2019年5月25日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2019年7月号

『まんがタイムスペシャル』2019年7月号、一昨日の続きです。

『ふたりが家族になるまでに』。記録会に臨む陸上部の皆。相変らずジローに懐きまくりの男子たちがおかしいですよね。いや、弁当目当てなのかも知れないけどもさ、でも、それだけじゃないよね。ほんと、この定番の光景、面白いよ。こうして見た目に元気で面白おかしい場面もあれば、あさひの内面描いていく、ちょっとシリアスで、思い詰めたような息苦しさや重みある情感もあって、この対照がとてもいいと思います。応援することに喜び感じてるジローを見て、その応援を自分の力にするのかな? なんて思ったら違った。意識したことで、いつもの走りができなかった? あの、ひとりトラックに立つあさひの内面、言葉はなくとも伝わることは確かにある、そう感じられるものがあって、ああ、これも青春の蹉跌なのか? 苦いねえ。そしてなぜかこれを眩しくも思うのですね。

『なごみ先生は職場のお医者さん』。今回は合コン。なごみ先生が幹事で、ああ、なるほど、なごみ先生は同期の男性医師をセッティングしたんだ。女性陣はゲーム会社、O-TACの女子社員たち。佐場の策略、というか脅し? でもって、なごみ先生にこの場を用意させたっていうんですね。しかし、これ、なごみ先生、有能じゃない? ちゃんと話が盛り上がるように、ゲームに詳しいの集めてるんじゃん。しかもO-TACファンを自認する男たち。いや、待て、32万課金を自慢するな。その情報、合コンではマイナスに働かんか? ここで語られたなごみ先生の昔の話、これも面白かった。眼鏡だ、可愛いよね。帰りのタクシーでの狩屋との会話とかね、働く女性の悩みというやつでしょうか。この雰囲気、いつにない感じでよかったと思います。山田とは、こういう話にはならないよね。さて、その山田、酔った先生のわがまま聞かされて、そして合コン帰りと聞いて、どぎまぎしたりモヤモヤしたり、ああ、これはなにか進展あったりするのかな? と一応思いはするけれど、両方、なんかぐいぐいいったりするタイプには見えないんですよね。進行するんか? しないような気がしますよね。でも、それがいいのだと思うんですよね。

『ため息吐息と悪魔人形』。この漫画、本当に素晴しいと思う。悪魔人形と契約したミルカの物語。人のため息を集め、それを魔力に変える悪魔。でも、その悪魔を翻弄し、人の思いの陰りにそっと手当てする。そんなミルカのしたたかなやり口と、温かみ感じさせる優しさ。かけはなれているようにも思えるそれらが、とにかく自然にミルカのうちに同居していることがまた素晴しくて、ああ、いい子でそして悪い子だ。たまらん魅力があります。さて今回の犠牲者、いやミルカの手当てが必要だった人物は、なるほどミルカの二番目の姉、カンナ。ミルカ曰く、頑張り屋。一生懸命でいつも予想外で、大体いつも斜め上。それ、褒めてないよね? ともかく、この子の人となりしっかりと感じられる今回のエピソード。また、前回ミルカの手にそっと癒された宮本さんの奥さんも関わってきて、ああ、人と人の関係のからみあって織りあげられる、そうした情の景色、質感もまたたまらない。ほんと、よくよくしっかりと練りあげられた漫画。とてもスイートで、けれどちょっぴりビターで、そしてやらわかであたたかい。素晴しい。何度いっても足りないと思う。素晴しいです。でもって、カンナ、めちゃくちゃ可愛いね! 長女、次女、そして三女、それぞれに違った個性、魅力あって、そうしたカラフルさもまた素敵です。

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