2020年3月5日木曜日

『まんがタウン』2020年4月号

 『まんがタウン』2020年4月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』をメインに、桜の季節、ふたりおでかけして、お花見、写真、その様子がまたいいですね。いろははスマートフォンで、始は一眼レフで、このスタンスの違い。けど、きっと見てるものは重なるのだろう、みたいな感触もまた魅力的。いい表紙だと思います。そして『あつあつふーふー』、最終回の告知カットもございます。

『新婚のいろはさん』

壁の裏の柱を確認している始くん。ついに壁に釘を打とうという話になって、でもなかなかに踏ん切りがつかないところがねおかしくて、いや実際の話、自分も壁に釘とか打てません。なのでもっぱら、かもいに引っかけるフック使ってましたね。

と、自分の話はどうでもいいんです。壁に絵やタナをつけたいという始。そのこだわりというかがまたユニークで、そうか、役にたつものは駄目ですか! ホームセンターでの会話、ホーロー看板やらネオン管を、いい役立たずっぷり! って、えらい言い様だ。で、役にたつものたたないものの区分、ロボットのプラモデルはかっこいいという点で役にたってしまう!? じゃあ、クマのぬいぐるみだってかわいいという点で役にたつんじゃないのですか!? なかなかにこの人のラインがわからないの、いつものことながら面白かったです。

お隣の早倉さんに音を立ててしまうからと断りにいくところね、あの理解のはやさ! 面白かった。で、早倉さんまじえての壁にかざるもの談義。ああ、ここで出たのが早倉さんに響く! これもよかったなあ。

結局、始、いろはが選んだの、時計だったんですね。ああ、役立つものの筆頭じゃないですか。ふたりで時計をかけて、カベの景色が変わった、その様を見守るように眺めているふたりの様子、これがなんかよかったですよ。でもって、さっそくめちゃくちゃ役にたつ時計! ほんと、面白かったです。

そしてラストの早倉さん。ああ、いいですね。ああ、よかったですよ。

『私たち同じ人を好きになりました』

ああ、そういうことなんか! いえね、同じ俳優のファンということで知り合うこととなった敦子とみっちゃん。このふたりの、だんだんに仲を深めていくみたいな話なのかな? なんて思っていたらですよ、まさか、みっちゃんのバックグラウンド! それがどことなく予想できるような今回、ああー、なるほどそういうことなの!? まさかここまで匂わせて、違いましたー、とはならんよね? ええ、これ、いわばスーさんハマちゃん的関係になっていこうっていうんですか。

贔屓の俳優さんのこと、もっとみっちゃんに知ってもらいたい。その一心で、えらいことひとり盛り上がってる敦子と、けれど約束の日、急に仕事が入ったといってお流れになっちゃったみっちゃん。これ、あー、夜のテレビの生番組に出演するっていうの、これで敦子との約束がフイになったから社長も怒ったのかあ! なるほど、ここ最近めっちゃ機嫌がよかった。そしてラストにみっちゃんから敦子がもらったお菓子。ええ、これ決定打ですよね。だって、柱でも言及されるぐらいだもの。

今、このふたりは、劇場でたまたま知りあっただけという関係、そこから段々と仲を深めていく過程にあるわけですが、敦子がみっちゃんの背景を知らないのは確実。じゃあみっちゃんは? 敦子のことわかってるの? いや、きっとわかってないんだろうな。だとしたら、ふたりが互いのこと知るのはいつなんだろう。どういう状況でなんだろう。

しかし、敦子、社長の顔を知らない? あるいは、仕事の顔と趣味の顔、結構雰囲気違うのかも知れませんね。と、ここまでいろいろ考えて、実は社長じゃありませんでしたー! だったら、ほんとどうしましょうです。

『部長と2LDK』

遅刻ぎりぎりに駆け込んでくる東部長! 結構な鬼気迫り具合。いい表情ですね。きっとこんなこと、はじめてなんだろうなあ。

菜々と一緒に暮らしているのは皆には内緒。それで口裏あわせていたはずが、菜々がうっかり違ったこといっちゃって混乱してっていうの、ふたりは焦ってますけど、他の皆は、いったいなにごと? 謎だらけですよね。

部長、買った家具が届くというのでウキウキ。いいなあ、この人、やっぱりめちゃくちゃ可愛いと思う。それで、今日の仕事、17時までに終わらせると、気合いばっちり。事情を知ってる菜々と、そうじゃない皆との感想のギャップがまた面白くて、この秘密の関係、いい魅力を引き出してますよね。

お昼、これまではお弁当だった部長だけど、実家を出たからもうお弁当じゃない、一緒にいきましょうと菜々。これ、ランチに誘うという点ではナイスアシストだけど、実家を出たというのなぜ菜々が知ってる!? これはボロですよね。ほんと面白い。基本、ウソのつけない子だもんなあ。でも、この素直さがために部長、いろいろ救われてるというか、感化されてやわらかくなって、ええ、やっぱり菜々のいろいろ、美点なんですよ。

つりこまれてボロを出す部長も実によかったです。同棲中っていわれちゃって、あの菜々の、どうするんですか? みたいな表情、最高におかしくって、でもそこからのリカバー、見事でした。ほら、菜々、凄い可愛いっていわれてるで? ふわふわっていわれてるで? でも賢い子じゃないっていわれて、あのちょっと面白くなさそうな顔! 見どころいっぱいやなあ。

そして、飛び込みの仕事、残業が確定してからの菜々の動き。あれ、かっこよかったじゃん。部長のこと、楽しみしてたこと、本当に理解して、一緒にその楽しみをわかちあいたい、部長の気持ちを大切にしたい、そうした思いに溢れていて、いやあ、本当に素晴しかった。

漫画の見せ方もすごくいい。基本は四コマで落ち着いたテンポ感で進めながら、ここぞというところでコマを割ってダイナミックに場を、人を、感情を動かしてくる。いやあ、見事でした。こういうの、大変好きです。

0 件のコメント: