『まんがタイムきらら』2020年4月号、先日の続きです。
『下を向いて歩こう』
この見せ方、面白いですね。台風の朝、警報発令を受けて学校休みが確定。それで家にいることになったさざれとすさみんの、メッセージアプリ経由での会話の情景描かれるんですが、言葉と時に写真でのコミュニケーション。ふと漏れる笑みを、文字、顔文字などの影に隠してのやりとりに、すさみんの皆に見せたい自分と本当の彼女のギャップがうかがえて、ああ、この子を見る目、変わってしまいますね。だって、本当は笑うと目尻の下がって可愛くなる彼女がですよ、皆にはそんなの見せたくないと、ぐっとまなじり手でもって押さえて上げて、ああ、これがクールな彼女の秘密! ええ、面倒見よく、細かなことによく気がついて、かつ面倒ごとも厭わない。そんな彼女の秘密が、これでもかこれでもかと濃縮されたような回でした。
こないだのオゴクダ浜行でシエルがひろった蛇の皮。それをね洗って干して乾かして、しかもそこからレジン加工ですよ。これ、相当に面倒くさいよ!? それを厭わず、皆にひとつずつ作って、かつシエルが親の分も欲しがるだろうと、さらにもうひとつですからね? ただレジンで固めるだけじゃない。いっこいっこ耐水ペーパーで研磨ですからね? ほんと、この人の秘密、それがあらわにされて、ちょっと素直になれない性格含めて、チャーミングさいや増すエピソード。さざれがそういうの気づいてるってのも素敵でした。
『海色マーチ』
後輩ちゃん、ひなたも参加してのシュノーケリング部の活動開始ですね。でもそれはいいとして、初心者ひなた、かつ泳げないこの子とバディを組むの、あまねでいいんですか? 危なくない? 心配してたら、珊瑚も結構心配してた。というか、姫もすごいな。いざという時には海保に連絡って、いやいやそれは極力避けないといけなくない!? そういう事態におちいられないよう頑張ろ? 珊瑚じゃないけど、やっぱり心配ぬぐえないんですね。
とかいってたらさっそくあまねが、ひなたのこと溺れさせかねないことやっちゃってるし! あまねに悪気がないのはわかってるんですよ。考えた末のことだとも思うんですよ。でも、考えが足りないというか、考えた末に誤った方向にいっちゃってるというか。でも、それでこそあまねだ! って気もするんですよね。うん、不穏で不安だけど、もう組んじゃってるんだから仕方がない。とはいえ、ひなたからの信頼、皆無ですよねあまね。
今回は、そんなあまねがひなたからの信頼を勝ち取る回だったのだと思います。エラブウミヘビとの遭遇。ハブよりも強い毒があるというコイツについて、あまね、しっかり知識は持っていて回避するようつとめたのだけど、不意をつかれたひなたが驚かせてしまって、そこからのあまねの向こう見ずですよ。ああ、ひなたを守りたい一心で、考えるより先に動いてしまったんだな。でも、その助け方はよくない。とはいっても、これがあまねの精一杯だったことはよくわかるから、責めるに責められない。ひなたの涙まじりのばかやろうですの言葉、これが本当に沁みるエピソードになりました。
とはいえ、あまね、死にかけてたよね? 珊瑚いわくショック死の危険ってやつですが、ほんと、死ななくてよかった。あまね、運がいいから今も生きてるだけで、これまでにも何度も死ぬ危険があった。ほんと、ハラハラさせてくれる子です。
My Private D☆V
『さくら江さんはグイグイ来すぎる』の家田キリゼンです。
『さくら江さんはグイグイ来すぎる』は、Web媒体きららベースにて連載されている漫画。なので私の日頃触れているきららとはまた違った雰囲気、テイストが感じられます。
さて、今回のD☆Vポイントは「普段うるさくて明るいノリの子が一瞬だけ見せる憂い」。描かれたのは、威勢よくつっこみどころありまくりの啖呵きってみたり、自信たっぷりにぐいぐい迫ってきたりする、ノリよくテンション高めで表情豊かな女子がですね、夕暮れ、放課後の教室? すごくナチュラル、ニュートラルな表情見せてくる、そんな情景です。
このギャップ。悪く見せてた子の実は優しかったりするのとはまた違う方向性ですよね。いつもは見せない本質、そこに思わず踏み込んでしまったかのようなどっきり感、普段見せないシリアスさがするどく胸に突き刺さるように届くかのような鮮烈さあるシチュエーションであると思います。
- 『まんがタイムきらら』第18巻第4号(2020年4月号)
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