2022年8月5日金曜日

『まんがタウン』2022年9月号

 『まんがタウン』2022年9月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』。せんべいを食べているしんのすけですが、その背後にはネギが? 手前にはラーメンときりたんぽ鍋。みさえの故郷、熊本のラーメンと、ひろしの故郷秋田のきりたんぽ鍋、それぞれの出身地にちなむ名物だというのですね。そしてしんのすけのネギにせんべいは、埼玉の名物。かくしてこの一家の縁あって、秋田県、埼玉県、熊本県が家族都市協定を締結したのだそうですよ。

『兎なりのウサギさん』

紅詩の友人、牧田美沙さん。いいですね。ちょっと眠そう? ゆったり穏やか? 語尾が波打って伸びる、その独特の語調にも個性が感じられる。そんな彼女と旅行の話。家族で一泊二日の旅行にいくという紅詩。みたらしは連れていけないからペットホテルに預ける、というのですが、そこで美沙から、青枝に頼めばいいのではないか。ナイスな提案が出たんですね。

そこからの青枝がいいじゃないですか。重責を担うことになった、気持ちが高まっているね! 凛々しくも頬を紅潮させた彼の表情。喜びが感じられるね! そして早速みたらしの世話をしにきた青枝。気持ちがはやっているね! より一層に頬を紅潮させて、もう気持ちが収まらない感じしますね。いや、実にいい。このやる気が素晴しいです。

そこからのみたらしとの交流。ちょっとよそゆき風のみたらしとかね、へえ、緊張すると気取った風になったりするんだ。

今回は青枝の揺れる気持ち? みたらしに対する思いあり、同時に紅詩の部屋に緊張? 高揚? するとかね、使命を果たさんと思う意識ありながらも、紅詩への思いもまた募る。ええ、多方面に気持ち高ぶらせる、若さ感じさせる青枝くんでした。

『新婚のいろはさん』

いろはが犬の散歩にいこうというんですよ。犬も飼ってないのに!? と思ったら、同じマンションの飼い主さんが足痛めちゃって散歩にいけない。そりゃ大変、私がかわりにいきましょう! 強引に散歩権を勝ち取ってきたんだ! でもこの熱意、わかる気がする。実にいろはらしいと思う。

ここで語られた興味津々オーラ、めっちゃ面白いな。オーラの圧が強すぎて動物をおびえさせてしまう。これ、あれだな、散歩中に同じく散歩中のわんこに出会った時にいろはのうしろに隠れたじゃん。興味津々オーラで追い払ってくれっていってるわけだな! いやほんと、向かいあうとビビるけど、その威力でもって脅威が排除されることを期待する。犬は賢いなあ!

それから徐々にいろはとわんこが打ち解けていく様。いろはのアグレッシブさが元気いっぱいの犬にマッチしてすごくいい感じ。そして早倉との遭遇。ここでの交流もめっちゃいい。マンションのまわり一周ときいて、人も犬も一緒にときめくのな! いやあの表情、素晴しかったわ。

この漫画のよさだと思いましたよ。人にしても犬にしても、すごく表情豊かでしょう? 気持ちがすごく伝わってくると感じる。ゆえに親しみも感じられ、より近しいと思えるのだと思ったのでした。

『あの世で猫になる』

朝倉さん、霊現象に慣れすぎてる! 勝手にテレビがついてたり、タブレットが知らないページを表示していたり。それをタマが楽しみでやってるのだろうと受け入れてくれていて、でもこれ、タマひとりの仕業ではない。あのねずみとのコラボレーションなんですね。

ねずみの中身が、元悪霊とはいえ人間だからまあ大丈夫なのかな? ねずみって病原菌を媒介したりするじゃないですか。でももと人というからには、衛生面は気を使っていてほしい。とはいえ、いろいろあかんっぽい予感もさせてくれて、朝倉さんが作ったホウ酸ダンゴを危なく食べそうになってたし、さらにはネズミ捕りの罠にも引っ掛かりそうになっていた。知能がネズミ並に制限されている!? あるいは思考や行動がネズミにどんどん寄っていってしまってる? でもネズミの野性的な防衛本能とかはすっかりなくなってるようで、思いっきり見通しのいい廊下を走って、カラスにさらわれていくとか!?

いやもう、結果的に助かったからいいけど、この漫画で人死にが出るところでしたよ。いや、もうすでに死んでるのが何人もいたっけな……、この漫画……。

ねずみ、タマとそれなりにいい関係築けていたとは思ってましたけど、今回の騒動がもとでより仲が深まった感ありますね。とはいえ、やはり朝倉にねずみとのつきあいを知られるわけにはいかない。やっぱりこそこそしながら、時には助けあって、そんな関係が続きそうです。

『もくもくもくのキャン』

ひとりキャンプを楽しむ木野さん。どこまでもマイペースで、どこまでも自由。そんな雰囲気もあるのだけれど、折りに彼女の思い出でしょうか、かつて一緒にいた誰かの記憶がふと顔を出してくるのが気になるのですね。

今回なら、温泉施設で横になっていた彼女に聞こえた声。思い出の友達? もちろん現実にはそんな声はしていなくて、はっと声に目を覚ますも、そこには自分ひとり。こんなちょっとした描写にも、かぎりない寂寥感を感じさせるのです。

ホームセンターで鍋を見ていた時も、同じスーパーで働く原田と出会って、少しばかり会話をかわすのですが、原田に恋人のいることを知って、なにか距離を感じてしまった? いずれ壊れる関係を思ったからか、自分には立ち入れるなにかを感じたか、そそくさと別れる木野はやはりどこか寂しくて、ええ、この人になにがあったのか、それが気になってしまうのいうのですね。

ひとり餃子で回復した木野だけど、どこか無理しているのではないか。そんな感触もあって、本当にこれで大丈夫になれていたらいいのですが。やはりどこか気になる木野なのでした。

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