2015年9月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2015年11月号

『まんがタイムきららMAX』2015年11月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』、ココアさんがワイルドギースと一緒にダンスですよ。って、これダンスなのかな。手品師ココア姉さんじゃないのかい? 右手にはシルクハット、いかにもそこから出てきましたといった様子で飛び出すワイルドギース、左手にはステッキ、これで帽子をトントンとやったのかも、そう思わせるものありますよね。躍動感ある表紙、ここを見せ場と突き出した手。全身から輝くような魅力あふれさせているココアさんでありました。

『こみっくがーるず』、読み切りで描くスポーツ漫画のために、部活体験しようという翼。それでバレー部に入ることになるんですが、先生の発想のおかしさ、そして弱気なバレー部部長に熱血対応する翼。冒頭からおかしくて、というか、のせられてるっぽいバレー部部長が、冷静に翼のこと、バレーのことあんまり知らないみたいだって思ってるのもよかったです。翼がスポーツ苦手な理由。運動自体は得意でも、ルール覚えられないっていうのが、ああー、らしいなあ。けど、漫画としての面白さを追求する際に、ルールや常識、場合によっては物理法則にさえこだわらないっていうのは必要なことなのかも知れませんね。リアル指向でそれじゃ駄目でしょうけど。メインのメンバー、全員が部活体験に巻き込まれて、それでひとりひとりリタイアしていくそのはやさ。琉姫、おしいなあ……。練習試合にまで出ます。あの不安がってる部長さんが可愛いなあ。というか、部長さん、レギュラーにならんですか。そして今回のかおすちゃんの見せ場、眼鏡キャラが安易に眼鏡を取るのは危険です!! さすがに笑った。いや、自分もちょっと思ったけどさ、めちゃくちゃ面白かったです。そして仕上がった漫画、これがね、またおかしかったです。

いちごの入ったソーダ水』、うおお、月さん、大人気よ。文芸部にやってくるお客、お客が、月を鑑賞していく。部誌は売れないけどね、というか、誰かさんが全部買っていっちゃったわけですけど、なんというか、部活としては微妙な展開だけど、誰も気にしてないのがすごいよね。そしてついに杏奈に写真を送りますよ。イベントスチルっぽいんだ。そして委員長のお礼。あの素直な表情、可愛い人だなあ。杏奈、かっこいい月の写真見て、どんなことになるんだろう、めちゃくちゃ期待していたわけですが、わりかし普通で、むしろ夢見たのは咲太郎。まあ、いつもの様子ではあります。杏奈のね、男装じゃなくても月は素敵だと力説する、あの様子が本当に可愛らしかった。ふわふわしたパステル系、ハートまで散らしちゃって、乙女だなあ、趣味が。そしてついに月に手紙届く。ああ、咲太郎のターンですね。咲太郎の夢が実現しつつありますね。

『裏庭には…!』、おお、素敵表紙! もうすぐ中間試験、というので、勉強が得意じゃないすみれに勉強教えます。エレガントな桜子とかっちりした雪乃、って、ああ、これは扉絵の話。ふたりとも可愛いですよね。さて、本編に戻りますよ。桜子は英語と古文がいけるのか。雪乃は歴史と現代文。ふたりが互いに効果的なやりかたを交換しあってて、どんどんキラキラしていく様子、取り残されるすみれ、あの対照見事でした。すみれ、数学は苦手というけれど、お菓子に置き換えると計算すらすらなんですね。だから点数はとれる。テスト勉強しながらの話がおかしかったんですね。共感できるといいますか、片付けしたくなるとか、漫画読んじゃうとか、うんうんやっぱりよくわかる。自分はテスト期間でも日課の練習して、かついつもより早寝してましたね。懐かしいなあ、なんて思わせてくれるエピソードでした。志津香がですね、もう、徹頭徹尾漫画読んでる、だらだらし続けてる、あの子のポジションが自分に似ているのかなあ。だとしたらマズいよなあ。いえいえ、彼女がというか、お互いにですね。はりきった寮長、これもよかったですよ。涙目でもくもく片付ける様子、ああ、ご一緒しますよ。テストの結果は、なるほど、これは予想のとおりでした。

