2023年12月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2024年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2024年2月号、一昨日の続きです。

『スローループ』

釣りから帰ってきた一花と楓。釣果の調理といくわけですが、その前に使いきれなかったサイマキ、車海老を下拵え。釣り餌の残りがそのまま人の食事になるというの、なんだかちょっと面白かったですよ。そして風呂からあがってきた一花がマゴチ、イネゴチを調理するのですが、この調理の様子をレシピとともに淡々と追っていくのが不思議と楽しい。

そうなんですよ。今回はほぼレシピ、マゴチと車海老を使った料理の作り方を楽しく学ぶみたいな誌面になっていたというのに、それだけで妙に充実を感じて、それは一花と楓のキャラクターがあったからなのか、あるいはその語りの筆致がゆえなのか。

おそらくはそのすべてなのだと思います。ただレシピが紹介されるだけでなく、白子と卵が入ってたと気づいてからのビールとか、そういうキャラクター同士のかけあいがはいることで、レシピもそしてかけあいも面白くなる。よりキャラクターについても好きになる。そうした相乗とでもいうような作用があるんだと思わされたエピソードでした。

『球詠』

マジか! あの状況からいかに逆転していくかという、その様が描かれるものだと思っていたものですから、いやあ本当に驚きました。新越谷、4-3で敗退!

そうか、まだ春大会だから、そこまで勝ちにこだわる必要がなかったのか。にしても、シードのランクは低くなってしまう。ということは夏大会での試合数が増えるってことかな。その分見どころも増えると思えば、読者的にはよいのかも。それに今回の試合で、コンパクトに一年生たちの個性や強み弱みなど見えてきて、そしてさらに今回この後に描かれた上級生の会議にても、これまでの振り返り含め、今後の一年生育成の方針をともに、新入部員の位置づけなどが見えるようになっている。

ええ、この数回描かれたのは、これからの一年間を見通すための下地作りであったのかも知れませんね。

そして今回ラスト、中村希から小町に勝負が持ち掛けられる! 喜ぶ小町! はいいとして、この勝負の意味するところはなにか。希の意図たるやいかなるものであるのか。次回の展開に興味を持たせる、そんな幕切れとなりました。

『花唄メモワール』

今回は2話掲載! 描かれたのは、令和にも残る老舗のろうそく店。澤村ろうそく店の存続をめぐるお話。もしここで梅の介入がなかったら、逆に歴史が変わってろうそく店は廃業の憂き目に!? あるいは梅が関与しなくとも、なんらかの理由でもって存続することとなった?

そのあたりはわからない。けれど確実なのは、このろうそく店を守るために、本来ならもっとずっと後の時代になされるはずの取り組みを、ここ大正時代にて先取り! ああ、どうなる大叔父さん! これはこれで歴史変わっちゃうのでは!? あるいはこれも含めて、本来の歴史の一ページなの!?

わからん、ほんとにわからん。

わからんながらも、今回は大きな展開ありまして、竹子に呼び出された梅。向かうは花山城址というのですが、梅がいう赤い瓦の真っ白い城、それはこの大正の御代には影もかたちもなく、ここに梅の話との齟齬が出てくる。それ以前に梅が語ったいろいろ、その言葉のかけらを繋ぎあわせて、そして竹子が導いた結論というのが正鵠を射る。

梅は未来からきたのではないか。

その疑義にいかに答えるか、梅よ。そしてこの事実を知るものが大正時代に存在することとなった、その結果やいかがなるか。いよいよ物語は急展開を迎える? いやほんと、竹子がここまで踏み込んでくるとは予想外。驚かされた瞬間でした。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

今回は特別編。ということで、カンナの入学直前の状況が描かれて、この子が姫宮女学院を進学先として選んだその理由が明かされる! というほど大きな話ではないんですが、制服ですね、あの可愛い制服に袖を通したかった。普段は絶対着られない系統だけど、制服だったら合法だ! って、いやいや別に普段着たとしても違法じゃないよ!

カンナは自分の可愛さを見誤ってるのではないかなあ、というお話だったんだと思います。自分には似合わないと思ってる制服。実際に着てみても似合ってないと思ってしまう、というんですが、いや? そんなことないよね? めちゃくちゃ可愛いよね? カンナの家に出入りしている若い衆も、もっと全力で褒めろ! いやだって、べらぼうに可愛いもんなあ。

なんてことを思わないではおられなかったのでした。

かくしてカンナは、制服の上に一枚羽織ることとなって、こうして個性を出していく? いや、制服の甘さを抑えていくのか。甘味が好きというその性格、傾向を隠していく戦いは、入学の前からもう始まっていた、というお話でありました。

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