2022年8月26日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年10月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年10月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。浴衣姿の山下さん。愛でるのは月夜に鳴く秋の虫? いつもよりもしめやかで、落ち着いた色気ある風情、出で立ちが素敵です。『おひとり好きの富士宮さん』、富士宮さんも浴衣で登場。手には扇子、そしてワイングラス。悠々としたマイペース、ひとりの時間の楽しみを知っている、そんな雰囲気が健在です。『小森さんは断れない!』しゅりも月のもと、手には短冊、夏の思い出? そうしたしっとりとした雰囲気の続く仲、ひとりサンマに興じる『らいか・デイズ』らいか。ええ、この子もまたマイペース、自分の楽しみを知るひとりですね。

今月は新規ゲストが1本です。

『アイドルはお忍びCHU♡』

役目の途中、敵に追われる女忍者。なんとか逃げ果せようと川に飛び込むも、気づいたら異世界!? 現代日本でアイドルをやっていた。

これは、忍者の娘がアイドルの子に憑依したってこと? と思ったら、ああ、違いました。この世界にやってきた忍びの娘を元アイドルの一花が救助。かくして一宿一飯の恩を返すべく忍者の芙蓉は、知らぬ世で知らぬ仕事、アイドルに挑戦することになったのでした。

さすが忍びだけあって体術はお手の物。見ただけで曲の振りつけを覚えてしまうのは心強い。歌についてはまだ不明だけれど、まずは地元の小さなイベントに二人組アイドルとして出演すると決まって、しかし人前でのパフォーマンスに緊張を隠せない芙蓉。本番を前に引っくり返ってますが、これ、大丈夫なのかな!?

できれば続きを読みたい。だって、せっかくだからステージシーンは見たいじゃないですか。そう思わせた第一話であります。

『おしかけツインテール』

入試に臨む花梨。落ち着き持って取り組めてるようでなによりですね、と思ったら、なんかあらぬこと思い出してるな。というか、ちゃんと問題は解けていたのかな? いや、この子に限ってそうそうしくじることはあるまい。と思わせて実際どうなるかはわからんからなあ。いや、まあ、大丈夫だろうとは思うんですけどね。

試験を終えて、ポップカルチャー研究会に顔を出した花梨。先輩たちへの挨拶もすませて、これから住むことになるかも知れない町へと繰り出すのですが、そこからの花梨の物思い。大学合格したらいよいよ新生活が始まる。この街に母とふたりで暮らすことになる。慣れ親しんだ街や家への別れを予感しているその様子。ええ、こうした花梨の思いに同じく、この漫画の終わりに向かおうとしていること感じとってはわびしさを覚えたのでした。

変化というものは時に避けがたく、そこに期待や希望もあらば、反対に切なさ悲しみも同居する。そうした思いをともに味わっていた、そんな風に思ったのでした。

『となりのフィギュア原型師』

イスカを見事降した朝倉ゴーレム。その覆面の向こうに隠された素顔、それはおこめの父なのではないか!? おおお、I am your fatherってやつかっ……!

いや、残念、その予想は当然はずれて、けれどイスカがゴーレムにおこめとの繋がりを感じとったのにも、ちゃんと理由があったのですね。

ゴーレムの造形に滝舘おこめに通ずるものがある。これは半藤も認めるもので、ここで代表がいってた心当たり。これって本当に当たっていたのか。

滝舘おこめを前にして覆面を脱いだ朝倉ゴーレム。その正体はおこめの学生時代の先輩! おこめに造形はじめ、いろいろ教えた男だというのですが、いろいろという言葉にいろいろ思ってしまっているのかい半藤クンっ! さらには学生時分の代表の話を聞かされて、そのただならぬ雰囲気にあらぬ思いを抱いてしまったというのかい半藤クンっ!

いやもう、大好きな代表の過去に動揺をきたした半藤と、半藤の反応に失望されたと感じ落ち込む桐山と、ほんと、このふたり、それぞれにベクトルの違う不器用もんだな本当に! でも、ここから描かれたもろもろ、朝倉からいろいろ代表に聞かされる半藤と、心配ごとの払拭、それで得られたさらなるリスペクト。ほんと、半藤は代表のことが大好きだな! そして、半藤から真っ直ぐダイレクトな好意、賛辞を聞かされて戸惑う代表。いや、これは半藤の引き起こした惨事がためか……?

いずれにせよ、おこめ、これで自信を取り戻せたんじゃないでしょうか。かくして次回は師弟対決!? 見事、かつての師、先輩を超えることができるのか。滝舘おこめ、渾身の対決に期待もみなぎりますね。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今回の八重の興味はかき氷? 暑いからっていうんですが、え? あれ? なんか変だぞ。かき氷を食べるんじゃなくて見るの? それも実物じゃなく、スマホで写真を見るの?

最近はおしゃれかき氷とでもいったらいいのか、大きく盛られて、かつフルーツやらなんやら豪華な映えるかき氷が人気です。で、そいつに挑戦するのかと思いきや、ああ残念、お金がないのね。なので自宅でかき氷を作りましょう。

出してきたのが、ペンギンのかたちのかき氷機! あった! ハンドルぐるぐるまわすやつ!

庶民的というみなの評に複雑な思い抱く八重ですよ。でもかき氷機、ペン丸への愛着も本物。この子のこういう時に見せる素朴な側面もまた可愛いですよね。そして同時に無理して背伸びしようってところもとてもいい。

今回はグラスを使ったおしゃれかき氷への挑戦ですが、そのグラスっていうの、また庶民感あるガラスのコップで、いやあ、なんだろう、昭和を感じる。昭和レトロみたいな方向性がいいんじゃないかしら? と思うのですが、きっと八重としてはそういうレトロ路線にはのれないのだろうなあ。

そんな八重のかき氷作戦、失敗しちゃうんですが、紅茶とかね、悪くないって思ったんですよ。濃い目に煮出して、紅茶シロップにしたらいけそうやん! と思ったら、そのまんまいっちゃったんですね。かくして薄いアイスティーができあがって、このがっかりした表情。ほんと、八重のこの空回り。今回はいつにも増して盛大に空回っていたと感じます。

0 件のコメント: