2014年4月15日火曜日

桜Trick

 桜Trick』、アニメになりましたね。って、遅いよ! もう半月も前に終わってるじゃん! って、うん、確かにそのとおりです。見ましたか? いえね、これが始まろうという時にですよ、未見の視聴者は、あの恐慌と狼狽をこれから味わうことになるのだろうなと、非常にわくわくしながら待っていたんです。いやあ、けどそんなには混乱きたすことはなかったようで、無事最終回を迎えることができました。わりと普通に受け入れられてたのかな? いやあ、よかったですよ。最初ですね、ちょっと胸とか脚とか腿とか、いろいろ、性的に描きすぎじゃないのかなあ、そう思ったりしたんですけど、いや実際、最終話に至るまでずっとそう思っていたんですけど、通して見れば、これはいいアニメだったな、そう思えるものが確かにあったのですね。

主人公は高山春香と園田優、これはもちろんそのとおりなのですが、桜舞う季節に、私たちは他の娘たちとは絶対しないことをしようよ、その一言からはじまったふたりの特別な関係。それからの1年間を12話かけて描いて、桜の季節に幕を引いた。ひとつ、大きな山場を迎えて終えようと思えば、こういう構成になるのは当たり前といえば当たり前とも思うのですが、春香や優たちの入学からはじまって、優の姉、美月の卒業を見送ることで終える、そのことが彼女らの置かれた状態をよく浮かび上がらせて、かつ美月の果たした役割、それが春香、優、ふたりの特別であるということ、その関係のベースにあるもの、それをしっかりと感じさせた、そう思うのです。

しかし、原作に忠実、そういっていいアニメ化でした。けれどアニメは原作とやはりその味わいを違えて、それは動きや声、音楽、色、演出もろもろ、情報量の増加もあるのだろうなと思うのですが、ただそれだけでもなかったと思う。見せようとするところが違ったのかなあ。原作だと、自分はより強く春香と優に注目していたように思う。彼女らの、今を惜しむ、そうした感触を強く感じていたように思う。それがアニメだと、美月の存在の強さ、彼女の春香に向けた思い、それが一層に感じられて、ともないその美月の思いの決着、その意味するところが濃密に出た、そんな感じだったのですね。大きなイベントとしての美月たち3年生の卒業、それが山場として終盤に配置されたことも大きいのかも。ええ、表の主人公春香と優があって、けれどそれと同じ重みでもって美月の物語があった。彼女もまたまぎれもないヒロインであった。そうした感触が強いのです。

この感じたものの違い、それはもう物語の行く末を知った上で見ていること、それもあるのかも知れませんね。だからまた改めて原作を読むと、また違った印象を得ることでしょう。そういう意味では、読み返すごとに、見直すごとに、得られるものが違う。読み手の状況が違えば、そこで感じられるものもまた変わるだろう。そうした多面性を持つ、そんな漫画なのかも知れません。ええ、アニメはその多面性に触れ、いくつもの輝きをすくいあげて、また違うありようをもったひとつのかたちとしてくれた。ええ、いいアニメ化だったと思います。

Blu-ray

DVD

引用

  • タチ『桜Trick』第1巻 (東京:芳文社,2012年),17頁。

2014年4月14日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号、一昨日の続きです。

『ほのかミステリーノート』、今回はシャーロッ子さまというよりも潤の魅力が満載でしたよ。手帳を落としちゃった。そこにはお嬢様シミュレーション妄想日記が記されていて、って、潤ちゃん、可愛いなあ。お嬢様になりたいのかね? でもってそれを茂里緒樹莉に拾われて、でもこの子の葛藤見るに、ほんといい子だなあ。けれど穂華の手帳との勘違いから、手帳は隠され、暗号だけが残された。暗号はまあ子供のやることなんで、アレなんですけど、樹莉、すっかり穂華に手玉にとられて、そして潤の秘密が露に……。というか、もうとっくに知られてたんですね。小説家にでもなりたいのか。そういわれて、潤としては助かったのかどうなのか。けど、これが彼女にとっての転機になったらよろしいなあ。なんて思いましたよ。

『きつねとパンケーキ』、きつねの子、紺乃たちの学校での様子ですよ。学校へいく準備をして、耳を隠して、尻尾も隠して、それで登校。やっぱり耳、尻尾は隠すんですね。クラスでの様子、面白かったですよ。みんな獣娘ばかり、だから耳、尻尾隠してるんだけど、算数のテスト、いっぱいいっぱいになると耳が出てきてしまう。先生のあと5分の声に何人も耳を出す、あの描写は面白かった。黒岳、この子は狼なのか。クールなんだけど、紺乃のこととなるとちょっと違ってくるのか。体育の授業、ドッジボール対決の様子も面白かった。先生との対決に耳を出して勝負! と思ったら、別に耳を出そうと隠そうと能力に違いはないのか。可愛い子たち、動きのある絵、シンプルでほのぼので、見ていて気持ちが和みます。ええ、とても面白いと思います。

ラン様の放課後遊戯』、ラン様の過去に迫りますよ。しかし、これは時間としてはこれからのこと。かつてあった、未来の出来事であるのですね。有太とりら、ふたりがキスしているところを見て、逆上した葉沼ランの願ったこと。それが、望みもしない、おそらくは最も残酷なかたちで叶えられるという展開。ああ、猿の手だ。望んだことが、後悔を伴う、そうしたかたちでしか叶わない物語。願いを叶える狒狒の手、同様の構造を持つこの漫画もやっぱり同様に残酷な結果が葉沼ランに突き付けられて、ああ、この衝撃の展開、まいりました。しかし『猿の手』とは違って、狒狒、アフターケアがしっかりしてるなあ。ランに挽回のチャンスをちゃんと与えてくれてるんだ。もちろん願いのひとつなんでしょう。そしてそれがどういう結末をもたらすのか。うーん、けど、なんか嫌な予感がするんだよなあ。残酷な未来を回避できた。そう思わせて、今度はその後悔をりらが背負うことになるんじゃないのか!? ええ、なんせ狒狒の手、もとがもとなんで、油断できない気持ちでいっぱいなのでありますよ。

『おとぎのシソン』、先生がいいなあ。雀野小箱の相談、先祖返りしてる自分はどうした姿であるのだろう、それを知りたいっていうんだけど、いやもうきっと酷いことにしかならない……。テンポいいコメディ、面白かったですよ。酷い目にあわされる柿音。先祖返りして、小箱を桃太郎といって懐く先生。可愛いなあ。とにかく今回は小箱優勢で、そこに先生が横から嫌な支援を入れる。猿は尻叩かれるのが好きだったじゃないですか! 知りたくなかった、そんなこと! いやもう、ほんと、日和まで巻き込んで、けど最後にはうまいことごまかせたからいいのか? あの隠していること、先生の可愛さと日和のヤバさ、その落差際立って素敵でした。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第5号(2014年5月号)

2014年4月13日日曜日

いちから聞きたい放射線のほんとう — いま知っておきたい22の話

 今日はサイエンスカフェというものにいってきました。喫茶店などで、いや、喫茶店とは限らないのでしょうけど、科学にまつわる講義、解説、ワークショップ? などおこなう、そういう催しをサイエンスカフェと呼びますが、放射線について基本のところを学ぶ会が開かれるというので参加してみたのでした。解説は大阪大学の菊池誠さん。先日、『いちから聞きたい放射線のほんとう — いま知っておきたい22の話』という本を刊行なされたところなのですが、基本のところを押さえておきたい、そういう要望に応えようという本、そして催しなのでありますね。

