『まんがタイム』2020年4月号、一昨日の続きです。
『テレパス皆葉と読めない彼女』
皆葉と澄花と、そして笹本。この特別な3人でトランプをします。能力ありでのバトルですよ! これはアガる。でも澄花に対してはアンフェアだから能力使いません。皆葉も澄花だけは読めないから、これでイーブン。ということは、皆葉、笹本間が能力使い放題の超常トランプだってわけですね。
ルールはババ抜き。ここでやたら強さを発揮する澄花がいいですね。見事なポーカーフェイス。笹本、見事にババを引かされて、けれど笹本、皆葉に心を読まれないために、自分のカードを見ずに引かせるのがまたうまい。こうした普通ならありえない駆け引きが出てくるっていうのが面白く、そして結果的に、相手にババを引かせ続けるという好勝負になるっていうんですね。
皆葉の勝ち目、これが面白かった。なるほど! これまでこっそり透視して勝ち続けてきた笹本。クラスの皆から、いわばヘイトを買っちゃってたかあ。笹本の心は読めずとも、クラスの皆の応援の声は届く。ああ、笹本、これまでの容赦ない勝ちがたたっちゃいましたね。
今回のトランプ勝負。勝者は皆葉。澄花が皆葉を勝たせたかった理由がいい。そして笹本、負けて嬉しいという、その本音がまたいい。ええ、秘密の能力だけど秘密にしないでもいいという関係、それがこんなにも嬉しいというの。これは笹本にとっても新鮮なんだろうな。いい友達だと思います。
『茨城ってどこにあるんですか?』
ついに東京行きを決心したという多恵。おお、どういう心境の変化か、と思ったら、なるほど読者モデルに応募しようっていうの。動画活動で自信をつけた、あるいはその実績をもってオーディションでの優位を得よう。そんなところなんですが、応援するっていっちゃう森戸。この反応からすれば、この子、どうせ無理だろうなあとか思ってる?
応募するくだりでね、茨城って書いたらマイナス印象にならないかって、どんだけネガティブなの! この発想、面白いといっていいのかわからんけど、少なくとも尋常ではありません。そして審査用の写真撮影。まさかの牛久大仏とのツーショット。いや、いやいや、大仏の方が大きすぎてメイン感出ちゃわない? 鈴子おすすめスポットでの再撮影、それが水戸駅納豆像だったりするのもおかしい。ともあれ、多恵の一連の行動見るに、茨城愛と不安がせめぎあってるの。そうかあ、時にネガティブな気持ち抱いてしまうけど、それを上回って茨城を愛しとるのですね。
面接の練習でね方言が出ちゃうっていうところ。最初、「おもしい」っていうの、誤植? って思いました。こういう、ちょっとだけ違う言葉、なかなか難しいですよね。でもって、これきっと、多恵は標準語だと思ってるんだろうなあ。方言あるあるだと思いましたよ。
結果、多恵は残念だったわけですが、それでほっとしてる森戸が可愛かった。最初に私が感じたの、誤解だったんですね。多恵の頑張りを応援してたんだ。あの微妙な風は、この不安ゆえだったんだな。ごめんごめん、森戸、含むところのないいい子でした。そしてこれ、多恵もそうですよね。こういう素直さ、気どらなさ、この子たちの魅力だと思います。
『瀬戸際女優!白石さん』
女優志望のアサミさん。オーディションを突破できず、今は居酒屋でのバイトで生計たてている。今回はこの子と白石の交流。それがね、当然のように面白いのだけど、それ以上に真摯な人柄を感じさせてくれるところ大きくて、しみじみ感じいりましたね。ええ、白石さん、この人はすごい人です。
居酒屋でのマネージャーとの会話、オーディションに落ちたっていうの聞いて、白石さんレベルでも落ちるんだ! って。その白石の、地の部分、うまいこと回避してるアサミが今回の面白みで、そしてスマートフォンを忘れていってしまった白石に届けにいく終盤に描かれたこと。ああ、白石の気どらず、皆に気さくに接する姿。これ、ただ人好きがするとか偉ぶらないとか、それだけじゃなくて、演技に生かせるよういろいろな人と話したいと思っているという、その演技に向きあう姿勢! これを当たり前にやってる白石もいいし、影響されたアサミの変化、これもまたよくて、ええ、ぐっとくる場面でしたよ。
アサミ、まだまだ役者としての芽は出ないみたいだけど、いつかこの人が白石と共演できる日がきたら素敵ですね。またの登場、期待したくなる、そんな魅力的なキャラでした。
『お天気おねえさんの晴れ舞台』
ああ、琴音の空模様、少々不安定な模様です。放送の途中、天気が不安定になるというところで、思わず涙ぐんでしまった。ああ、気象予報士の試験、落ちてしまったのか。それを気に病んでいた。マネージャーの牧からは、試験の結果は視聴者にはどうでもいいんだから、それを見せちゃ駄目だって。仕事に支障が出るくらいなら資格なんてとらなくてもいいって。ええ、それは本当にそのとおりなんだけど、ちょっと、牧さん、いいすぎちゃいましたね。思ったよりもダメージ受けていた琴音。いつもなら大丈夫だったろうこの発破も、今の琴音にはちょっとキツすぎちゃったみたい。あの、落ち込んで背を向けた琴音を見る牧の様子、ここに彼女もまたショックを受けていること感じとれて胸が痛みます。
しかし、琴音、バイトの鈴木くんに励まされて、そしてロケで出会った視聴者さんたちから心配してるっていわれてね、その皆から元気づけようとしてもらうの。そこで牧に誤解が発生するのがおかしいんですけど、こうして皆からもらった元気でしっかり復活していくところ。ああ、この子のいいところですよ。
時に落ち込むことがあっても、基本ガッツがあって、へこたれることなく元気な姿を見せてくれる。この明るさ、つよさ、前向きさ。今回も見事に光っていましたよ。
- 『まんがタイム』第40巻第4号(2020年4月号)
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