2020年3月30日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年5月号、一昨日の続きです。

『mono』

えらい展開して見せますね。坂の途中にあるというオカルトスポット。七曲りの一本松。検索してみれば、確かに心霊スポットとして紹介しているサイトがいくつも出てくる。でもって、この解説ですよ。突如現れたクロクマ先生。あまりに当たり前に出てきたから、それにその前のページ、坂登っていく時に見かけた人影? あ、なんかいわくつき? と思わせて、あークロクマ先生がいたんだねー。とか思って、なんかモードを警戒から普通に戻して素直に解説楽しんでいたらですよ、このクロクマ先生が本物じゃなかった!? 本当の先生は御自宅? こういう、最後の最後でぐるんと転換させるの、うまいですよね。すっかりやられてしまいました。

でもって戸隠に到着。ここをキャンプ地にする、はいいんだけど、あえてここで食べるソバ。なるほど、戸隠の名物はソバだもんな、と思ったら、なんか残念微妙ソバを出してきたぞ。どこでも売ってる安いソバ。チューブのわさびに醤油みたいなめんつゆで、微妙感をこれでもかと盛っていく。こういう人食った展開も、実にこの漫画の持ち味ってやつだと思う。

でも、これ、すなわち次回は戸隠のソバを食べるってことですね? ええ、その期待を盛り上げる、そんな見事なプロローグになっていたと思うんですね。というか、そこそこ蕎麦、それはそれで好きなんですよ。食べたくなっちゃいましたね。

『RPG不動産』

ドラゴン事件、決着しました。ドラゴンの目的も判明。決して人里を目指していたわけではなく、ましてや人を傷つけようと思いもしていなかった。今は捕われておとなしくしているドラゴン。ファーの通訳でその目的も判明。ちゃんと目的地の火山へと送り届けられることになったのですね。

と、まずはここまでは一件落着。でも収まらないのは琴音の一件。我を失い暴れるドラゴン化したファーに叩き落されてしまい、その命を落としてしまった琴音。ああ、棺に眠るその姿。これ、もうなんとしても生き返らないものなのかい? 悲しむルフリア、ラキラ、ファーの姿も、その言葉も切々と胸に迫るものあって、でもこのままで収まるはずがない。そう信じて読み進めていったらですよ、ああー、ネクロマンサーの人、いましたねえ!

このドラゴン編、クライマックスはRPG不動産にて琴音が出会ってきた人たちとの繋り、縁の力が見事に発揮されるこれまでの集大成といった感ありました。ええ、ここにきてかつての縁が再び生きて、ああ、琴音復活だ。思いもしない方向からの助けがありましたね。この、展開を唐突にさせない前提のあったこと、これがよかったなあ。ええ、この顛末は琴音たちがずっと頑張ってきた、その帰結なんだって思ったんですね。

そしてこれからですよ。ファーを危険視して孤島への転勤が命じられた。しかもこれ、RPG不動産全員!? いやもう驚かされた。新しい環境へとがらりと変わっていく、新章突入といった赴き。さらにここに、ファーのドラゴン化に際し暗躍したローブの人物! ええ、ちょっと剣呑ですよ。でも、この人、ファーの同族っぽいですね。ファーの出自に迫ることになっていきそうですね。

まちカドまぞく

シャミ子たちの暮らす世界の秘密、それが少しずつ暴かれていっている感ありますよ。ただそれは単純な種明かしといった風ではなく、むしろなんでもないと思っていたものが、実は世界の謎の断片だったんだよと、その有り様を変えて立ち現れてきた、そんな感じ。ええ、小倉の姿をした悪魔、グシオンとしおんの関係。グシオンが桃には見せたくないといっていた、廃墟と化した世界の風景。グシオンがシャミ子の中にいる桜に語りかけた時の、暗黒役所を守れなかったというフレーズ。逃がせた1ページ、引き継げなかった記憶、これはどこのこと? 誰のことを話しているの?

もしかしたら、この世界のばんだ荘の窓外に広がる景色、これこそが本当の世界の姿なんじゃないか。桃が守れなかった世界。今、桃はその事実を忘れてしまっているけれど、見ればきっと思い出してしまうのではないか。グシオンの知っていること、推測したこと、それはどんな未来だったのだろう。

今回は気になることがいっぱいで、たくさんの気になることが一気に提示されて、でもそのどれもが明確さを欠いていてという、実に宙ぶらりんな感じ。なんらかの状況の整理がなされるかと思ったら、結界の爆発が近いとしおんから告げられて、世界の理解については宙ぶらりんのまま次へ次へと進んでいかざるを得なくなってしまう。ああ、この決して簡単に満足させてくれない感じ。焦らしてくれますね。こうした謎、疑問、違和感、全部、どっか心の中にひっかかったまま、いつかの解決を待つことになりそうで、はらはら? わくわく? させられます。

『精霊さまの難儀な日常』

冬を前に、寒さに耐えかねる灯里は毛布にくるまれる人になっていますよ。対しサラは火の精霊だけあって暖かく、たくさんのねこがサラにたかる! ああ、灯里もサラにべたべたしたらいいのよ? しないの?

ノムとシィル、精霊会議の開催を提言ですよ。前回いったハイキング、そこで不思議な大気? なにかの予兆を感じたというのですね。サラはまるで意識してなかったみたいだけど、シィルもノムも気にしていて、そして会議に不在のルカ。もしや、ルカはルカでなんらかの異変を感じて、皆に先んじて動いているというのかい?

違いました。まさか水を打ち出す技、その特訓をしているとは。この人、基本努力の人ですよね。誰にもバレずに積み重ねられる努力、とか思っていたのに、すみのにすっかりバレてしまっていたというの、ちょっとバツが悪そうなルカがいいですね。でもってすみの、めっちゃルカを煽るの! 10発中7発しかとかね、でもってこういわれたらルカはもう後には引けない。カッカとやる気を出して、さらに特訓に打ち込んで、でも、あまりのキツさに音をあげてるじゃん! それを許さないすみの。限界迎えかけてるルカ。ほんとおかしかったです。

でも、なぜこんなにも努力するのか、語られたルカの思い出を知れば、ああ、燃え盛る森を自分の力では救うことができなかった。その気持ちがあったからなんですね。あるいは、鎮火させた火の精霊の力を見て、そこに憧れを感じたか。ともあれ、努力を惜しまないルカと、時に弱気になるこの子を奮い立たせるすみの、ふたりの相性、それが光るエピソードだったと思います。

でもせっかくのすみのとルカの名言を、即座に台無しにする灯里ですよ。おお、ともりん、君のそういう即物的なところ、大好きだ。ほんと、ほのぼの可愛い、そんなイメージなのに、全然そんなことないっていうの、最高だと思います。でもってラストに心霊写真! ほんと、予想外のもの見せてくれる漫画です。

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