私に関しては、放射線について、もちろん詳しいだなんてことはいえないわけですが、おそらくは多くの人がそうであったように、2011年の原発事故を受け、当座の情報を自分なりに理解し咀嚼できるようにと、放射線というのはどういうものか、そのメカニズムやらいろいろを、軽くざっと学んで知った、そうした知識がベースになっています。なので、今日のサイエンスカフェはおさらいのつもりで参加して、誤り誤解があったら、それを改められるとよいと思ったのでした。

サイエンスカフェははじめてといっていましたが、こうしたイベント、結構盛況なんですね。自分は時間ぎりぎりに入ったんですが、席はほぼすべて埋まっていて、その後も参加者は増えたので、席が追加された、それくらいの入りでした。予想どおり、ないしは予想より入ったって感じなのでしょうか。そして、こうしたイベントに参加しようという人たちだからなのかとも思うのですが、もう当然詳しい人がいたり、私同様原発事故をきっかけに学んだ、知識をアップデートした、そうした人も多かったという印象でした。少なくとも、皆自分なりにでも、今の状況あるいは当時起きていたこと、それを理解しようとしてきたといった人が多いという印象で、ひととおりの解説(といっても2時間強くらい? 結構しっかりとした時間かけて解説されました)を終えた後の質疑応答、質問の時間ですね、次々と手があがって、様々な疑問や意見が出た。やはり皆、一定以上の能動性を持って事態に向きあおうとしている、そうした印象を強く感じたイベントでした。

今回は、ガイガー=ミュラー管で拾った放射線、そうして生じた電力をアンプに流して、音として実際に聞いてみるということもなされたのですが、自然放射線で1分あたり25回くらい鳴る(23回とカウントしたのですが、皆さんはどうだったのでしょうか?)ところが、塩化カリウムを近付けると比較にならないくらいの頻度でブチブチと音がする。具体的に放射線が身近に存在しているということを可視化、いや、可聴化ですね、体感として理解できたのは面白かったです。実際、こんな具合に、放射線は身近に普通にありふれて存在しているということが理解できて、また食品にも放射性物質は含まれていることが理解されたら、過剰なノーリスクを求める姿勢などは薄れていくのではないかな、など思ったのでした。

身近にある科学、あるいは科学でもって計れること、そうした指針を得るにはよい勉強会であった、それが大ざっぱではありますが、今回参加しての感想です。

2014年4月12日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号、発売されました。表紙のテーマは部活動! 『レーカン!』天海さんはバレー部にて華麗にレシーブ。ちょっと珍しいかも、そう思わせる天海さんの凛々しい表情。よいものを見られました、そんな素敵な表情です。そして『お隣りさんゲーム』の舞子は調理部? クッキーが焼けました。ええ、エプロンも可愛いです。って、今月から新連載っていう告知でもあるんですが、そもそもこれずっとゲストのままだったのか。そっちの方が驚きます。そして『タヒチガール』、新連載告知のカットがございます。

『ヒゲとセーラー』、今回はお金の話。ちょっとシリアス、真面目な雰囲気もあって、いや、よかったですよ。生活費の話。壊れた鍋の買い替えの話から、お金はどうしてるのかという話になって、ああ、保険金なんですね。初の母、千尋からしたら姉の保険金が今の生活の基盤を支えてくれている。その事実を知って、千尋の胸に去来したなにか。ええ、あの表情、偲ばれましたよ。千尋にとっても姉は大切な人だったとわかる。それだけに、姉の残した初、彼女を支えよう、少なくとも、自分が初の重荷になるのだけは避けたい。そうした思いがしみじみ感じられて、ええ、大人なんだから最初から頑張ろうよ、というのは簡単だけど、けど今回、千尋の思いがしっかりと固まった。その描写、大変よかったです。また初が千尋に見る母の面影。ええ、ふたりはよい家族になれそうだと思いましたよ。

『花の任侠物語・しずか』、静花進級であります。けど間違えて1年の教室へ。さすがの静花さんです。今回は新キャラ登場ですね。静花の前に現れた裏松原未鶴なる眼鏡美人。ああー。ガタイがいい。ミツルという名前も、もみじのそれを思い起こさせる。ええ、前回からこうしたことアナウンスされてましたよね。かくして送り込まれてきたのが未鶴なのでありましょう。しかし未鶴ともみじの応酬、あれは面白かった。梅宮さんが急にキスしようと。ええ、見事に静花に誤った情報、誤解を与えて、もみじ、くれはは大変なことに。ええ、新しい世界。これはなかなかに期待されますよ。って、そっちの発展はない? ああ、そうそう。扉絵、素晴しかったです。

『桜乃さん迷走中!』、この季節に、桜乃さん、くしゃみに鼻水ですよ。おお、花粉症か。けど、桜乃さんはなかなか認めたがらなくて、いやでも、これちょっと気持ちわかる。鼻水がとまらない。ティッシュも尽きて、けどハンカチはクマゴローのイラストハンカチ。これは使えないと、ああ、その気持ちはものすごくよくわかります。よっぽど辛いんでしょうね、ここからの桜乃さんの言動がもう逐一おかしくて、都市伝説だの幽霊アレルギーだの、マスクに除霊、声とともに吐く息を使った物理攻撃などなど、ほんといってることがおかしかったです。キュッ。けど、結局は花粉症ではありませんでした。せっかく受け入れたと思ったらそうじゃなかった。というか、むしろ風邪の方がずっとつらい。ええ、桜乃さん、春から大変そうです。

『タヒチガール』、これ四コマじゃないんですね。9年前、タヒチに渡った姉。以来、妹夕凪麻衣はひとり暮らし? いや、どうなんだろう。麻衣、とにもかくにも無表情。クラスの子をおびえさす、麻衣のことこっそり気に入ってる天王寺林檎も笑顔でビビらす。けど、このお嬢、可愛いな。シェフが作ったっていってるけど、こっそり自分で作ったお弁当、麻衣に差し入れるのか。自然な笑顔が出ない麻衣。それが林檎には面白くないみたいですね。この土地には、林檎の家、天王寺グループの作ったリゾート施設があって、結構な人気があるみたい。それがタヒチをモチーフにしていて、なるほど、ここで姉と繋がるんですね。そして、姉のいるタヒチからはマハナなる女の子がやってきて、かくして麻衣と友達に!? 次号に続く! ええ、どうなるかはこれからですよ。しかし、カラーの扉絵。タヒチ的衣装のお嬢さん5人。右から麻衣、マハナ、林檎、そして顔の隠されたふたり。ええ、皆それぞれに魅力的。見た目に麗しくございます。

『だから俺は家から出ません!』、ゲストです。大人になったら結婚しよう。幼なじみとの約束、それを心にしまい込んでいた莇想太は、中学卒業とともに夢を打ち砕かれたのでした。幼なじみ、黛アイカに見事ふられたんですね。ああー。でも小さいころの約束とか、そういうもんよ。で、想太はひきこもりに……。って、歴1年で現在高2。イトコの姉ちゃんも大学いかずにひきこもりなのかい? 一緒にMMORPGしたり、そして二次元に逃避して — 。想太、アイカに振り回されてますね。惚れた弱味ですね。向こうからしたら、別に想太などどうでもいい。適当な発言を勝手に想太がいい方いい方にと誤解して、その結果が今だっていうんですね。まあ、恋愛なんてそんなもんだよ。かなわないのが当たり前なんだよ、ちきしょう。約束とかなんだ! しかし、最後にアイカが想太のもとにやってきて、ひきこもりなんてさせないわよ! はたしてどうなるのか。というか、想太は入学以来不登校で、ちゃんと進級はできてるのか? これ続くんでしょうね。ここで終わりとか、なしですよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第5号(2014年5月号)

2014年4月11日金曜日

メェ〜探偵フワロ

 お待たせしました、ナントカの新作、『メェ〜探偵フワロ』であります。ひつじの名探偵、フワロ氏は実業で成功した資産家にして名探偵。晩年、都会を離れ、静かな田舎にて探偵社を開業。この漫画は、そんな探偵フワロ氏の華麗な活躍を描いたもの、ではないんですね。フワロ氏、人呼んで血に飢えた草食獣。氏の求めるものは、殺人事件、猟奇事件、物騒なものばかりというんですね。ところが、氏の住まう村は平和で平和で、事件なんてありゃしない。ともない、全体にほのぼのと人情の暖かみ感じる、ハートウォーミング探偵コメディとあいなりました次第なのです。

多分。

いやね、めちゃくちゃ面白いんですよ。登場人物は主役のフワロ氏に、甥のアーサー。メイドのミスレモンと、レモンのことが気になってるヨシュア・コバーン少年、この4人がメインといったところですね。そこに加わる第三者、まれに怖ろしく強烈なキャラクターを持った人が出てくるんですけど、ああ、ヴィヴィアン、黒薔薇の君よ。最高に面白い。もう、笑いがとまらないというか、おさまったと思ったら次の笑いに襲われる、笑いの波状攻撃といった具合なんですね。いやもう、ナントカの漫画にはこれがあるからたまらない。ほのぼのな絵柄に人の情の機微を良い面も悪い面も合わせ持って乗っけてきて、ブラックなユーモアから胸にじんわりと暖かさの灯るようなロマン、人情、叙情まで、幅広く見せてくれる。その持ち味は『メェ〜探偵フワロ』にも健在で、いやもう、笑って笑って笑って笑って、そして時にほろりとする。この塩梅、ほんとすごいバランス感覚だと思う。間違いなく、手放しでおすすめできる素晴しい作家のひとりであります。

しかし、なにをどう描けば、なにをどう押し込めば面白くなる。そうしたこと、よく把握してる作家だなあと感心させられるのですよ。私は連載でもうすでに読んでるんです。だから単行本は二回目。いや、きっとそれ以上になるんですけど、なのにですね、初見の時のように面白く読めたんですね。どういう展開になるかわかってる。どういう振りがあって、どういう反応が返るかも当然わかってる。なのに新鮮さ、生き生きとして褪せない魅力に溢れていて、本当に面白かった。かけあいが面白いんです。キャラクター、その個性が魅力的なんです。そしてひとしずくのロマンが、この漫画をただ面白いだけの漫画ではなくしている。クリスマスの思い出。サンタクロースの話には、ぐっとくる人も多いのではないか。心洗われる、素朴に誰かを思う心の確かな価値。また子供の頃の素直な憧れなどに触れるエピソードも。ちょっと最近忘れてたかも知れない、そんな気持ちを取り戻させてくれる。ええ、そんな漫画でもあるんです。

けど、基本的には面白おかしく楽しく読める良質なコメディです。で、読んでいくとわかるんですけど、名探偵フワロ氏。こまったおっさん、とんでもないおっさん、そう思わせて、いやいや、この人、意外や有能だぞ! ええ、漫画だけじゃない。登場人物もまた、奥が深いのでありますよ。

  • ナントカ『メェ〜探偵フワロ』(まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2014年。
  • 以下続刊

2014年4月10日木曜日

『まんがタイムきらら』2014年5月号

『まんがタイムきらら』2014年5月号、昨日の続きです。

『スロウスタート』、なんだか不思議とよいですね。冒頭、廊下にて戯れる生徒に注意する先生の髪が、ばっさり短くなってた。そこからのえーこの追求、攻勢、それがもう最高で、押しが強い、人懐っこい、なんかすごく魅力的で、いやもう、先生、友達になっちゃえばいいのに! いやまあ、大人の先生からしたら、小娘の押し込みなど、お前うぜえで終わりなんでしょうけど、えーこの行動言動、面白かった、キュートでした。けど先生としては、確かにちょっと迷惑かもですね。そして花名ですよ。万年さんなる店子さんに管理人代理で荷物をお届け。勇気出したじゃん! と、そこまではよくても、万年さんもいろいろ問題あるっぽい人だったーっ! こちらもいわば留年仲間なのか。そして人見知り仲間でもある。震える手と手が近付いて、そして握手。このふたり、なにかいい関係になりそうですね。

『しゅばりえーる』、なるほど、騎士を目指すには貴族の子弟であることを証明せんといかんのか。かくしてセリーゼ、実家に連絡して貴族証明書を取り寄せるというのですが、字が書けない。なのでヴィオが代筆してくれました。セリーゼからの手紙であると証明するために、絵を添えるというんですね。それで皆で絵を描きはじめて、サツキのゴージャスな自画像。ジャスミンの無下な断わり方が最高でした。いらない。エクスクラメーションさえつかない。いらない。すごいシンプル。いらない。そしてセリーゼのもとに届く貴族証明書。さらに服まで届いて、なんと2ヶ月の食費に相当するのか。セリーゼの実家のあたりなら半年分とかかもだって!? ああ、ご両親、セリーゼのこと応援してるのだなあ。その親心、ぐっときましたね。両親の気持ちをちゃんと受け止めているセリーゼもまたよかったです。うん、綺麗なセリーゼ。頑張るがよいよ!

『ギタ×マン!』、これもまた面白いなあ。マンガ戦士ヤマナギ。うん、すごいセンスだ。あめりとゆもと先生の歩み寄り回だったんですね。あくまでも漫画第一のあめり。当然ギターに強いこだわりを見せるゆもと先生。まあ、そりゃ当然なですけどね。でもそれじゃいつまでたっても距離は縮まらない。そこをるっかの発案でなんとかするんですね。ギターと漫画の活動を、今日は入れ換えよう。妙にうまいマサがいい味出してますよ。るっか、ゆもと先生もまたいい味でしたけどね。しかしこの入れ換えで、ゆもと先生は絵を描く楽しみを感じ、あめりはあめりで、ギターに打ち込むゆもと先生に対する憧れを思う。この双方の新たに感じたこと、これは本当によかった。ええ、素敵な展開でありましたよ。そしてゆもと先生、やまなん先輩大否定。あの否定の勢い、絶対ないのあの目! 最高でした。けど、ほんとにそうなのかな? ちょっと意味深な描写もありましたよ。

三者三葉』、本当に最高だな! 西山芹奈さん、ご乱心。傷だらけで登校してきて、かと思えば葉山ちゃんも傷だらけ。喧嘩か!? 近藤が早合点するんだけど、違う。ふたりとも猫に飛び込んだだけだ。っていうか、照についたキャプションが酷い。猫の腹に顔を突っ込んでいく無法者である。無法者である! もう、この言い回し! 最高だと思う。そしてわかりあうひとりとひとり。もうたまらん。もうどうしたらいいかわからんくらい面白かったです。というか、葉山西山組。猫となると飛ばしますね。いろいろわかってる感じの双葉もまたよかったですよ。

『Soft☆Karte』、これは気にいったやも知れません。今日は怖い話。深夜の病棟にて囁かれる噂の数々。電灯がチカチカ。エレベーターが誰もいない階に……。そして少女の影がすーっと消えた。などなど。カンナがよかったのですよ。嫌な予感しかしない。驚き顔から立てません。そしてユウコ先生に甘える。その流れが実に面白かった。というか、ユウコ先生、面倒見がいいな。これらに加えて、ちょっとあかんたれのカンナも、患者さんを前にするとしっかりするってところがグッド。最後の、ユウコ先生もクールさの影に怖れと可愛さ隠してグッドでした。

