『まんがタイムオリジナル』2019年7月号、先日の続きです。
『おしかけツインテール』。前回から続いたよ。節分の鬼にたたられたか風邪ひいてしまった俊郎。その寝言がすごい。花梨ちゃんも鬼だった、花梨ちゃんも鬼だった。もうそれだけでも笑ってしまって、さらにここから、本編も面白かった。俊郎のかかりつけの医師? この人の重々しさがすごくて、あのどんどん心配になる花梨。いや、ほんと、しかたないと思う。そしてひとり風邪と戦う俊郎の、孤独との付き合い方、その変化が語られたのがよかったですよ。ああ、俊郎はもうひとりじゃない、花梨たち母娘とともにいる、それが当たり前になってるんだってわかって、そしてそれは花梨にとってもというのがね。ええ、この三人、いい関係を築いてるなって思ったんですね。ええと、それと、うどんいいですねえ。うどん食べたい。
『氷室君は板野さんの事が覚えられない』。板野と氷室が同じ食堂でバイトすることになったの、なるほどこれ面白いシチュエーション。板野と氷室の奇妙な関係を知らない人が密接に関わって、そしてこの秘密を知っている長谷川の助力を得るのが難しい。そんな状況で、見事に誤解される板野と氷室。なるほど、この不思議な関係、付き合ってるけど今はケンカ中と解釈されてしまったか。氷室がケンカのこと聞かれても、そもそも板野のことを覚えてないんだから誤解? 当惑ばかりが広がって、そしてさらに食堂のおかみさんの誤解が! 長谷川が恋敵と認定されたかー。今回、このあたりのすれ違い? 勘違い? の面白さもさることながら、最後の落ちが光っていました。板野のいう友達に戻ったを、恋人関係の解消と理解! ほんと、おかみさんの一人芝居。面白かった。
『とびだせT.O.Z』、マナの自己評価、ぐんぐん下がるな! 陸上部の皆が馬なら自分は牛。卑下しまくりですが、そんなマナに救世主? 女子部長の浅葉が復帰してきて、一緒に練習してくれるっていうんですね。あずはストレッチから。でもってタイムの計測っていうんだけど、この先輩、行動が独特だ。顔が近い。しかも、なんかキラキラ効果つけてるよ? 最初は照れながらもツッコミ入れる余裕があったマナなのに、頭ポンポンですっかり骨抜きにされてしまった!? これ、浅葉先輩の普通なのか、それともマナ相手だからこそか、いや、これが普通なんだろうな。罪な人だ。今回、マナとその憧れ、変わりたい自分の発見、そうした内面を描いて、しかしなのに最後が放置される兄なのか! ほんと、このギャップ。いい話、前向きポジティブな好感触だけでは終わらせないからねっていうメッセージが感じられますね。
『大奥より愛をこめて』。歌舞伎上演の計画がおじゃんになってしまって落胆する菜々緒に蒔乃。けど大奥の皆さんはまったくもって気になさらないで、ああよかった、陰険に責めたりすんじゃないかとか心配しちゃってたよ、と思ってたら、ああー、歌舞伎には飽きたんですか! そうですか、時代のトレンドは人形浄瑠璃でしたか。この移り気、すごいなって呆気にとられたら、蒔乃はそれ以上、心がバキーンってなってた。大奥の経費を切り詰めたい定信の取り締まり。これ、今回、蒔乃の指摘したこと、側室の浪費が目立ってきたのは上様の気持ちが御台寧姫に向かうようになったからじゃないかというの、結構な重要ポイントなんじゃないのかな。けど、これ、まったく菜々緒には通じなくて、というけど、これ、本堂を避けたんじゃないのか。菜々緒に思いを寄せる本堂? 見られたくないところを本堂に見られてしまった菜々緒の意地? それとも揺れる気持ちを仕事にぶつけている? いろんな人のいろんな思いの渦巻いて、複雑にからんでいくこの大奥情景。見応えたっぷりです。
- 『まんがタイムオリジナル』第38巻第7号(2019年7月号)
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