『まんがタイムきららキャラット』2020年4月号、一昨日の続きです。
『しずねちゃんは今日も眠れない』
眠れないしずねが迎えいれた抱き枕。その子が人の姿に変身して、話し相手にもなってくれてという、ちょっとした超常現象なわけですけれど、この抱き枕との交流。しずねの子供の頃の話を聞いて、また夜ぐっすり眠れるよう、ああしましょう、こうしましょう、前向きにいろいろ考えてくれるとか、ほんと抱き枕、いい子だと思います。
この抱き枕、お母さんも気にいってるんだ。それでたまには借りている。しずねが気づいてたこと知って顔あからめるお母さんも可愛いですね。そして抱き枕に名前をつけることになって、ああでもない、こうでもない、他の人にもいろいろ聞いてみたりして、そして疲れて眠りに落ちて。この夢のくだり、これ、素敵だったと思います。
そして命名。ねね。漢字では寧音。しずね、穏音とお揃いっていうの、これがねなんかねまた素敵なことだったと思います。
『またぞろ。』
留年早々入学式を寝坊ですっぽかしたことさん。大慌てですけど、開きなおって、入学式なんていらないんじゃないかって、うん、この子たちは別にいらんよね? 実際のところ、どうなんでしょう。留年したことないからちょっとわからないんですが、新入生じゃないから、別に出席せんでも大丈夫なような気もする……。
思いっきり落ち込むこと。これまでは友達に起こしてもらったりしてた。でも、その友達と離れたらこうなっちまうのか。詩季がですね、その世話焼いてくれる友達の役を買って出てくれたの、よかったですよね。わりと辛辣、あるいはリアリストな詩季の側面。でもことのことはげましてくれたりしてね、こういう交流もいいじゃありませんか。
そして巴です。巴を慕う謎の新入生。まあ同級生になっちまうわけですが、阿野楓。巴にはまるで覚えがなくて、そのこと面白くない楓がちょっとふくれちゃうところ、可愛かったですね。そして巴は、この後輩のこと思い出すというミッションが発生して、はたして思い出す日はくるのでしょうか。とりあえずは期待薄ですよね。
『あやしびと』
迷子を発見しました。日本人形を抱いてる和服少女。座敷童子かなんか? と思ったんですが、この子をめぐるアヤと仲間たちのやりとり。おお、日本人形というの、皆には通じないんだ! 動揺してることサカサに見透かされて、そこからの攻防。アヤ、乱暴狼藉ですよ。
サカサ、子供が苦手といいながら、不安になってる女の子のことあやして、ちゃんと泣きやませて、あのなでなでしてるところとかね、すっごくいいシーンじゃありませんか。この人、天邪鬼という性質が祟って面倒ごと増えちゃってるだけで、本当はいい子なんだなっていうの、よくよくわかるシーンだったと思います。
そしてこの子、サトリ校長に保護されて、身元判明。付喪神なのか。物に宿った魂がある日突然妖人となる。そのため家族もなければ住居もない。これ、サトリが保護してくれてなかったらどうなってたんだ? ともあれ、人の世界に由来する人出現。アヤにとってもプラスになりそう。でもってこの付喪神の子、えらいこと校長に懐いてて! うおお、これはすごい。サカサといいサトリといい、人の気持ちに通ずる妖人は、こうして人の気持ちを掴むのにも長けているのかも知れませんね。
『アニマエール!』
夏合宿。浜辺のステージで今年もチアをやりますよ! せっかくだから兎和も参加してみようというの、乗り気でなかったこの子をうまいこと煽って引き込む花和が見事。そして兎和の実力ですよ。所作が綺麗! きっちりしっかりポーズも決まって、こはねと虎徹が自信喪失だ!
さらに加えてタンブリングのくだり。もうほんとめちゃくちゃ面白い。バターン、グキッ、ウ゛ッ。無理するなっ! 無理するんじゃない、こはねっ! ほんと、すごい勢いで笑わせてくれましたよ。
今回は兎和の初チア、初ステージというステップアップを描いて、そしてさらに同じくこの浜の近くで合宿をしていた八木、根古屋たちとひづめが再会。ああ、ひづめと因縁のある子たち。緊張のありありと見てとれるひづめ。この緊迫感、ちょっとしたものでしたね。けれどチアを通じて理解しあえたかも知れないこと、そして乗り越えていけたこと、それが本当によかった。この皆と一緒に前に向かっていけるというところ、それが本当に美点だと思います。
『紡ぐ乙女と大正の月』
今回、素晴しかったですよ。
初野から届いた手紙。紡に宛てたラブレター? 病の床にふせっていること知らされて、こりゃ大変と、唯月とともに初野の家に見舞いにいくんですね。
ここからが本当に面白い。初野、思いっきり走ってるじゃん! なにごと!? と思ったら、これ、旭の差し金。さすがだな、旭さん。あの登場の大物っぷりも素晴しい。このちょっととんちきな子、もう大好きですよ。
初野の妹、八重子が再登場ですよ。大正時代にやってきた紡が出会った子。紡のことを痴女のお姉ちゃんと呼び、さらには姉の信じる天女設定を頭おかしいのと切って捨てる。すごいな八重子さん。すごいパワーです。
もうひとつのすごいパワー。末延唯月は公爵家の令嬢。おおう、初野の母、娘もともに平伏じゃんよ! 初野の家は侯爵家。旭は伯爵。そのランクの差というの、ここまでだっていうんですね。身分の差があれば、一緒に遊ぶこともままならない時代。なるほど、身分制が廃止された時代に育った私にはなかなかピンとこない感覚ですけど、同じ華族であってもここまでの格差がある。男爵あたりは金で買える成り上がりとかいって、結構軽んじられてたとかなんとかは知ってますけど、上の方はそりゃもう尋常でない世界だったんでしょうなあ。
しかし今回、唯月が楽しそうにしていたのが本当に印象的で、ええ、いい笑顔だった思います。結構思いきったことやっちゃう唯月だけど、それでもなかなか越えられないものがあったんだ。それを紡が一緒に越えてくれた。その唯月の嬉しさ伝わってきたように感じます。ええ、唯月、楽しそうにしていたその表情、生き生きとしてやわらかで素敵でしたよ。
- 『まんがタイムきららキャラット』第16巻第4号(2020年4月号)
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