女子大生生活様式』は、まだまだ寒い冬ですよ。うん、冬は寒いから出歩きたくない。それに、学校に慣れて、なんだかぐずぐずとさぼったり遅刻したりしがちの季節なんですよね。ええ、自分はさぼりはしなかったけど、遅刻はしょっちゅうだったよ。入学式も卒業式も遅刻したぜ! 雪が降るかも、それで嬉しそうなゆず、対しめちゃめちゃクールなこよ。寒いの嫌いなのかい!? ショック受けてるゆずがですね、もう見た目に面白くて、でもってあの淡々と語るその言葉の寒々しさ、最高でした。そうかあ、ゆずちゃんはこうなるんだ。学校組はねねにことね。自宅組がゆずとこよ。あの、勉強したくないことねと、なんがなんでも勉強に持ち込もうとするねねの攻防、見事でした。そして皆、合流。ゆずとねねは、ほんと、気があうなあ。そしてまさかのことね。ああー、勉強しすぎで駄目になったっぽいです。

My Private D☆Vは『ステラのまほう』のくろば・Uです。羞恥心で爆発しそうな女の子。あとセーラー服、とのこと。風にスカートがめくれた? スカートの中身は見えないようになってるはいいですね。けど羞恥心でいっぱいの顔、これはしっかり描かれて、なるほど、こうした表情に萌える気持ちを感じるというのは、なるほど納得です。他には、学園祭の喫茶店? ちょっと際どい衣装を着せられてしまったり、そして罰ゲーム? 椅子にしばりつけられたその目の前で、過去の同人誌を回覧されてしまう。同人誌の子のあの表情、あの様子、確かに可愛いんだけど、加えてなんか面白くて、妙によかったですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第5号(2014年5月号)

2014年4月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2014年5月号

『まんがタイムきらら』2014年5月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』、三人娘がパジャマパーティ? いや、パジャマじゃないかも知れない。おなか出てる。このままだと冷えそう。けど、これ、お風呂上がりっぽいですね。なんだかくつろいで、皆の周りには猫やら鳥やらうさぎやらと可愛いものがいっぱいです。しかし、ほんと、三人、彼女らも実に可愛い。姫のなんかへろっとした感じの表情、これはよいものですよ。

チェリーブロッサム!』、大倉山先輩周辺が動いていますよ。前回の遊園地襲撃。あれだけやって、やらかして、バレてないんだ! 今回は、思わぬドジに照れる大倉山先輩。ブル神家の一族、って、これがまた色気もなにもないっていうのがなんかすごい。すごくシュールな絵になってて、とにかく恥ずかしい、それはよくよくわかって、先輩の意外な側面でありますね。そして先輩の見る大咲、またそれも新たな側面であって、どういうところが魅力であるのか、それを再度あらためて認識したといいましょうか。ちょっといい雰囲気で、なんだかいちゃいちゃっぽい。けどさ、そんなところを妙蓮寺に見られてしまい、そしてそれが椿に伝播! たたた大変だ、なんかすごいことになった。じわじわ進むのかなあ、少しずつその気持ちをふくらませていくのかな、みたいに悠長に眺めていたのが、一気になんだか転がりだして、どどどどうなるの!? いやほんと、思いがけない方向から思いもしない爆薬が投げこまれたといった展開。大岡先輩、大変だ!

すいまさんといっしょ』、おお、なんだろう、このスローな時間、穏やかな雰囲気。扉絵は、こたつでうたた寝すいまさん。あの、積み上げたみかん、一番上に顔が描かれてまして、ほんと、一枚のイラストとしても魅力的。雰囲気、シチュエーション、すごくよいんですね。さて本編もこたつですよ。ユウが学校いきたくないっていってる。あくむちゃんに変態と呼ばれたのがショックだった。顔を合わせたくない、そんなこといってるんですね。でもなあ、変態って誉め言葉じゃんか、ってのはすいまさんの弁でもあって、ご褒美らしい。うん、長さま、偏ってるなあ。学校では学校で、あくむちゃん、人間としての名前は夢野さんですね、自分のせいでユウが休んでるんじゃないかって、それで心配してるのね。でもって、しおりと一緒にお昼、お話しして、このふたりのやりとり、それもまた暖かで穏かで、素敵でした。そしてユウの誤解もとけて、ええ、あくむちゃんがご主人って呼んでくれたりなんかしちゃって、ああ、もう、なんだ、いいなあ!

『ヴぁるばいと!』、なんか知らんけど面白いなあ。のっけから店長の策略。嘘の情報で可愛いポーズとらされた挙句、バイト募集のポスターに使われてしまった。しかも等身大POPまで作られてしまって、いやもう店長のこの行動力。そこで働いてる響乃たちにとっては困ったもんだけど、ひとごとだと面白いかもなあ。いや、実際ひとごとだからだろうけど。店の行く末が心配。立地条件はよくないし人手も足りてない。そうした逆境の中、いろいろ策をめぐらすんだけど、それがどうにも有効とは思えないその残念さ。けど、つばめの丈の長い制服、これはちょっと可愛かったです。まあ、店の行く末にはあんまり貢献しなさそうですけど。しかしヴァルハラですよ。名前からして屍累々なのですなあ。あ、そうそう。弁当屋シミュレーションゲームで、野良犬を雇って他の店の妨害に放つというのがありましたね。ええ、けど現実には無茶っぽいですね。

『あわいろトライアングル』、ゲストです。主人公は小豆。彼女にはすごい友達がいて、文武両道、なんでもできちゃう、んだけど……、マイペースで日常のいろいろをこなすのは苦手みたいです。優李。髪が水色。なんか印象的です。小豆、マメって呼ばれてますね。ユーリの世話を頼まれていて、しかもただ起こして髪ととのえて、とかいうレベルをはるかに超えているんですね。で、ここにカナって子が加わって、負けず嫌い、ユーリに対し喧嘩腰。けど決して嫌いとかではないようで、というか、むしろ好きそう? 三人の中で一番しっかりしてるのが、一番チビのマメっていうんですね。けどマメはユーリにからかわれたりして、けど大切にされてるのもわかる。この子らの関係、次回には、さらにもうちょっと踏み込んで描かれるのかな? 楽しみに待ちますよ。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第5号(2014年5月号)

2014年4月8日火曜日

『まんがタイム』2014年5月号

『まんがタイム』2014年5月号、昨日の続きです。

はこいり良品』 は、商店街 de 婚活。商店街ひいては市の活性を図るために、市のバックアップを受け商店街で婚活なのだそうですよ。もちろんしおりさんは参加する側じゃなくて、主催側であります。しかし、主催側の内情、これがやたら面白かったです。かつての催眠商法。その連中が使っていた場所でやるっていうんですが、おいおい、まったく同じ魂胆ですかいな。いやほんと、いかします。青空古書店の仕掛ける人生すごろくの罠も面白く、しおりさんにいやーな目で見られてるぞ! その後もいろいろな演出、その意図、なるほど納得、しかし皆、策士だなあ。でもって最後に残念賞。これは面白いわ。これはいいわ。ほんと、あの二段構え、見事でした。

『ひらめけスイッチ』、まなちゃんなる女の子登場。側溝、金網の下に落とした定期入れを華麗に拾いあげてくれたのが平目くん。このひとすごい! かっこいい! すっかり入れ揚げちゃったまなですが、平目くんの持ち歩いてる秘密道具は学校から無断で持ち出してる実験道具だ。しかし恋しちゃったまなには、どうにも平目のやることなすこと、かっこよく、魅力的に見えてしまうようで、いや、まあ、いいじゃん。恋なんてしょせん誤解よ。小波に対するライバル心が面白かったですよ。顔よし、胸よし、足も見事にむっちりで、って、それは欠点なのか。うん、小波ちゃん自身気にしてるものなあ。しかしこの子の策略、知らず平目を追い詰めて、で結局ふられちゃったの? この顛末、空回りと暴走と勘違いと恋心、実に面白かったです。

