒険者としての道を選んだのは、恋愛に憧れてではない、そう釘を刺しながらも、どうしても恋愛方面に物事を捉えがち。ヒーラーとしての能力で勇者のパーティーに加わったのだけど、それを私に一目惚れ!? みたいに考えちゃうの。それから防具の購入で、よくRPGだとやるじゃないですか、一人の装備をステップアップして、それをお下がりさせていくやつ。それを具体的にやるとこんなにもナンセンスなやり取りになるというのか! みたいな展開。ちょっとお色気方面にも頑張ってみせて、恋愛方面はというと進むのか進まないのか、いろいろ思わせぶりな勇者の言動も悪いんですけどさ! 僧侶のソーニャの一人相撲のままでいくのかいかないのか、そのあたりも気になるところ。面白さの振り幅、大きくなりそうなのがいい感じです。
『新婚のいろはさん』
いろはさん、負傷! 指先を切ってしまったというのですけど、それで始がパニックになっちゃってね、いやあ、心配性! といいたいけれど、それだけいろはのことが大切なんだろうなあ。ちょっと騒ぎすぎにも思うけど、これくらいがちょうどいいのかも知れません。
その始ですが、なにが素晴しいって、夕飯は僕が作ります! ですよ。指に傷があると家事がやりにくい。それで始ができることはやっちゃうって、その心意気が嬉しいじゃありませんか。さらに加えて、指が痛いいろはでも食べやすいメニューを考えてくれて、しかもそれ、結構おいしそうなのな! またデリバリーを頼む際も、ちょっとでも面白くなるようにって工夫をしてくれる。この人、ほんとにいいパートナーだと思う。ピンチでも、それを楽しみに変えてくれる。そんな強さがありますよね。
実際、今回のいろはの家事休業。それをちょっとしたイベントにしてしまってるの、すごく楽しい、眩しいエピソードでありましたよ。マイナスのできごとがあっても、問題のすりかえでプラス面を押し出していこうという姿勢。これはおおいに学ぶべきものだと思いましたよ。
『平日休みの堀出さん』
この、なにをやるにも全力。事前準備もおこたりなくみたいなふたりなのに、まさかの現金不足! そんなに高くない動物園の入園料も払えないときた。ここで夫が打ち出す起死回生の策。まさかの博打か! 競馬場にいって入園料を稼ぐぜ! って、いやいや、それ素寒貧になるフラグ立ってない!?
立ってました。
競馬場で、慣れない競馬にぐるぐる頭をめぐらすも、結局は迷走してしまうというの、このふたりらしいんだけど、笑いにおける苦笑の割合が多くなっちゃってましたよ。しかも、金を稼ぐ! という気持ちでやってた時は見事に外し続けたのに、もう軍資金がないとなったら冷静な目が戻ってきた? なんか勝馬に注目しちゃってたりして、いやあ、このものを見る余裕があったら結果違ってたよね! ほんと、おかしかったし、物事というのは結局こういうものなのかもなあみたいにも思わされて、いやもう深い。
そしてしまいには競馬場にきてる人の観察にまでなっちゃってという、このちょっとやっぱりシニカルな視線。そしてなんだか素寒貧同士で仲良くなっちゃうってラスト。おお、ここでまさか友達23人の伏線が生きてくるとか! 見事にやられました。さすがの展開でしたよ。
『私たち同じ人を好きになりました』
めちゃくちゃ面白いですよ。あっちゃんとみっちゃんの会合。絶望に暮れるみっちゃん、いったいなにがあったというのか! ああー、チケット取れなかったんですね……。そうだった、前回あっちゃんはチケット取れたっていってました。
最速の抽選では落ちたけど、まだまだチャンスはあるだろう。そう思ってるみっちゃんは、前向きなのかあるいはチケット取りを甘く見ているのか。ああ、後者っぽいなあ。プレアミアム先行の申し込みはもう終わってるってあっちゃんから指摘されてはじめて気がつく。で、ここからの入手チャンス、あっちゃんは次々と列挙できるの、ああ、やっぱり熱心な人はこれくらい把握しておくんだなあ。みっちゃんよろしく、自分も感心しましたよ。
今回、いろいろとチャンスを逃していくみっちゃんのこと見てられなくて、一般販売、自分も手伝おうかと提案するあっちゃん。これを断わるみっちゃんだけど、そうか、これはみっちゃんなりの人生経験あってのものなのかも知れないなあ。甘えてもいいのかも知れないけれど、その甘えのために友情が壊れる可能性だってなくはない。その負の可能性を、職場の先輩、広瀬さんから教えられて、ええ、友情って難しい。貸し借りでこじれたりするじゃないですか。チケットでも同じなんでしょう。そうか、みっちゃんはそれだけあっちゃんとの友情、大切にしているんだなあ。
と、その丁寧なつきあい方をさ、篠田にも発揮してあげてください! いや、ほんと、秘書課の大混乱の理由、小峰ケンさんのチケット取りってバレたらあっちゃん唖然としますよ! でもこのわがままのおかげでどうにかチケット取れましたね。ふたりが一緒に観劇するの、これ、どんなことになるのか楽しみです。
- 『まんがタウン』第21巻第7号(2020年7月号)
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