2020年3月22日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年5月号、昨日の続きです。

『私を球場に連れてって!』

今回は結構野球とはなれた話でしたね。原付の免許をとったタマ。よかったねえ、とここまではいいんだけど、なんかファル子がえらいこといってる。福岡まで原付でいくとか、いやいや、それは無茶やで。自動二輪でも長距離はしんどいのに、ましてや原付、ましてや初心者。無理すぎるよな、この計画。

そう思ってたら、レオナ、いきなり脱落。というか、免許とるまでもいってないのか! でも今回に限ってはレオナが正解だ。続いてタマが脱落。厚木でリタイア。帰ってきました。でも厚木ってどこだ。ええーっ、神奈川!? 埼玉から神奈川って、めちゃくちゃ距離あるじゃん。京都からだったら大阪超えるくらいの距離ない? ほんと、そこまでいったのもすごいけど、帰ってくるのもしんどい距離だよ。福岡までとか正気じゃない。すごい顔してタマが力説してますけど、そりゃそうだよ。っていうか、親もとめたれよ。

でもファル子は継投するんですね。2日目で愛知に到達。って、めちゃくちゃはやくない!? そんなもん? 原付だから高速乗れんよね? ええーっ、そんなもんなの!? ともあれ、いきはよいよいどころか、4日目岡山でもうギブアップ寸前になってるファル子。これ、本当に福岡まで到達できるのか。というか、生きて帰れるのか、それが心配。だって、往路があれば復路があるわけで、ねえ、この地獄の行程、また帰りも辿るんでしょう?

てなわけで、ほぼ野球なしで進行した今回。いや、ほぼじゃないな。皆無だな。なんかこの漫画にしては珍しい展開です。

『いのち短し善せよ乙女』

今回のお題はスケボー。で、ほぼノープランで突っ込んで自殺志願者を思いとどまらせるのだけど、これ、結構大変な話ではあるな。いやね、だってさ、仕事で失敗してもうなにもかも嫌になって、死のうとか思っちゃってっていうお姉さん。この人、乙女にとめられて、それでいうのが、苦労知らずの16歳にはわからんだろうって。ああー、乙女がまさに死に深く接していて、なんとか命を繋ごうと細くて弱い糸を日々たぐっているというの知らずにそれいっちゃう! この、他人の苦労、他人の置かれた状況など知らないで自分ばかりが大変と思ってしまうというの、コメディタッチではあるものの、よく描かれていたなあって思われて、ほんと、これは効きました。

乙女の善行、これ、このお姉さんを死というものに直面させたんですね。ああー、このくだりもよかった。その時になってはじめてわかることがある。漱石の『夢十夜』の船の夢とかちょっと彷彿とさせました。船の話と違って、このお姉さんはちゃんと戻ってこれたの、ええ、よかったなって思った。乙女、間違いなく善行でした。

『ななどなどなど』

小町ちゃん、頑張ってます。頑張りたくない性分なわけですけど、球技大会、バレーボールに放り込まれて、頑張る気なんてほんとだったらない子なのに、それでも頑張ろうと思った。そこにいたるまでのこの子の心情、丁寧に描かれてたと思います。

子供の頃のドッジボールの記憶が、負けが自分のせいになるのは嫌だという気持ちを後押しして、そして必ずサーブがまわってくる6人制バレーボールのルールが、小町に逃げることを許さない! また、負けずぎらいのるるとるるに同調する萌。取り残された小町がななどにすがるところとかもね、ええ、あの小町の秘密の特訓、あそこに繋がる道がじっくり整備されているの。これ、ほんと、見事な構成だったと思うんですよ。

でも、小町の気持ちのゆくえがきっちり描かれてたからすなわちよかったってわけじゃないんです。その肝心の小町の気持ち、それがもう胸に迫って、たまらなかったんですよ。描かれ方、その確かさがあってのことってことはわかります。でもそれだけじゃない。この子のこれまでのこと、友人ができて変わってきたこと、そして素直になれないながらも努力するその姿、それがね理屈とかじゃなくて、ぐいぐいきた。ななどと話している時に見せた表情の変化。あれも素晴しかったです。

ずっとクラスで浮いてた、どこか馬鹿にされてた小町。でもこのできごとが、彼女の置かれた状況を変えるかも知れない。そんな期待もありまして、ええ、球技大会、これが小町にとってのターニングポイントになったらいいなあって思うのですね。

あと、それと、小町ちゃん、お弁当、うどんなんだ! つゆ、水筒で持ち込みなんだ! 素晴しいと思った。カラーも加わり、最高に可憐でした。

『社畜さんと家出少女』

あらら、早速ナルとユキの関係、バレてしまいましたね。

ホドさんの喫茶店で、死んだように眠っているナルを見て、アオもホドも意外に思っている節があるんですね。あんなにキツい仕事につくとは思ってなかった。そしてナルについて、やけにいろいろ知ってるユキのことが気になる。アオはあんま気にしてないし、そもそも興味もないみたいな雰囲気ですけど、ホドさんはなあ。ナルのこと好きすぎだし、長いつきあいの自分も知らないようなこと、しかもナルの今のプライベート情報に接してるユキのこと、そりゃもう嫉妬も加わって気になりまくり。

それでもって尾行。なんだかんだでうやむやになるかな? とか思ったら、おおう、ダイレクトにバレたで。速攻やん。同じ部屋に入っていった。でも、それで未成年淫行とかいうワードが出てくるの、やっぱりヤバいですぜ、ホドさん。それで事情を問い質したら、ああー、家出少女を居候させてるの、話したんですね。

常識と正論でもって迫るホドだけど、ナルの情、その思いの揺るぎなさも知っているんですね。ああ、そうなのか。ナルがキツい会社で働くことになったの、ユキを引き受けるためにだったのか。この漫画がはじまる前のこと、ナルが仕事を決めた時の状況、描かれてましたね。その場に居合わせたのがホド。その時に感じた疑問が、今、答に繋がってしまったんですね。

ユキは家族、母となにか確執があるようですが、今はナルがひとりでかばっている。そこに、この秘密を知ることとなったホドも、なんらかのかたちで関わることとなるのでしょうか。そこまではいかないかも知れない。でも、決して欠くことのできない、そんな重要なポジションにはいった感じがします。

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