『絵本とママ』は南国でグラビア撮影。お母さん、付き添うんですね。食虫植物に夢中。うむ、実にいい感じ。このお母さん、絵本作家の透子先生の絵を描くのが好き、ついつい夢中になっちゃうこの性格、これが実にいい。気にいっていますよ。今回、娘みさきの撮影。水着でというの、うん、結構いいかも知れない。熱田の気持ち、ちょっと理解できたかも知れない。しかし、自分の利益のために娘の写真を使う母、たいしたものだ、そう思うのと同時に、ある意味、熱田のことを信頼してるんでしょうね。あと、スコールのね、雨にいらつくスタッフをなだめるために即興で物語を作っちゃう。ああいうの、すごく面白い。イラストもまた素敵でした。

『ノコひけ!工業娘。』、今回は黄金比。こういうの知ってると知らないでは、全然違うっていいますよね。黄金比に白銀比、青銅比、白金比、第2黄金比、などなど、こんなにもあるんですね。知りませんでした。白銀比は第2金属比とも大和比ともいうのですか、と、ここまで書いてみたら、もう「比」という字がなんだかよくわからなくなってきました。そしてテーマ別の実習風景。だんだん専門化していくんですね。杉口先生の手元にあるカタログの山。これ仕事に必要だからだろうな、そう思ってたら、それだけではないようで、正確な縮尺の模型が作れるんだとの力説。こういう変わらないところ、いいですよ。昔ね、建物の模型、公民館とか博物館とかいくとロビーのすみに置かれてたりするじゃないですか、ああいうのを作ってる知人がいたんです。今回の話は、その人のこと思い出させてくれました。そして木工Bグループ。相川と男子の適性。いやもう、グッドですよ。相川さん、頼もしすぎます!

  • 『まんがタイム』第34巻第5号(2014年5月号)

2014年4月7日月曜日

『まんがタイム』2014年5月号

『まんがタイム』2014年5月号、発売されました。表紙のテーマは春ですよ。お花見? 新緑? おとぼけ課長をメインに、さば水煮を食べる『まりあ17』まりあ、部下ちゃんと一緒にサンドイッチを用意する『秘書の仕事じゃありません』、そしてマイク手にして歌っている『鉄仮面のイブキさん』であります。伊吹さん、可愛いなあ。

『おとぼけ課長』、最後の一本、あれはとりわけ面白かった。やかんを火にかけっぱなしなのを怒ってるのかと思ったら、最後のしまいには、オレがつぎつぎ燗をつけちゃうだろとくる。あの絵のおかしさ。課長の表情のつけ方。味わい深いですよ。ええ、面白かった。

『ゆとりノベライズ』、都、なんだ、イメージチェンジだぞ! 女の子みたいな格好してる! GLXギャラクシー文庫の姉妹レーベル、TWトゥインクル文庫から恋愛ものを出すことになった。このことについては、以前にも語られてましたよね。それがこう具体化して、いよいよ来月発売という打ち合わせ、ここで都がかわいい格好。編集さんのしわざだったんですね。乙女心の解放なのか。編集さんのおっしゃるとおり、確かにかわいい。よく似合ってます。さて、編集の叶さん、都の恋愛経験とか、登場人物にモデルがいるのでは? とか、いろいろ聞くのはなぜだろう。モデルはいないと知らされてがっかり。あー、叶さん、ときめいちゃったのかあ。うん、がっかりだよねえ。わかりますよ、その気持ち。かわいい都、街中でミツヒと出会ってデートと勘違いされて、いやはや、若い子は元気だなあ。ミツヒもGLXでいよいよデビュー。武者震いらしい。そんなミツヒを見て、気持ちを奮い立たせる都。あの表情は凛々しくて、素敵だったなあ。ほんと、都、いよいよ始動でしょうか。上り調子です。

大家さんは思春期!』、テスト期間が終わっても、なお遊びにくるマユですよ。習い事がないと暇だから、そういって遊びにくる。しかしそれが前田さんの部屋というのがいかしますよね。可愛い女子中学生が増えて困る事はないですよ。うん、この子、押しが強くてよいなあ。この子はこの子で、チエとはまた違った魅力のあるキャラクターだと思わされましたよ。学生の頃の長期休みの過ごし方。商店街の手伝いするチエ。部活漬けだった麗子さん、そしてゲーム三昧バイト三昧だった前田さん。ああー、自分は麗子さんパターンだったな。マユ発案でカラオケにいこうということになって、中学生だけじゃ危ないからと麗子さんが暗躍。どこぞに連絡して場所を確保。まさか、麗子さんの職場!? カラオケ編は来月です。いやはや、どんなことになったのか、楽しみですよ。

『週末すろーらりー』、チューリップ畑ですよ。けど、花が咲いたらとっとと摘まれてしまう。花を育ててるんじゃなくて、球根を収穫するからそうするんですよね。花がもったいない、そう思うももだけど、草木染、やる? チューリップ畑を見て、いろいろ思うももの様子。写真を撮ってメール。エンジョイしてますね。ほんと、素敵な風景であります。そして卓球。卓球の選手、世界ランキング7位夢ちゃんの話が出て、ももの友達、そうか、最初夢ちゃんのこと知らないままに友達になったのか。あの回想、二子の憧れている様を見て思い出された出会いの風景がおかしくて、いつか二子と夢ちゃんが出会う日もくる? どういう展開が用意されてるのかもわからない今、いろいろと多様に展開できそうな可能性、どこに向かうのか、興味津々であります。

『鉄仮面のイブキさん』。うわー、伊吹さん、うわー。ドレスですよ。じゃーんとかいってますよ。演劇部の衣装を着てるんですが、なんという美しさ、なんという可憐さ、まさしく姫、どう見ても姫、最高ですよ。カラーなのがなおも嬉しく、いやほんと、跪きます、いくらでも跪きます。面白かったですよ。演劇部の先輩、哀原先輩ですよ。あの人、相楽さんのこと気にいったんだ。で、かわいいなと思ってで、気合いが抜けて、表情が! 表情が! すごい味のあるキャラクターになってきたな。いやほんと面白い。今回の見どころは、伊吹さん、相楽さんの着せ替えですよ。王子の相楽さん。ナースの伊吹さん。そして伊吹さんの真摯なお願いに負ける相楽さん。ドレス着て、あああ、こりゃ可愛いよ。ああ、なんでカラーじゃないんだ。なんでカラーページ終わってるんだ。酷く悔やまれて、いやほんと、超可愛い。照れて逃げるなど、ほんと、それが乙女心です! って、哀原先輩、顔が、顔が! 王子の伊吹さんもクールでキュート。ほんと、今回は眼福回でしあ。そして喜多くん、伊吹さんとの関係性が、ただの隣の席とあらためて突き付けられて、ああー、どうする? どうなる? 喜多くんの選ぶ未来はどこに!?

