2022年8月25日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年10月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年10月号、昨日の続きです。

『スローループ』

船の漕ぎ手と釣り人をシャッフルしてみた今回。恋のことないがしろにして怒られてるおじさんに、うまいこと情報統制しながら謝るよううながす小春を見るに、ほんとこの子は人の扱いがうまい。以前、本当の自分を隠しながら人によく思われるよう演じてるんだ、みたいなことをいっていた子ですが、ある意味自覚的にそうしたことを武器として行使できる。基本、悪気のある子ではないから、こうしたところも処世術ですよね、ほんと頼りになる、いい調整役になれそうな資質が光ります。

いや、まあ、それで自分の本音をなかなか出せないみたいなところもあって心配は心配なんですけれど。

ひよりサイドでは、小春のことをふたり心配していて、キャンプしたいがばかりに家出したことを思い出しながら、自分の思いを貫き通そうと行動したことをむしろ好感持っていたと語る父の姿。その話に呼応して思い出されるひよりと小春の思い出。そうした要素に、小春を見守り支えてくれる人たちの存在を確かに感じられて、ほっとさせられるところあった。ええ、全段と後段で噛みあってバランスのとれるこの感覚。素晴しかったと思います。

そして釣りですよ。小春の父、見事にブラウントラウトを釣り上げて、って、ブラウントラウトって日本にいるんだ! てっきり北米の魚だと思っていたから意外! と思い調べてみたら……、おおう、やっぱりか、外来種だったよ……。しかも北米においても外来種! 驚いたな。そうか、本来はヨーロッパからアジア、すなわちユーラシア圏に棲息する魚なんですね。

今回の舞台は芦ノ湖。こないだ釣りゲームで実装された日本DLCで遊んでたのがここだったよ!

海賊船でピンときて、しかもこれすなわち『ラブプラス』の旅行先でもあって、驚いたな、予想外に芦ノ湖って身近に思えてくる……。

さらに続く描写、湖に突き出している鳥居とか描かれているのを見て、おお、VRで見たやつです! ちょっとなんだか興奮させられるものがあって、ええ、小春やひよりの釣り旅行がより一層に親しみ感じられる思いがしたのでした。

『ちょっといっぱい!』

すずめ亭への出店交渉がなされていると知って内心穏やかでないもみじ。その後、感情を隠してしっかり接客をしていたのですが、そんな彼女を見守り不安げな表情をしている凪です。

今回、凪が大きな役割を果たすんですね。思えば、もみじのことをずっと心配していました。もみじとすずめ亭のこと、それをずっと心に留めてくれていて、その気持ちがついに凪の背を押すにいたった。

突然、涙目でもみじに抱きついた凪。その行動の真意やいかに。ああ、すべてはもみじへの思いが強くなりすぎたがため。大切な思い出の場所が失われるかも知れない、そのことを知りながらも心に蓋をしているもみじの気持ちを誰よりも強く受けとめて、その思いを解放させるきっかけを開いてくれた。

溢れるもみじのすずめ亭への気持ちを知った店長がその後を役目を引き継ぎ、落ち着いた話しあいを経て、もみじに動き出すための決意させるにいたる。

ああ、ついにこの時がきたんですね。これまで語られてきたことは、この時、これからの展開のためだった。そう思っていいのでしょうか。この展開がくる、いややっぱこないのか? そう思いながら追ってきた数ヶ月でした。いよいよ動き始めたもみじ。とりまく環境はいかに彼女に答えるのか。たとえ困難が待ち受けるにしても、もみじ、それを乗り越えて先に進んでくれると嬉しい。これまで経験したことすべてが、ともにあった仲間が彼女の助けになってくれれば。そう願う気持ちでいっぱいです。

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