『まんがタイムきららキャラット』2019年7月号、発売されました。表紙は『NEW GAME!』。八神と青葉、ふたり並んで立っている、その真正面から捉えたイラストなんですが、ふたりともに凛々しい表情。こわばるでなく、むしろリラックスしていると感じさせる、そんな表情なんですが、眉もキリっと、でも口元に笑みをたたえて、このいかにもやる気満々と感じさせるふたりの様子が実に頼もしいですね。
今月は新規ゲストが5本です。
『ゾンデッドキュート』。ゾンビ三姉妹。なんでゾンビになったのか、それはよくわからないのだけど、とりあえず爆発事故で姉妹3人、まとめて死亡、3ヶ月たった今はゾンビとなってひっそり隠れて暮らしていというんですね。ゾンビとしての生活にすっかり慣れてしまって、片腕はずしてマジックハンド扱い、遠くのものとろうとしてみたり、そんな状況で人前に出たらバレるの必至。外出なんてさせられない、とゾンビバレを怖れる長女に対し、なんとしても外に出たい、というのが末っ子だっていうんですね。しかし、わりと傷跡とかオープンなのね。隠したりはしないんだ。これ、ハロウィンとかにあわせたら、そういうコスプレで押し通せそうだな。ともあれ、外出なんとかなりました。首とれたけど手品で押し切りました。この外出で生きてる実感が得られたという長女の感想。ゾンビだけど、死んでるけど、こうして意識があるかぎり生きてるんだよな。そんな不思議な実感あるラストですよ。
『古くて新しい思い出』。これ、なかなかに面白い。最初、なんかよくわからなかった。突然友達になってくださいといってきた女の子。全然知らない子。なのにバイト先で粘られて、根負けなのか? その子を家に泊めることになるんですね。そこからの展開、読み返してみたらわかる、そうか何月何日か聞いたの、ほんとにまるで日付がわからなかったのか。さらに、子供なんですよって受け答え、これ、本当にそのとおりだったんだ。翌日、ふたり一緒に出掛けるところで、ICカード乗車券が使えない? ここ、けっこうな田舎なの? と思ったら、ポケベル出てきたりと、ああ、なるほどな、これ時代がズレてる。かたやポケベル、かたやスマートフォン。そして、このふたりの関係、それを気づかせる場面、出てくるわけですよ。なんか面白いな。いったいこの石神えまって子が25年の月日を遡ってきたその理由、次回にはわかるのかな。なにか仕掛けられてそうって思えて、わくわくさせられます。
『明日は明日のもくしろく!』。ひょんなことから魔王の令嬢を預かることになってしまった。ただ預かるだけでなく教育係として選ばれたというんですが、拒否権はなし。もし断れば人類絶滅の危機だっていう。しかたないので面倒見る、というか、必要とされることが嬉しいのか。ヒロインのこの子も、なんかいろいろ抱えてそうだな。魔王の娘、アスモデウス、縮めてアスハ。ピーマンが嫌いで、食べられなくて泣いちゃって、そんな子にピーマンをちょっとだけでも食べてもらって、そんな子育てっぽい一コマ。このふたりの関係、さらに展開して、時にはピンチ!? とかあったりするのかな?
『メイド喫茶・エーデルワイスへようこそ!』。主人公、柊陸は、喫茶店エーデルワイスのオーナーの奸計にかかり、メイドとして働くことになった。けど問題は、陸の性別。男なんですね。オーナーは男の娘に目がないといって、男子をメイドにしたいがためにこの喫茶店をメイド喫茶にしたくらい。かくして陸はエーデルワイスでメイドとして接客するようになりました。この状況を受けいれたのは、同じくメイドとして働いている咲楽、この子に一目惚れしてしまったがため。陸が男だと知っているのはオーナーの他には、バイトの先輩、楓だけ、というんですが、正直、この漫画のメイド、全員が男なんじゃないかという疑惑がある。楓も男なんじゃないか。咲楽もそうなんじゃないか。とりあえず咲楽は百合趣味の人で、女性同士の関係に心踊らせる。ということは陸が男とわかれば距離ができるのでは!? いやそれ以前に男なのでは!? と、前途多難な恋なんですね。
『どーじんフェローズ!』。同人活動研究部、略してどーかつが舞台。のっけから、恫喝に聞こえて響きが悪いってつっこみがはいってますね。漫研に入りたかっけど廃部しちゃってたという姫子の事情と、同人誌作ってみたいという千代音の希望と、ずっとひとりでいたけれど本当は誰かに誘ってほしかった美由の都合が集まって、どーかつとして結実しました。姫と美由は漫画を描いて、千代音は絵が下手っていうから小説とかなのかな? って思ったら、冒頭でワープロ使って文章書いてるの美由だな。それぞれの持ち味、それぞれの特色、それはまだまだこれからという感じ。3人の人となり、それがちょこっと見えた第1回。まだまだこれからのどーかつですね。
- 『まんがタイムきららキャラット』第15巻第7号(2019年7月号)
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