  • 『まんがタイム』第34巻第5号(2014年5月号)

2014年4月6日日曜日

いちごの入ったソーダ水

 アニメ『未確認で進行形』、皆さんはご覧になられましたか? 私は見ました! 超面白かったです! さて、『未確認で進行形』の作者荒井チェリーさんの新刊『いちごの入ったソーダ水』、この第1巻が先日発売されましてですね、読んでみたらすごく面白い。腹がよじれるなんて慣用句がありますけれど、そうかこの感触がそれなのかと実感してしまうほどに笑えて、本当にこの人の漫画はよいな、そう思わせられる次第なのであります。『いちごの入ったソーダ水』、舞台は迷迭香女学院。かつて葉子様もお通いあそばしていたという名門の女学なのですが、高等部から迷迭香に通うことになった花泉月、月と書いてるなと読ませる、お嬢様らしからぬお嬢さんのお話。かつては周囲を震えあがらせたやんちゃ娘がお嬢様たちの群に放り込まれて、描かれるのはそれからの彼女の新生活。そうしたらこいつがべらぼうに面白いのです。

るながですよ、迷迭香に入るとなって、舎弟からいわれるわけですよ。女子校っつったら百合じゃないっスかー!!。いやいやいやいや、もちろんそんなことはないわけなんだけれども、るなにとっては女子校の実態なんてわからない。まさかそんなことないだろう、そうは思うが入ってみても色々心配で — 、そんなだった彼女が寮で同室の御代田こひめと仲を深めていく、そういう物語であるのです。

乱暴でがさつ、あからさまに毛色の違うるなと、お嬢様中のお嬢様、世間知らずで人見知り、自分の世話もままならない、そんなこひめが、なんだってこんなにも自然に引き合っていくのだろう。そう思わせるのは、キャラクター造形のうまさ、そして描くその筆致の確かさのためなのでしょう。るなは姉御肌なんですね。やんちゃでぞんざいなんだけど、困ってるやつがいたら放っておけない。慕われたら無下にできない。なんだよ、いいやつじゃん! それがるなという子です。日常生活を送るのに、もたもたと慣れない様子のこひめのこと放っておけるわけなんてなくて、自分がやる方がはやいからといいながら、こまごま世話を焼いてあげている。その様子は迷迭香の子らから見ても過保護なようで、けどそんなるな、こひめふたりの様子は、見ていて本当に自然で、ほのぼのとして、暖かいのですね。

面白くないのは舎弟ですよ。あ、舎弟の女の方。さっきの百合発言じゃない方。小山田杏奈。私の姉御が迷迭香に、女学院に染められていくー! 私のかっこよかった、憧れの姉御がどんどん変わっていく、そのことに危機感覚えて、とにもかくにも面白くない。あの女とどういう関係!? もう、嫉妬、嫉妬、ジェラシーですよ。って、百合なんてあるかー、そういってる君のその感情がどうもそれっぽいんだけど!? いやもう、荒ぶる杏奈、その鬼気迫る様子は最高に面白い。笑いとまらない。百合男子湊咲太郎の興奮、ハッスルも面白いのだけど、すまねえ、杏奈のそれには及ばねえな。もう、杏奈は最高。あのどんどん深みにハマっていくプロセスは、これがギャグ寄りコメディ寄りの四コマじゃなかったら、一種のホラーといってもいいくらいだ! ほんと、杏奈は最高です。

この漫画は、ギャグ寄り、コメディ寄りの四コマなのです。だから、出てくる人、出てくる人、みんな一癖二癖あって、そのやりとりからが面白いのです。けれど、一歩間違えるとギスギスした雰囲気にもなりかねないやりとり、ぽつぽつ散見されるのだけれど、それが不快さ感じさせない、それどころか暖かくさえ感じるものになっているのは、この漫画の人たちが、すっきりとして気持ちのいい、いい人たちだって伝わるからなんだと思います。険のあるいい方する彼女もあの子も、腹の底までは悪くない。素直でなかったり、好きが好きすぎたりするだけだってちゃんとわかる。だから、そんな彼女らとのやりとりも微笑ましく、愛らしい。ええ、すごくチャーミング、皆チャーミングなのがこの漫画の美点のひとつです。

そして美点はまだあって、御代田こひめのいう、私はるなの事好き。一切のまじり気なく、素直に向けられる好意。この台詞に触れた時、このコマに触れた時、胸がぐっとつまって、涙が出た。こうした思いを誰かに向けること、誰かから向けられること、そしてその気持ちを素直に言葉にすること、あったろうか。そのあまりにも当たり前すぎる、けどその単純なことが自分にはできない。そう思ったのかも知れません。御代田こひめの、好きという言葉に私は心底打ち砕かれたようになって、ええ、こうした気持ちの素直さの伝わる、このことは疑いもない美点であるとうけがいます。

引用

  • 荒井チェリー『いちごの入ったソーダ水』第1巻 (東京:芳文社,2014年),8頁。
  • 同前,93頁。

    2014年4月5日土曜日

    『まんがタウン』2014年5月号

    『まんがタウン』2014年5月号、発売されました。表紙は映画『クレヨンしんちゃん』をメインにしまして、周囲を連載作のキャラで固めるといった布陣です。『鎌倉ものがたり』、『派遣戦士山田のり子』、『押しかけ時姫』、『ままごと少女と人造人間』、そして『夢からさめても』、って、『夢からさめても』だけ主役じゃないじゃん! 美弥さん。うん、でも主役よりも美弥さんの方がいいや。ナイスチョイスであります!

    『押しかけ時姫』、なるほど、海斗の母御、時姫から尊敬されてるのか。その理由がよかったですよ。有能だからっていうんですが、洗濯はじめ、やることなすことすごく手早い。いやはや、なんでも手作業だった時代とは違いますからね。ほんと、家電というテクノロジーが人を、ことさら家事に従事してきた女性を開放したのだなあ。姫、海斗の母から家事を習うことになりました。なるほどなあ、やっぱりいつか戦国時代に帰ること前提で考えてるんだ。家電は教えない。となるとインスタント。したらそれが陣中食と同じと好評。あの、誉めちぎられてうろたえる母上が素敵でした。この母上、バブル世代なんですね。扇を持って舞う。ううー、ピンとこないですよ。世代が違うのです。そしてナチュラルメイク。髪の手入れ。頭なでなで。なんだかんだで、姫、可愛がられてますよね。

    『居間には今外国人がいます。』はカバンの話。皆、同じカバンを使ってる中、自分だけが違う。そう思って、皆と同じカバンを欲しがる万希なのであります。自分のだけゴツい、自分だけ革カバン、って、いいじゃない。そう思えるのは、自分がもう学校にいないから、子供ではなくなったから、なんだろうなあ。こうした皆と同じじゃないこと気にする自分に、日本に馴染んだと思う万希。ああー、確かに日本的なのだろうなあ。しかし、これからがおかしい。家に帰ってカバンをねだれば、出てくる出てくる、ランドセルに風呂敷、一体どこまで遡ろうというのか。今回は、学生カバンの今昔に、海外の雰囲気なども混ぜ込んで、けどそのベースに年頃の女の子万希の気持ち描いて、面白可愛かった。でもって、革カバンブーム。うん、でもよかったじゃん、万希。それに、こういう、ちょっといいものを持つのもまた悪くないことと思うんですね。いい思い出になりますよ。

    『思春機13号』、ああ、いい最終回でした。大人になった七瀬は、カメラマンのアシスタントをしてるんですね。けど、日々の仕事に心をすりへらしてしまって、もうなにを目指し、どこに向かえばいいか、わからなくなってしまってる。そんな彼女が見上げた夜空。流れ星に思った七瀬の切ないモノローグ。いやほんと、ちょっとした詩だな。そして彼女、ひとみと再会ですよ。うわあ、ひとみ、変わったなあ。そりゃ七瀬も変わったんだけど、ひとみの印象は七瀬以上に違ってしまっていて、なんだろう、すごく素敵なお嬢さんになってるじゃん! 夢を持って再びこの星にやってきた。そんなひとみが七瀬に聞く夢の話。思い出せないという七瀬に、ああ、セイシュン回路、このくだりは胸にこみあげるものがありました。思い出した七瀬の夢。世界中の星空を写真に収める。その理由がまたよかった。友達のいる星がきっとそこにあるから。ああ、七瀬とひとみの友情。その確かさがここに息衝いて再び動き出した。そうした感触。あのドタバタのラストもまた、この漫画らしくて本当によかったです。

