『まんがタイムきららミラク』2015年11月号、発売されました。表紙は『城下町のダンデライオン』、茜様と抱き合う花さんが描かれまして、え? なんでそんなことに!? はにかんで笑う、それは茜様のポジション、そう思われがちのところ、今回は花さんの方がそうした表情見せまして、ええ、とても魅力的。もちろん、ほがらかな笑みを見せる茜様もとても素敵です。しかし、ふたりの作り出すその雰囲気の魅力、実によいと思います。
『城下町のダンデライオン』、次期国王選挙も終わってもうお正月。はたして選挙の結果はどうだったのか。ええ、まさかの修だったんですね。修と花の婚約発表、それを伝えるテレビ番組のナレーションにて、さらっと伝えられる選挙の結果。そのさりげなさ、茜の回想にて触れられる選挙の顛末もおおげさなものではなくって、これは、選挙を終えてからの過ぎた時間のためなのか、熱も冷めたか、ええ、もう選挙は過去のものとなった、そんな風であったのですね。そして、櫻田一家、おじいちゃんの家にいきます。ああ、王家じゃない方、母方ですね。おお、あの時、修が五月と出会って、一緒に食事をとった、あの時の子ら、こんなにも大きくなって、というか、皆、すっかり大人ですよね。そりゃそうか。当たり前だよな。というか、下の弟、睦稀がすごいんですけど。これって、輝もいつかこうなるってことなのかな……。そして、時また過ぎて春、茜が自分の気持ちに一区切りをつけるんですね。スカーレットブルームとしての活動、継続しているのだけど、自分の弱さを隠していること、そのことへの疑問が彼女に決意させた。おお、ついに自分の正体を明かすのですか! これ、秘密のヒーロー、ヒロインが、自分の正体を明かす、これですよ、こういう展開大好きなんですよ、って、あれ? 自分の思ってるような展開とちょっと違う……? いや、ほんと、さすが茜様。真実を知ったのは、むしろ茜様だったわけですね。
『アンネッタの散歩道』はモリーの話。あの、冒頭の、行き場のない手、面白くって、ずっと世話が焼ける焼けるといいながらも、世話を続けてきたメイヴをかまうのがアンネッタの仕事になってしまって、それでちょっとモヤモヤしてるのがモリー。でも、そんなモリーにも親切にしてくれるアンネッタ。ああー、モリーの好みをよくわかってる! 可愛い洋服を次々と、さらには立派なドールハウスも用意してくれて、モリーのお屋敷! 大感激してるモリーが最高でした。けど、モリー、まだわかだかまりを抱えているんですね。アンネッタが眩しすぎる、そういうモリーの心中、それはいかなるものなのだろう。それはわからない、とてもむずかしい。ドールハウスにひとり残ったモリー、まさかのメアとの邂逅ですよ。ドールのふりをしてやりすごすんですけど、メアがすっごいハンテンション。うきうきで着せ替えしてくれて、すごく可憐に、とてもエレガントになった自分にモリーも楽しみ感じたりね、その一線を超えないながらも、どこか楽しみの共有される様子がとてもよかった。そして、ゆきすぎる時間、人と妖精の感覚の違いも手伝って、ちょっとしんみりと切なくて、けれどそれがささやかな共感を生んで、とても素敵なエピソードにしあがっていたと思います。しかし、メアの人形愛、子供の時分にかなわなかった思いもあってでしょうか、すごく充実して、最高でした。ふたり、いい友だちになれたらいいのにって思いましたよ。
『カラフル・マキアート! — 魔法少女は戦わない。』、ゲストです。しかし、これ、新機軸ですよね。今日から高校生という桃瀬みのり。道に迷った彼女が、歩道橋の階段から足を踏み外す! そうしたら、みのり、変身しちゃって、うさみみの魔法少女ですよ。しかもこの姿、というかスカートの中身、目撃されちゃって、さあ大変。しかし、この変身はなんだったんだろう……。さっそく友だちになったみのりと、目撃者、青柳栞。ふたり、先輩の緑谷理子に呼び出されてみれば、朝の変身、魔法少女だというんですね。つれていかれた部室には、トコというサポートアニマル? がいて、けれどとりわけ戦ったりするわけじゃないっていう。あー、なんと、戦わないんだ。さしあたり敵がいるわけでもないし、っていうので、せっかくの力を使わないのももったいないから、ボランティア活動やってます。なんだ、このゆるさ。あと、ちょっと前向きだ。変身しての活動も、コスプレボランティア団体と思われる程度ですんでいるって、あー、魔法少女なんていう非常識な存在がいる世界なのに、まわりはわりに常識がちゃんとしてて、その常識に守られているっていう構図が面白かったです。そして、一番常識に欠けてそうなのがしおり。みのりにやたら懐いている、その様子も実によかったです。どんだけみのりのこと気にいったのでしょう。
『シンクロシンパシー』、ゲストです。坂奈学園にはシンクロナイズドスイミング部があって、その演技に魅せられて入学してきたのが渦巻瀬奈。けれど、シンクロ部はいまや廃部になっており、ショック受けるも、寮で出会ったふたり、真湖と花波と一緒に、部の復活を目指すというんですね。まずは3人、同好会から、というんだけど、室内プールはひとつしかないから水泳部との交渉からスタートです。1レーンだけでも貸してほしい。でもそれで、いきなり演技を見せろというのは厳しすぎないか? しかも、瀬奈、この子、なんと泳げないのか。さすがにこれでは駄目となるところ、瀬奈は新体操の経験者、水の上でのタンブリングで皆の視線を釘付けにして、最初の課題はクリア。ええ、いよいよシンクロ同好会の活動がはじまるというんですね。これ、水泳部の次期部長、この人も関わってくるのかな? そして指導は諏訪先生? このあたりは、話が進むにつれて明らかになりそうですよね。
『四季のあとりえーる』、ゲストです。アトリエ・ド・ルノアール、デッサン教室の体験入学のお知らせです。けど、このデッサン教室、なんだか突貫で開講される模様です。講師はシキ・ルノアール。私は外国人、なんかすごそう、そうしたオーラでいけるはず。ものすごい見切り発車っぽい雰囲気なんですが、けど、こういう無茶な勢い、裏付けのない自信でもってなんでもやってみるという姿勢は見習うべきものなのではないか、そういう思いもするんですね。けど、シキ先生、根が素直なのか、自分の嘘に苦しめられています。さてさて、体験入学に訪れた豊島加恋、横山柚月のふたり。加恋はおしとやかな女の子で、かたや柚月は、男の子と思われてしまう、そんな雰囲気の女の子。そこに加わる、シキの助手、北川風華。今日は、風華をモデルにクロッキーをやります。なにをやるにもいきあたりばったりって感じではあるんですが、それでも結果オーライといった感じになってるの、いいじゃありませんか。漫画としてもいい雰囲気で、月謝は8千円です。とりあえず続けるかどうかは親と相談、お金のことばっかりは、っていう、そうした感覚も実によかったです。
- 『まんがタイムきららミラク』第4巻第11号(2015年11月号)
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