『まんがタイムきららフォワード』2020年5月号、発売されました。表紙は『球詠』。TVアニメ4月より放送開始! とありますが、4月!? 4月か、もうすぐやん! そうか、もう来週にははじまろうっていうのか。なんでかもっと先の話みたいに思っていました。さて、今月の表紙は芳乃、息吹に中村希ですよ。なんか指導者っぽいポーズとってる芳乃の向こう、息吹の背に隠れるみたいになってる希がなんか可愛らしいですね。希は強打者というイメージあるから、背丈もあるのかと思ったら、こぢんまりイメージの川口姉妹とそんな変わらんのですよね。それがなんだか意外で、面白く思えます。
今月は新作ゲストが4本です。
『きららファンタジア』
コミックスが出るというので、特別に第1話を掲載! とのことですよ。しかし知りませんでした。コミックFUZで『きららファンタジア』、連載されてたんですね。スマートフォン向けにリリースされているゲーム。というと『マギアレコード』もそうか。マギレコが漫画になって連載されてるところからして、きらファンが漫画になっててもなにもおかしくないですね。
私はマギレコもきらファンもやってないんですが、なるほど、きらファンがどういう世界で、どういう状況になってて、そこでプレイヤーはなにをするのか、さらっとでも理解できたように思います。
きらファンといえばガチャで爆死するとイラストが描かれる女の子、あれがこのランプって子だっけ? と思って読み進めていけば、そうだ、そうだ、あのきららがクリエメイトを呼び出した時に一コマ描かれた大きな鍵持った女の子、この子だこの子。そうか、クレアか。この子の印象が強くあって、けど一話時点はまだチラ見せ。敵方の事情なんかも匂わせているだけって感じですね。これ、先を読み進めていけばきっといろいろわかるんだろう。そのストーリーなんかはアプリに準じているのかな? ゲームとして体験するのではなく、とりあえずストーリーを知りたい、楽しみたいという向きには、こうした漫画はうってつけかも知れませんね。
『ガールズモラトリウム』
扉横の惹句にあるミステリアスストーリーなる文言。これ、なにか事件的なことがおこったりするのかな? 読み切りということもあって、緊張感持って読み始めましたらば、なるほど、結構スリリング? 全寮制女学校にて同室となった女の子ふたりの共依存関係。最初は、愛恵ひとりに疑惑ないし危険な雰囲気感じていたのだけど、だんだんに主役、ルカにも不穏さ感じさせる描写増えてきてという見せ方。これ、よかったと思います。
この感覚、冒頭の惹句を見ていなかったらちょっと違ったものになったかも知れません。それこそ人死にとか出る系なのかな? くらいまで警戒して読んでた、その気持ちの準備がよかったのだと思います。怪しんでいた同居人。けれど問題抱えてるのは主人公も同様だったというの見せられてからの種明かし。ああ、最初からそういうことであったのか。納得させられるところあったといったらいいんでしょうか。たまたま共依存関係になったわけではないんだよというのがね、やられた感とともに飲み込めて、この落ちがなによりよかったです。
『セルフコミュニケーション』
雨の日、たまたま気まぐれでおとずれた神社で出会った女の子。冒頭、この子が神様に祈っていた会いたい人。それが主人公というのですが、これねなかなかに虚をつかれたといいますか、なんとこうきたのかってちょっと驚かされました。でもね、タイトルにもうその答は書かれていたんですね。『セルフコミュニケーション』。たしかに、そのとおりでありました。
昔の友達に会うのかなとか思ってたんです。でも出会ったのはかつての自分。時を超えて今の時代にやってきた自分と出会って、話して、自分の気持ちを再確認するんですね。友達がいない。寂しさを指摘されてドキッとして、それで友達になろうと持ちかけられて、そして少し心強くなって。
この、最後、願いを叶えてくれた神様にお礼をいうところ、なんかよかったと思います。小さい頃の願い、そして今の自分の願ったこと、そのふたつが同時に叶えられていたんだなって、なにか心情にそっと触れるような感触あったのでした。
『あぐりがーる』
農業高校に通う女の子たちの物語! まず今月は前編、と思って読んだら、すぐさま後編がはじまった! すごい! けど、これちょっと嬉しかった。というのは、これ、なんか面白いかも知れん、もうちょっと読んでみたいなあって思った矢先だったからなんですね。
しかしこの漫画、謎がいっぱい! 農業高校に入学してるってのに、実習着のダサさにダメージ受けている主人公がいる。というか、もしかして、君、農業高校って知らずに入学したりしたのかい? そんな疑問感じさせるこの子の言動に当惑していたらですよ、おおお、お前さん、制服が一番可愛かったからとか、そんな理由で学校決めたのか!? あかん。あかんで。
この漫画、フォーマットとしてはワイド四コマっぽいんですけど、四コマ漫画のテンポ感はありません。でも、気にならなかったです。主人公、日向陽とその友人、葵のやり取りを軸にして展開していくんですが、え? 陽、なんで入学した学校のことそんなに知らんの? とか思ったら、その旨ちゃんと葵がつっこんでくれるからありがたい。そうか、やっぱり、陽が変なんよね? 安心しつつ読んで、そうしたらじわじわ面白みが広がってきて、いいですね、これ、結構好きな感じですよ。ちゃらんぽらんな陽としっかりしてる葵、ふたりのバランスも悪くないと思います。
最初、あまりに状況理解してないっぽい陽とか、あまりに覚悟の足りてない感じっぽい陽とか、大丈夫なのか!? みたいに思って読んでいたりしてたのですが、後編でですよ、畜産の実習中の描写、これがなおさらよかったのですが、髪を牛に食べられちゃったり! 牛用ブラシがまるで拷問器具! とか、いい感じに推移してからの可愛い仔牛たちのくだり。お世話してね、可愛いっていってね、おっと、情が移っちゃった? あの子たちもいつかお肉になっちゃうのかな。陽がしんみりしたこといいだしたかと思ったらですよ、今夜は焼き肉だ! って、どんだけ君、精神的にタフなのか。向いてないんじゃないかなっとか思ってた陽だけど、いや違うな、君、いけるよ。畜産、向いてるよきっと。一気に持っていかれてしまいましたよ。
陽も葵も可愛くて、それでいて実習の描写もしっかりしてたりしていない? 情景、背景、それら含めていいと思った。なにより面白い。これ、ゲストだけで終わったらもったいない。なんせまだ作物? 畜産実習の情景しか描かれていない。もっと広がり見せる可能性ありますよね。ええ、なかなかに期待させられる、そんな漫画だと思いました。
- 『まんがタイムきららフォワード』第14巻第5号(2020年5月号)
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