2023年12月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2024年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2024年2月号、発売されました。表紙は『紡ぐ乙女と大正の月』。いつになく凛々しさをたたえた紡。いざ唯月を救わんと大正に向かわんとするその意気が漲って、周囲に舞うは白い羽根。これは、天女としての紡の降臨でしょうか。今号では巻頭、いよいよ佳境を迎える物語にて、紡はいかな活躍をして遂げようというのか。奇跡によって奇跡をおこそうとする、そんな紡の飛躍にここは一心、思いを委ねるばかりであります。

今月は新連載が1本、新規ゲストが4本です。

『押しかけ女房、コドモ付き!』

未来からやってきた自分の子供。しかし相手は女、私も女。こんなことってあるんだろうか。当然詐欺かなにかと警戒するのが道理。しかし子供にほだされ、家にあげてしまった。ここからはじまる不思議な会話。未来では女性同士でも普通に子供がつくれる。ということは私はこの女と結婚することになるのか?

いえ、過去の偉人の遺伝子バンクから作りました。

いまだ知らぬ、成しえぬことが、次から次へと開陳されて、喜んだり狼狽したり、もう本当に感情が忙しい。なかなかに穏かでない状況に放り出されてしまうのですね。

連載1話目は、前提となる状況が提示され、そして主人公高坂華子が謎の女ミライの連れてきたノゾミを認知? するにいたるといったところ。とりあえず、ノゾミは家に通そう。しかしミライは受け入れない! 一線を引く華子のいまだ解かれぬ警戒心。これが今後どう変わっていくか。それこそが見物でありますね。

『魔法少女は羞恥心で強くなる』

どえらい運命を背負わされたもんだ! タイトルにあるように、羞恥心をエネルギーとして力を発揮する魔法少女。この厄介なシステムに適任と、魔法少女のマスコットから、さらには憧れの先輩から見初められてしまった少女の物語。

はいいのだけど、なにをやっても失敗しては、そのたびに恥ずかしい思いをしてきた。その記憶にすらさいなまれる主人公の羞恥の情景。これは思いすぎるがためにより恥ずかしくなってしまうやつではないのか? あるいはそろそろ慣れてきて、ちょっとやそっとのことでは恥ずかしいだなんて思いもしない、そんなメンタルになったりしたりしないのかい?

とか思っていたのが、まさか先代魔法少女に起こった悲劇であったとは!

布面積を減らすことで、羞恥エネルギーをまかなってきた先代は、ついには貝殻ビキニ姿になってなお恥ずかしい気持ちがわいてこないまでに達観してしまった! って、先輩、そんな格好しても恥ずかしくないって、もう末期ですよ! その末期先輩から、次は君だとバトンを渡されても困る! というのが今回の物語。

ほんと、これ、どうなるんだ。いずれこの運命を受け入れることとなるのでしょうか。だとしたら、いずれは貝殻水着の境地に!? 初回からいきなりノーフューチャーです。

『まんまるの恋慕』

ひまるの秘密。それは望くんが好きということ。あまりに好きすぎて妄想にふければ、ちょっと人には見せられない表情になってしまう。この秘密を知っているのは友達の巴音だけ。というのですが、巴音はもうひとつひまるの秘密を知っている。

それは猫になってしまうということ。

くしゃみをすると猫になる。って、結構ヤバいな、これ。くしゃみなんて、そうそうめずらしいことじゃないから、油断すれば即猫じゃないですか! かくして今日も授業中に猫になってしまい、おっと、服はそのまま残されちまうのか。ヤバいな。うかつに戻れないパティーンだ!

くしゃみをすれば人に戻れる。って、これもヤバいな。うっかり戻ると全裸なのか!

ともあれ、結構危険な体質? のひまるだけれど、猫になったら望と接触できる? これを機会にもっと仲よくなれるといい? いや、でも猫のひまると人のひまるの接点、知ってるのは巴音だけだからなあ。今のところなかなかにむくわれなさそうな恋模様であります。

『ファルクスと白紙の帳簿』

奴隷制のあるこの世界では、身近に接してきた奴隷を売買するのも普通のこと。屋敷のお嬢様、ファルクスのもとで働いてきた奴隷のアトラスは、今日をかぎりに伯爵に売却される運命。ずっとお嬢様と一緒にいたかった、そう願うアトラスだけれど、それは身分が許さない。

かくして、奴隷の少女アトラスは、お嬢様への最後の奉仕をすることとなったのでした。

商談相手の伯爵との狩りの助手からディナーの給仕までつとめることとなったアトラス。これもすべて商品としての自分の価値を見せるため。お嬢様との一緒の時間を惜しむようにしながら、一緒に狩りをするアトラス。その手腕は伯爵のお気に召したようで……。そして買い取られた後は、娼館に送られ消耗品のように使われることが言明された。

ずっと大切にしていたアトラスの今後がしのばれたか、ファルクス、アトラスを売ることができずに手元に置いてしまったという話。この人情譚のその向こうに、奴隷制度があり、伯爵の娼館ですり潰される人たちがいるという、闇の部分に心が重くなりました。

『アクは延べよ!』

外道みつき、裏社会で暗躍するエージェントなのに貧乏なのか。今回の任務は財閥の令嬢の営利誘拐。5千万を要求するというのですが、そんな安値だなんて許さない! お嬢様から値上げを要求されるというから形無しであります。

仕事での誘拐かと思ったら、みつきの単独犯みたいですね。ともあれ、お嬢様の身代金としての5千万。みつきにとっては大金なれど、お嬢様にとってはぽいっと会社をスナック感覚で買っちゃう程度のおこづかい。その感覚の落差あり、さらにはこの身代金を元手にビジネスを起こし資産を増やしましょうとのプレゼンが。

まったくもっと前提からして感覚が違うというのですね。

こうしてお嬢様のビジネスプランに組み込まれてゆく外道みつき。これは更生のチャンスでは!? 少なくとも安定した生活を得られそうな予感。こいつはうらやましいかぎりです。

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