    『涙の数だけ輝いて!』、IDL108と対バンですってよ。けど、仕事をとってきたマネージャーが対バンを知らない。このいいかげんさが実にいいですよ。直子が元IDL108なんですよね。ああー、そういやそんな話もあったなあ。その理由は語られないんですけどね。さて、ブーイングとかないかと心配しつつ罵倒は期待する唯ですよ。もう大好き。しかして、唯の不安は的中し、直子に裏切りものとの罵倒が! こういう時に後先考えず前に出る晴香もまたいいキャラクターだと思うんですよ。感情が真っ直ぐ出る、そうした気持ちのよさがあって、そして挑発合戦。いつにない発言におたおたしてる直子、あのぐるぐる目が最高でした。IDL108センター月島優香、お詫びがあって、また直子たちの発言、あれを面白がってくれていた。このメンバー間に確執がないというの、こういうのもまたよいと思うのですよ。

    • 『まんがタウン』第15巻第5号(2014年5月号)

    2014年4月4日金曜日

    ホームメイドヒーローズ

     改めて見ると、眼鏡率高いなあ。『ホームメイドヒーローズ』、DIYの正義の味方一家でありますよ。特撮ヒーローに憧れるあまり、家族総出で戦隊ヒーローになる! と決めたのはいいけれど、やっぱり現実ってのはいろいろ難しくってね、変身とか無理だし、スーツだってハイテクに限界がある。その上ロボットとなったら、あれやらこれやら問題山積で、道路が耐えられないにはじまり、果ては法令違反。ああー、夢とか叶わないものなのでしょうか!? 父母祖父含めて一家でヒーロー志望という非常識と、正義の味方たるもの法令は当然守るし、物理の法則などからは逃れられないというのも道理、そうした常識がコンフリクトする、なんてところにおかしみのある漫画であります。

    そして同じく常識と非常識がコンフリクトおこしてる一家がありまして、菅部一家、こちらは悪の組織を夢見ていて、大学教員の父と中学校教諭の娘が中心になって、悪を夢見ているんですね。目指すは世界征服。とはいっても、本当に悪辣なことやろうとは思ってない、つまり人を傷つけたりとかするんじゃなくて、ただ純粋に悪の組織として無目的に世界を征服しようっていう。考えてみれば、すごいロマンだと思いますよ。その夢の叶うまでは、誰にも知られちゃいけない! ましてや、小さな悪やトラブルなどで新聞沙汰になるとか、もってのほかなのだ! 結果的に、すごく静かに目立たず生きる、まさしく小市民の見本みたいになっちゃって、ええ、なかなか思うようにいかないのは正義も悪も同じようです。

    この漫画の面白いのは、そうした常識と非常識、夢と現実の衝突する、その狭間にある、そういってよいのだと思います。誰だって思うじゃないですか。突然教室にテロリストが! みたいなシチュエーション。あるいは、もし今ここで暴漢が現れたら!? みたいなこと。こうきたら、こううけて、こうやっつけるんだ、みたいなことを思いながら、けれど現実にはそうはいかんよなあ。現実にはそうはいかない、その苦笑い。本当に命の危険にさらされたしたら、そんなに思うようには動けないだろう、そうした現実もあらば、そもそも身近にそんな事件なんて、そうそうおこりませんから! そうした現実も。実際、そんな事件なんてない方がいいにきまってるし、平和に暮らせることが一番なんだってのは、この漫画のヒーロー一家、仙台家の人々もわかっていて、けれど自らの正義を体現したいと思う気持ちが、悪の組織を求めてしまう! おお、このジレンマよ! けど、その気持ちはちょっとわかる。なんか共感するところあって、けど、ほんと仙台家の男たち大人たちのまっしぐら具合よ! いつかきたるその日のために、体を鍛え、スーツを試作し、さらにはロボの青図まで描いて、しかしはたしてその努力が報われる日がくるのだろうか!?

    くるのかも知れませんよ。

    いや、だって、これ書いちゃっていいのかな。いや、やめとこう。諸君、刮目して第1巻を読み、2巻発売の日を待つのだ!

    そうそう。この漫画、そこはかとなく色っぽいですよね。阿久乃先生の自宅スタイル。上下スウェットでぺたりと座る。さ、最高だ! それから、麻凛、真白もかなりきてます。こりゃもう、作者の面目躍如たるってやつなんすかね? なんすかね?

    ああ、そうだそうだ。作中でもちょこちょこ触れられてます。クラタス。そうなんだよなあ。こういうものもまた、私たちの生きる現実ってやつなんですよね。ええ、現実って意外と懐深いんだなって思わされますよ。

    2014年4月3日木曜日

    『まんがホーム』2014年5月号

    『まんがホーム』2014年5月号、昨日の続きです。

    『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』。前回に引き続き、月夜野さんと花ですね。ただ今回は、花といってもいつぞやの桜。夜桜観光なのだそうですが、自力で飛んでいく、そのつもりでいたのにズルしてトラックの荷台に乗っちゃった。そこからはじまる小旅行。見知らぬ港にいっちゃって、猫に狙われてみたり、溺れた猫を助けてみたり。飢えた子猫たちを助けるために、月夜野さん、さば水煮、箱ごと買ったのか。しかもそれを桜にくれてやるのか。あの、母親思って空を見上げる桜の精が素敵でした。そして月夜野さんのうちに残る母の面影。ああ、これはいいですね。桜の季節の物思い。いい話でした。

    『うちの秘書さま』、素晴しい。メイド隊、大活躍じゃないですか! 潮干狩りにいったんですが、本格スタイルの七瀬が可愛い。手を怪我したぼっちゃんへの対応、冷たい七瀬に花とばしちゃってるメイド連、この差、面白い。メイドさんたち、よいわあ。最高のお食事を、と思ったら海の家に負ける。こっそり手伝い、汚い裏取引。ほんとぼっちゃん愛されてますよ。こうしたバックグラウンド見えると、七瀬が厳しめに接する、その理由もわかるように思いました。ええ、違った愛のかたちであるわけですね。

    『そもそも受付嬢には向いてません!』、ほっほぁー! 面白いなあ。人見知りが特技の丸尾もこ。なんとしても人目につかないようにと工夫してみたり、いや、これは工夫とはいわんな。そうかと思ったら、気持ち入れ換えたように、前向きになってみたり。でも、やる気出すとお客さんこなくなるのな。先輩の竹さんのあの表情、いやもう、キュートでしたよ。素敵素敵。声出ない先輩を助けるべく黒子になってみたり、犬のぬいぐるみ相手に練習してみたりと、いろいろがいちいち可愛いもこ。そこはかとなく駄目な人ですけど、こうした姿勢が見えるから、憎めないというか、ほっとけないというか、そんな気持ちになるんでしょうね。あの花粉症もこに対する、ごめんの竹さんも実によかった。あと、洟垂れ女子ってすごくよいと思います。

    『はっちぽっち』、めちゃくちゃ面白いな! 電話で受けたお散歩依頼。なんか、すごくヤバそうな雰囲気で、いったいどういう犬なのか!? いやもう、想像を超えてきましたね。小梅ちゃん。中型犬。まだ若いんだろうなあ、ものすごいハイテンションで、散歩と聞いただけで嬉しくなっておしっこしちゃう。おおう、うれションってやつだー! 嬉しさのあまりポチ子のびょんびょん跳ねてみたり、散歩の途中、他の犬を見付けたら、やっぱり嬉しくてわんわん吠えてみたりと、やらかすこと、しでかすことが面白くて面白くて、いや、でも、こんな犬、いるよね。最高でしたよ。さすがのポチ子も疲れ果てるという、そんな小梅の威力。いやもう、しびれましたね。

    • 『まんがホーム』第28巻第5号(2014年5月号)

