2020年6月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年8月号、発売されました。表紙は『がっこうぐらし!〜おたより〜』。今月からの新連載、その告知の惹句も添えられて、ええ、『がっこうぐらし!』の後日談。高校生だったかつての美紀と、大人になった今の美紀。ふたりの美紀のすれちがうように行き交うその様子。幼さ残るかつての美紀は、大人の自分をちょっと意識してるみたいな印象があって、対して大人の美紀はただただ未来へと思いをはせている、そんな雰囲気があるんですね。美紀の手には悠里からの手紙があって、そこに綴られていたこととは? ええ、本編に語られていること、それがこの手紙であるのでしょうね。

今月は新連載が1本、新作ゲストが2本です。

『ハカセのわんこ!』

愛犬わん子を人の姿にしたハカセ。マッド系サイエンティストなのかな? 見た目ちんまりの萌え袖白衣女子のハカセと、人になった副作用か万年発情期のわん子。油断するとペロペロされてしまうというんですが、この副作用、人には発情期がない、すなわち常に発情期であるってやつなのかな? と思ったら、どうもそうではないみたい。エッチなスキンシップを戒めつつも、寂しがりやで、そばにいてほしいと願うハカセ。この人の、自分のこと好きでいてほしい一心でわん子の人化薬に加えた惚れ薬、それが今の状況を作ったっぽいですね。

なんだかんだで仲のいいハカセとわん子。そこに加わる、パートタイム人化にゃん子。わん子よりちょっと大人? にゃん子のちょっと挑発的で、わん子を手玉にとったりする感覚。いい感じに状況を掻き回してくれる、そんな存在になっていました。

『がっこうぐらし!〜おたより〜』

『がっこうぐらし!』が帰ってきたんだ。あの地獄のような日々を生き抜いて、人の社会を取り戻すにいたった学園生活部の面々。最終回で描かれたその後の情景、それをより掘り下げていくというのでしょうか。

タイトルにおたよりとあるように、手紙が紡ぐ、そんな物語なのでしょうか。初回は悠里から美紀にあてた手紙の体裁で、今の社会の状況にはじまり、そして悠里自身の恋愛模様? その萌芽? に触れられて、ということは次回は美紀からの近況報告となるのでしょうか。

ただただ復興の様子を語っていく連載になるのか、あるいは話が進めばただ近況報告とはすまない、そんなのっぴきならない状況などにも踏み込んでいくことになるのか。それはまだわかりません。おたよりというサブタイトルこそは穏かさ感じさせますが、なんせ前作初回にえらいこと引っくり返されてますからね。剣呑剣呑、なにがどうなることですやら、ちょっと警戒しつつ読み進めたく思いますよ。

『おちこぼれフルーツタルト』

スペシャルゲスト。いつもは四コマだけど今回はコマ割り漫画で展開されていきますよ。大ゴマ、柔軟な見せ方、いつもよりもD☆V度も高めに進行していきます、っていうんですが、ただただイノの変態性が炸裂していただけのようにも思える……。というか、温泉回を欲するあまり、農業イベント発生させてまで入浴イベントに繋ごうとしたイノだけど、そのもくろみは見事に粉砕されて……。というか、ワイルドすぎるよ。せめて内風呂じゃないのか。まさかのホースからの放水。その上、キモいとまでいわれる主人公。油断ならないな。容赦がなさすぎます。

じきに始まるアニメに向けて、広く認知度を高めていこうといった感のあるゲスト回。ネズミ荘に住むアイドルたちの個性? 人となり? 基本的なバックグラウンド? さらっと、けれどひととおり触れてくれて、この漫画の基本的なところを知るのにはいいエピソードだったと思います。普段の四コマとはまた違ったダイナミックな見せ方、それもよかったのではないでしょうか。ええ、まずは広く知られて、アニメに、本編にと繋がっていくといいですね。

『観音寺睡蓮の苦悩』

観音寺睡蓮の苦悩というより観音寺睡蓮の奇行といった方がよさそうな展開が増えてきましたよ。今回はショッピングモールにいきます、というんですが、睡蓮はあくまでも観察者として一歩引いた位置にいようとして、いや、失敗するんですけどね? 椿と紫陽花ふたりだけをモールに向かわせて、自分は監視カメラでもってふたりの様子を観察だ! って、無茶すぎる。というか、それは監視カメラの目的外利用じゃないのか!? いいのんかそれ!?

結局3人でいくことになるんですけどね。そこでの椿、紫陽花の駆け引きがいい感じ。さらにはモールにこっそりついてきている牡丹。この人も、この人も不審者カテゴリーだ! というか、誘ってあげなよ! かわいそうだろ?

前回から牡丹が加わって、睡蓮に牡丹という対立軸が設定されたわけですが、今回発生のトラブルとその解決で、まさか椿が牡丹のアイデンティティ揺らがせるとかね、関係の軸が動くことで生じるまた違う面白さの可能性というの垣間見えたように思いました。

そうそう、ラストの睡蓮の発言、編集ソフトで私を消しましょうって、それを消すなんてとんでもない! ってやつじゃないですか。ほんと、この人、どれだけ自分の存在を壁に設定したいのか。その徹底ぶりがおかしい。あとそれとSNSアカウント。発言がやばいよ、といいたいけれど、わりと見る感じのアレですよね。ええ、うん、わりと見る感じのアレだと思いました。自信持っていこう、睡蓮さん!

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