『きらりブックス迷走中!』、これ、扉絵、実にいいですね。めちゃくちゃきれいじゃないですか。でも、この左側の子は誰だっけ? なんと、店長でした。見た目小学生の店長さん。きらりの従妹なんですって。名はえりぃ。9歳にして米国の大学を卒業した天才。なるほど、見た目がそうってだけじゃないのか。きらりの作った棚に不満があるのですね。売れない漫画が平積みされている。そういうえりぃに、『ゆるふわ革命』は今週この店で一番売れている、現実を突き付けるきらりだけど、あー、そうだった、きらりが全部買ってたんだよ。きらりのいう、知名度がなくとも面白い本をオススメするのが書店員の仕事ではないか。えりぃ、それに対し、なら実際に売ってみろ。理想と現実の戦いとでもいいましょうか、そしてそれからの頑張り、試みの数々。ええ、書店ものとしての面白さ、それが押し出されてきた、そう感じましたよ。しかし、店の立地に阻まれてるっていうの、これ、つらいなあ。なんでこんな場所にっていってますけど、うん、立地は厳しいよねえ。そして最後にきらり報われる。こうして現実を知りつつ、理想を広げていけたら素敵かもなあ、そう思わせてくれるエピソード。面白かったです。

『はんどすたんど!』、ほんと、これ、面白いなあ。顧問の先生も決まった。部員も4人集まった、そういってるゆかに、いちごもひなたもまだ仮入部だと現実を突き付けるななみ。ああ、ショック受けるゆかちーが面白い。なんとかして、ふたりを繋ぎ止めないと。それで策を高じるんですが、ななみの策は、あれだな、駄目だな。かといって、ゆかちーの、平均台の真実、ヘイヘイこわいぜ、ほんと、ちょっと厳しい話であります。今回は跳馬をやります。部員の皆は、跳び箱はどれくらい跳べましたか。あー、いちごは4段駄目だったかあ。それで、まずは馬跳びからやっていきましょう。できなかったことに挑戦して克服していく、そんなよさが凝縮されてましたよね。いちごの馬跳び記念日ですよ。そしてゆかの見せ場、跳び箱を使っての跳馬の演技。ああ、これもかっこいい。すごく魅力的。ちょっとずつできないことをできるようにしてきた、そうした話がしみじみと伝わってきて、いやあ、よいですよ。とてもよいです。真面目な部活もの、そうしたテイストあり、ななみが中心ですが、なんだかおかしなテンションあり、うっひょーっ 高いところから失礼します、ってなんだこりゃ、めちゃくちゃ面白いな。ほんと、いいキャラクターが揃ったものだなあ、そう思わされました。そしてななみから届くメール。ふたりの「?」がいい味を出していました。

『魔法少女のカレイなる余生』。魔法少女もの、増えてきたなあ。そう思いながら読んでみて、黎明しじま、14歳、魔法少女見習いとして、養成学校に編入します! その夢が次々裏切られていく様子。ボロボロの寮に、ちらかり放題の部屋。ごみの山から出てきたのは、見た目子供の桜花リラ。さらに加えて銀河ささり、神代ミミがあらわれて、皆、実に可愛いんだけど、なぜごみの山から……。はあ、徹夜で飲んでらしたのね……。引退した元魔法少女だというんですね。引退した時点で成長がとまる。なので、皆成人している。お酒だってオッケーだ。しじまの十倍以上ってことは、150とかなのか。すごいな。ささりは三十前後。ミミは、神代の昔から生きてるの……? 見た目少女、中身はアレな面々の、ギャップもろもろと、しじまの夢や希望が打ち砕かれるという展開の繰り返し。インパクトある、ひねりもある、目にも鮮やかで、見せ方も上手と、なかなかに期待大のゲストじゃないか。そんな印象、好感触でありましたよ。というか、ラストがとんでもなくわびしくて、最高でしたよ。

『おんせんたまご』、ゲストです。温泉地の話? と思ったら、舞台は都会? 多くの旅人が集う癒しの観光地。そこにやってきたのは、人見知りを克服しようと決意した有馬ヒメノ。なるほど、絵を描くのが好きで、興味あるもの見れば描かずにはおられない。そうした性分。この子が、ここを都会だ都会だというのは、田舎出身ということを告げているのかな? ヒメノの幼なじみ、ノアを訊ねる。この出会いから、てこずりそうだなって思ってたんだけど、これはさらっとクリアしましたね。元気な那須コダチに気後れして、狸の置物に隠れるヒメノ。番台にいるのは熱海ネコさん。いや、本当のネコじゃないですよ。化けて出てるわけでもないのか。なんか、そんな印象、確かにありました。恥ずかしくて人を直視できないので人物画は苦手。そんな彼女の最初の活躍は、浴場の壁画なんですね。小さな朝顔、ちんまり描いて、けどこれがヒメノの最初の一歩。今後成長して、大輪の花でいっぱいにできるといいですよね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第12巻第11号(2015年11月号)

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