    2014年4月2日水曜日

    『まんがホーム』2014年5月号

    『まんがホーム』2014年5月号、発売されました。表紙のテーマは、みんなのスマイル、パトロール中。『らいか・デイズ』らいかを筆頭に警察官の制服を着て、らいかはなんだか色っぽく? 『いぬにほん印刷製版部』紙谷さんはなんだかとても元気な感じ。そして『主任の一ノ瀬さん』は、飲んだら寝よう、標語書かれたたすきをこう斜めにかけて、手には大吟醸。このやんちゃな感じ、いかなる格好してようとまごうことなく一ノ瀬さんでした。

    『警戒少女いちごちゃん』、ゲストです。新学期、田舎の学校に通う女の子、花巻るいが主人公。バスが一時間に3本しかない、って、普通そんなもんだよ! え!? うち、田舎!? るい、理系クラスなんですね。そしたらまわりは男子ばっかりで、ようやく見付けた女の子、すごい美少女、カエルのぬいぐるみを装備していて、その名はオマール。照れ屋で人見知りする茶町いちごの代わりにオマールがコミュニケーションとってくれるんですね。って、いちごの口、動いてない? ともあれ、恥ずかしがるいちごに驚きながらも、るい、オマール、いちごともに友達になって、いつか普通にいちごと話せる日がくるだろうか。そんな女の子ふたりの漫画です。

    『黒い大家さん』はお花見です。大家さんも河辺さんも参加せず、女子高生3人でのお花見。千花のやる気がすごい。女3人だというのに、なにそのお重の段重ね。ごはんものだけで2段、おかずは4段? いやいや、無理だろう。友達ふたり、無理して食べようとしてくれるんだけど、とうてい無理。と、そこに救世主。日向和田さんなんですが、神社の境内で倒れてる。転んで気を失ったっていってるけど、こりゃ嘘だな。行き倒れだな。で、この人、見事に全部たいらげて、いかすなあ、ほんと素敵な食べっぷりです。そこに御嶽さんも登場して、この人の浮沈、いやいや可愛いお姉さんたちでした。

    天国のススメ!』は、毎年恒例の桜の人。おっちゃん、草間がそういったら、なんと違うんだそう。女性なのかーっ! おっさんだと思ってたー! 豪華な感じの美人さん。おおう、めっちゃいかす。カラーページに二段ぶちぬいて、うん、素敵素敵、凛々しい姉さまです。嫉妬する十子、おしかけてくる桜。ビールをご所望だ。それを草間が用意する。家族全員味方か! ほんと、草間は見えないんだけどさ、そうして近くにおれて、美形だなんていわれちゃって、お礼までされちゃって、それが嬉しいのかどうかはわからんけど、よかったじゃないですか、草間。ええ、さぞやむくわれたことでありましょう。

    『メェ〜探偵フワロ』、めちゃくちゃ面白かったです。って、これ、ゲストか。フワロ氏のもとに飛び込んできた依頼。なんと傷害事件で冤罪事件、さらには目撃者なしの難事件。フワロ氏、いつもに増して活き活きして、いやもう、不謹慎なおっさんです。しかしほんと、この人の漫画は酷い。まさかの奥さん、ゴリラとか。お嬢さんはリスザルかそのへんですよね。で、夫はオランウータンか。なでなでなでなで、しまいにはゴーって、あの絵面の面白さ。もう、ほんと、さすがのナントカです。被害者には共通点。ハゲ頭だっていうんですね。死ねー! ツルツルがー!! と、死ねー! フサフサがー!! この対比の酷さ。最高に面白かったです。しかし、今回の事件の本質、珍事件なんですか。現場にて、空から降ってくる亀。へー、アイスキュロスってそんな死に方したんだ。いやもう、ここからの流れ、めちゃくちゃ面白くって、フワロ氏のバターンからガーン、被害者たちの対話にロシアンルーレット、なにこの畳み掛け。笑いがとまらんですよ。そしてあのラストも、もうたまらん。まさしく、ナントカの真骨頂。はじけてましたよ。

    • 『まんがホーム』第28巻第5号(2014年5月号)

    2014年4月1日火曜日

    フレラジ☆

     今日は4月1日。ということで、朱木茜さん、誕生日おめでとー! 朱木茜、新人声優、漫画『フレラジ☆』の主人公であります。『フレラジ☆』は、朱木茜、青柳葵、墨田圭、山吹薫の4人がパーソナリティをつとめるラジオ番組。まだまだ新人、いろいろ問題あるできないっ子たちをあえて選んで、パーソナリティに据えました。そうした趣向の番組の、放送の様子をいわばひとつの軸として、彼女らが少しずつ仲を深めていく様描いたり、あるいはそれぞれの子らにスポットライトを当ててみたりと、その描きようが幅広くて素晴しい。ええ、こんなにも面白くなるだなんて思ってなかった。声優という、一種アイドルを描いた漫画というよりも、職業としての声優に向き合う少女らの姿勢がいい。ぴしっと伸びた背筋の向こうに、彼女らの未来の可能性感じさせる、そんな感触が心地いいのですよ。

    ラジオ『フレラジ☆』は、あえて致命的な欠点のある子を抜擢して、彼女らの成長していく様を見せようというのがコンセプト、ってのはもういいましたよね。我らがヒロイン茜はというと、超がつくくらいあがり症で、ここぞって場面で、とにかくかむ、トチってしまう。こんな具合に、漢字が苦手な子、台本以外はてんで駄目な子、歌が壊滅的な子と続いて、ああ、それぞれの弱点、誰がそうなのかは、ぜひ漫画を読んで確かめていただきたい。やっぱりちょっとずつ知っていくのが面白いと思うんですよ。ああ、この子はこういうところに問題抱えてるんだな、でもこういう美点があるんだな、読んでいくうちに、その性格、人となりとともに少しずつわかっていって、その積み重ねが彼女らのキャラクターを確かなものにしていく。そこに加えて、なんだかすごく身近といいますか、まあ、声優の知り合いとか女子高生の知り合いとかいないんですけどさ、それでも、ああすごく距離が近いと思わせる、そんな気安さがありまして、それは弱点も悩みもオープンにして、頑張ってる、その姿勢がまじめな筆致でつづられているからだと思うんですね。

    兄の視点なんだろうか。ああ、茜には兄がいるんです。妹大好き。まだまだいたらない妹のこと、見守ってる。そんな感じの兄貴。思えば、自分もそうした視点に立っているのかも知れません。ほのぼのした描写に和みつつ、これから伸びゆく彼女らのその様子に気持ちを高めていく。伸びゆくということ、それがやはり魅力の源泉なんですよね。彼女らに設定された弱点は、明確にされた克服すべき目標なんです。一種到達点が示されて、そこに向かってハードルをひとつひとつ超えていくのだろう彼女らの姿は、やはり見ていてわくわくさせられる。もう、こんなんで大丈夫なのかなあ、そうした不安があったとしても、彼女らを応援したり、励ましたり、発破をかけたり、いろいろな人が彼女らの周辺にはあって、そしてついにはひとつの山を越えるにいたる。そうした出来事のひとつひとつが彼女らのドラマであるのですね。

    けれど、彼女らの越えていく山、それらはいまだ小さな山であって、ゆえに描かれるドラマも劇的な展開とまではいえません。でも、小さな山々を越えていったその先、彼女らの目指した地点に立ったいつかその時、振り返って見る景色はどうしたものであるのだろう。そんなことを思うのですね。今はまだ小さな歩みであっても、彼女らの進む先には広く大きなフィールドがある。そう思わせてくれる伸びやかさにひかれています。

    ああ、そうそう。墨田さん、最高だ!

    • 種田優太『フレラジ☆』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2014年。
    • 以下続刊