『まんがタイムきららキャラット』2022年10月号、発売されました。表紙は『紡ぐ乙女と大正の月』。我らが紡と旭ふたりがチャイナドレスでご登場。しかし、こうして見ればふたりいかにも対照的で、量感ある旭に対し、すらりとつつましやかな紡。表情も同様に、つんとすました旭に笑み浮かべている紡といった具合。ふたりともに、それぞれ素敵で、ええ、衣装の白に紺が背景の赤に映えて美しくまとまって鮮やかです。
今月は新規ゲストが3本です。
『翡翠ソーダの泡に乗せて』
メロンクリームソーダの思い出を今も大切に胸に抱いている杏華。仕事を放って逃げる生徒会長、務を追っていった先で出会った喫茶ロカビリー。務の親戚の店なのだけれど、今は務が切り盛りしている。まだまだ不慣れ、人出も足りない。そんな状況で急遽店を手伝うことになった杏華。手伝いのお礼はクリームソーダだというのですが、おお、杏華にとって合格点出せるクリームソーダだったというのですね。
務が生徒会の仕事を抜けていたのは、喫茶店の仕事があったからなんですね。だったら最初から話しておいてくれれば、そういう杏華の正論、いやまったくそのとおりですよ! こんな具合で、どこか抜けてる? 先輩と、しっかりしつつもクリームソーダの誘惑に抗えない杏華、ふたりの喫茶店ライフがはじまります。半ば無理矢理にバイトすることになった杏華ですが、これ、店長格の務より、杏華の方が店の実権握ったり!? みたいなことになりそうな予感も?
ええ、どこか自然とイニシアティブとってしまう、そんな杏華が強いなあって思えた初回でした。
『しんこうのすゝめ!』
パンの配達を任されたラン。最後の配達先についたのはいいけれど、そこは化け狸の噂がある神社? ランを出迎えたのは、化けてはいないただのタヌキ、と思いきや、続いて出てきた巫女さんは、頭に葉っぱ乗っけた不思議な子。けも耳にシッポと、いかにも化けてる雰囲気かもしだして、いや、実際タヌキなんですね!?
あ、タヌキではないのですか。ムジナの神様なのだそうです。名は千狸。信仰を失うとともに力も失ってしまった、というのですが、ここであえて皆に信仰心を取り戻させようとするでもなく、ただただ興味の赴くままにたまたま見たチラシのフルーツサンドを取り寄せただけだというのですね。
ある意味、達観している千狸。いや、神様だけに達観しててもおかしくはないな。対し、ある程度、この危機的状況に抗おうとしてくれているラン。ふたりともに知恵と工夫で、千狸は祠の知名度アップ、ランはパンで町おこしをはかることにあいなりました。
うまい具合に利害が一致してまずは一件落着。といいたいけれど、千狸からフルーツサンドのお代を回収できなかったランのしどろもどろの言い訳! いや、まあ、嘘はついてないんですけど、なにせ理由が化け狸では説得力が、ねえ……。ともあれ、パン屋の店長さん、リエもいずれは巻き込まれたりするのでしょうか。
『女装男子校のXX』
これまた、えらい特殊な学校が出てきましたよ。ヒロイン山斗が入学した学校は、一見すると女子校。しかしその実際は男子校。いかな理由あってなのか、生徒皆が女子制服を着ているという、ちょっと不思議な決まりがあって、でもなぜそんな特殊な学校に、あえて女子である山斗が入学することに!?
入学式で隣りあった生徒、翼木和に触れられて動転するあまり手をあげてしまった山斗。ぶったおれた和をおぶって保健室に急行。そしてここで、山斗が女子であるとバレたこと、さらには山斗がこの学校にきた理由が語られることになるんですね。
特待生として入学が決まったものの、この学校にきたがらなかった弟の代わりに入学した山斗。でも、これ、弟はこの学校の特殊性に馴染めなかったのでは? というか、弟はまず第一にこの学校への入学を希望していたの!? というところから謎ですが、いや、弟は弟で部屋にぬいぐるみ並べてたりして、この学校に入る素養自体はあったのかも……。
ともあれ、弟のために苦手な男子の集う学校へとやってきた山斗。男性恐怖症だって本人いってますが、あまりにも無茶すぎない!? 冒険にもほどがありすぎない? なんて思ったりもしたけれど、山斗、この学校に馴染めるものでしょうか。とりあえず秘密を知り時に助けてくれる、そんな仲間をひとり得ることができて、まずは山斗も安心ですね。
- 『まんがタイムきららキャラット』第18巻第10号(2022年10月号)
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